私は木村建設の建てたあるホテルの支配人です。
昨日、木村建設の現場監督だった方が今回の姉歯事件についての説明に来ました。
その顛末をまとめて伝えようと思います。
ちなみにヒューザーについては何も知らないので質問はご容赦願います。
1 今回の事件で一番儲けたのは誰か?
これについて申しあげると、「総合経営研究所(以下、総研)」が一番儲けており
姉歯容疑者はそのおこぼれに預かっていたといった所でしょう。
総研に関してはすでにマスコミが報じているように多額の中間マージンをとってぼろ儲けをしています。
コンサルタント料、木村建設からのキックバック、その他建設資材のほぼ全てを
自分の息のかかった会社に発注させて其処からもキックバックを貰っていた訳ですから相当な額になります。
姉歯容疑者については、一般的にマンション、ホテルなどの高層建築物の構造計算というものは
一人の建築設計士が行った場合、強度計算や地震の時に建物にかかる応力計算などで
少なくとも1件につき一月近くかかるのが常識だそうです。
それを姉歯容疑者は月に4件から6件ほど手がけていました。
木村建設が姉歯容疑者に対して支払っていた報酬は1uあたり五百円です。
1uあたりの単価としては業界の適正値です。私のホテルをモデルに元に計算すると
11階建てで延べ床面積が大体2,300u×500円=115万円程となります。
つまり大雑把に言えばホテル一つで百万円前後の収入となります。
普通の建築士だったら一月に一件から二件ほど仕事をこなせば
大体年収は1200万〜2400万円程にとなります。が、
姉歯容疑者は常識はずれのスピードで仕事を手抜きでこなし、その4倍から6倍は稼いでいます。
2 木村建設は手抜き工事をしていたのか?
では、木村建設はどうだったでしょうか?
一見、十数年でホテルだけでも200棟以上、マンションもそれと同等数建設したと聞けば
誰しも儲かっているようなイメージを想像します。
しかし、今回内情を聞いてみたところ相当の自転車操業だったようです。
木村建設のコンサルタント会社である(以下、総研)から
ローコストハイクオリティの建築手法を学び、数年のうちに現場のノウハウを成長させ
11階建てのホテルやマンションを建てるのに
一年かかる所を9ヶ月に、8ヶ月に…と、どんどん早くなり
最終的には半年で建てられるようになりました。
工期を短縮することでより安い見積もりで工事を落札できるようになります。
結果として木村建設は業界相場の1〜2割引きの見積もりで工事を請け負えられるようになります。
「早く、安く建てたければ木村に頼め」というのがマンション、ビジネスホテル業界での合言葉になりました。
がんば!支配人
さて、問題はここからです。
連日マスコミで報道しているように「早く、安く建てるために手抜き工事をしていたのではないか」
と疑問に思われるのも当然です。
施工費を相当低く見積もっている上、他の大手建設会社では不可能なスピードで完成させるのですから
実情を知らない人たちからしてみれば、そう思われても仕方ないことかもしれません。
しかしそれは、木村建設が総研から技術指導を受けてホテル、マンションに特化した形で
技術を磨いてきた結果、通常の半分の工期で完成させることが出来るようになったのです。
これは現場を見てきた私の見解ですが、彼らの工期厳守、現場管理の徹底ぶりは目が覚めるような見事なものでした。
木村建設は一番最初に計画が持ち上がった時点で、
すでに以前の建物の解体から基礎工事、躯体作り、配線配管、内装備品の搬入まで1日ごとの具体的な計画書を出してきました。
外壁や内装品に多くの海外資材を使っている関係上、その発注、船便のスケジュールの管理を徹底して倉庫代を浮かせる。
品物は届くその日のうちに搬入するなど、かなり綿密な計画書を出してきたのです。
その中で、私の前の建物を解体するのに、木村建設は私の地元の建設会社を下請けとして使いました。
しかし、事前に綿密に打ち合わせをしていたにも拘らず、地元の下請け会社は3日も工期を遅らせてしまいました。
その後の打ち合わせで、現場監督が下請け会社の専務を正論で罵倒し倒し、
見っとも無く食い下がろうとする下請け専務を、半泣きになるまで責め続けている姿を見て
「本当にこの人たちはとてもシビアな仕事をしているのだな」と感心しました。
それとは対照的に、見るに堪えない小学生のような言い訳を繰り返す下請け専務にはとても失望しました。
以前の建物をその下請け会社に建ててもらっていただけに余計、木村建設の仕事振りに感心したわけです。
また、鉄筋量が少ないことについて疑問がでなかったのかという件についてですが、
これもちゃんとした理由があります。
木村建設が総研から姉歯容疑者を紹介される前は、構造設計は他の色々なところに発注していました。
その中に「中山構造研究所」↓というところがあります。
http://www31.ocn.ne.jp/~naae/ この会社は構造計算に関しては相当有能なのだそうです。
何しろひとつの物件に対して10通りもの違ったパターンの構造計算書を作り
その中から一番コストが安く上がるものを提出する、といった念の入った仕事だったそうです。
その中山構造研究所から送られてきた計算書は極力鉄筋量を少なく、且つしっかり強度を出すというものでした。
あまりの鉄筋量の少なさに、当時の現場監督が目を丸くして「本当にこれで大丈夫なのですか?」
と尋ねたところ「絶対に大丈夫です」と自信を持って即答されたそうです。
事実、その計算書はすんなりと建築許可が下り(まだ建築許可が民間委託される前の厳しかったときの話です)
設計図どおり木村建設が施工したその建物はいまだに不具合もなく、しっかりと建っているそうです。
その、中山構造研究所の人曰く、
「鉄筋が多ければ良いという物ではない。重要なのは鉄筋とコンクリート、そして建物自体の重さとのバランスだ」
と言う事だそうです。
このことに感銘を受けた木村建設の現場監督たちは、
設計しだいでちゃんと適正にコストを下げられるのだということを目の当たりにしたわけです。
鉄筋の量が多少、少なくても「そういう新しい工法が出来たのか」と思うようになります。
少なくとも当時は、検査を通った設計図を疑うという意識はなかったそうです。
ただ、この中山構造研究所。仕事はすばらしいのですが手数料が相場の倍で、念入りな仕事をするため
なかなか速く仕事を上げることが出来なかったのが欠点なのだそうです。
そこで、総研からの紹介で仕事の速い姉歯容疑者の登場と相成ります。
312 :
あるホテル支配人 ◆VHnb0CvNYY :2005/12/10(土) 20:26:04 ID:BNs0rdK40
とりあえずここまでまとめました。
ここからさらに今回の問題の核心に触れていくのですが
なかなか時間が取れないo..........rz
今後書く予定のこと↓
3 木村建設と総合経営研究所と姉歯建築士の力関係について
4 建築Gメン内部での見解の違い【地震を想定した応力計算の違いについて
5 建築規制緩和、姉歯の堕落、チェックの難しさ
6 今後建設業界に望むこと
以上のことをなるべく早く書くつもりですが
何しろ時間が取れないので、首を長くして待っていてください。
では失礼いたします。
313 :
お前名無しだろ:2005/12/10(土) 21:53:58 ID:k25IYFXjO
しっはいっにん!しっはいっにん!しっはいっにん!しっはいっにん!ガンガレ
お疲れ様
清和会に多額の献金が言ってるみたいだな
いやあいい話を聞かせてもらってるよ これからも頼みます
317 :
お前名無しだろ:2005/12/10(土) 22:50:55 ID:QZ9RPgU50
ガチもガチガチ、尻から血が出るくらいのガチだ。
318 :
お前名無しだろ:2005/12/10(土) 22:54:51 ID:QZ9RPgU50
カベジェラ・コントラ・ズラで俺とた闘え。
支配人、情報ありがとう。
マスコミの食いつきが悪くなってきたね。
証人喚問まで持つかな・・。
皆さんご支援ありがとうございます。
私も早くこの件について全て書き上げて
N速+あたりに上げたいなあと思っていますが、
何しろ事実確認を行いながら書いているので、なかなか速く書くことができません。
今後はとりあえず章ごとにまとまり次第速く投下できるようがんばりますので
なにとぞよろしくお願いいたします。
では皆様おやすみなさい。
ノシ
>>320 プ板住人で良かったと心から思いました。ホント、乙です。
お礼に、1.4ドームの優待券を贈呈してもいいぐらいですよwww
まぁ今日放映の報道特集の内容とも驚くほど矛盾がなくて、
とても考えさせられました。
322 :
成瀬の怨念 ◆FKH.1qrk86 :2005/12/12(月) 00:40:40 ID:6bVIYoJKO
支配人ガンガレ成瀬もガンガレ
323 :
an_idle:2005/12/12(月) 03:14:59 ID:lqgggNNM0
おはようございます。
とりあえず3つめの力関係についてのまとめが終わったので投下したいと思います。
325 :
あるホテル支配人 ◆VHnb0CvNYY :2005/12/12(月) 09:07:51 ID:QHtu/0ir0
3 木村建設と総合経営研究所と姉歯建築士の力関係について
マスコミでは連日、姉歯容疑者がまるで建築業界の圧力による被害者であるかのように報道されていますが事実は違います。
総研から木村建設に姉歯容疑者が紹介されたのは約7年前。
当時の木村建設は業界でも頭角を現しだし大量の仕事を抱えるようになります。
このころの木村建設の年間売り上げは100億円を超えていました。(大部分は総研によって利益をピンはねされていたのですが)
ホテル一軒で約4億から5億円ほどの売り上げとなりますから、
単純計算でマンション、ホテル併せて年間20件以上もの仕事を抱えていたことになります。
そうなりますと仕事の速い構造設計士が必要となってきます。
そのとき会社の救世主であり、仕事を斡旋してくれる「先生」である
総研の内河健所長じきじきの紹介で姉歯容疑者に会うこととなります。
ただでさえ頭の上がらない内河所長じきじきの紹介であり、
実際仕事の速かった姉歯容疑者は木村建設においては相当重宝がられます。
木村建設の中では上得意の顧客ほど「先生お願いします」と姉歯容疑者に仕事を回していたそうです。
それだけ当時は信頼もされており、構造設計は姉歯容疑者が手一杯のとき以外は他のところに回さなかったそうです。
そうするとこの時点で力関係では
総研>姉歯>木村建設
という形になっていたことになります。
つまり姉歯容疑者が主張している
「他に構造設計氏はいくらでもいる」という台詞は、少なくとも木村建設からは出るはずがありません。
326 :
あるホテル支配人 ◆VHnb0CvNYY :2005/12/12(月) 09:20:04 ID:QHtu/0ir0
姉歯容疑者は主にマンションの設計を主に任されていたので、
無理な注文を付けたとするのならそれはおそらく
施主(依頼人)であるヒューザーである可能性が大きいということです。
とりあえず今回は以上。
次回からいよいよ込み入った話になってきます。
全国のホテル旅館組合が、ガクガクブルブル(AA略
するようなお話になってきます。
それでは失礼いたします。
>>326 支配人さん乙です。
貴方のお陰でこのスレくるの楽しいよ
プロレスの真髄は裏切り→和解→再び裏切り→再び和解→三度裏切りのループだから
プヲタは何があっても楽しめる人種なんで
これからも安心して書き込んでね
しかし身の安全だけはきをつけようね、支配人さん
マジでためになる話なんでありがたいけど
329 :
成瀬の怨念 ◆FKH.1qrk86 :2005/12/12(月) 21:09:25 ID:6bVIYoJKO
しっはいっにん!しっはいっにん!しっはいっにん!しっはいっにん!
支配人、今日もありがとう。
応援あげ
331 :
お前名無しだろ:2005/12/13(火) 00:20:33 ID:yg6HsDCj0
いのきの言葉
プロレスは人生そのものである!
姉歯さんや建設業界みてると真理だと思うよw
332 :
お前名無しだろ:2005/12/13(火) 00:56:14 ID:ekxCsMIT0
危険なアネハ
333 :
お前名無しだろ:2005/12/13(火) 01:25:15 ID:PpffuEHmO
もうこのネタいいよ
飽きたというより、明日は我が身と思って生きろよな〜
やりたくてアネハさんもやったわけじゃないんだから
334 :
お前名無しだろ:2005/12/13(火) 03:11:20 ID:vXOzPzGR0
三沢さんも筋量を減らすように圧力を受けてるんだよね?
だから崩壊寸前の醜い下っ腹してんだよね?
ぶっちゃけ明日の喚問が楽しみ
どんな動揺ぶりを見られるか
337 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 01:59:16 ID:e3u6L5Yk0
今日は 証人喚問 あげ
338 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 02:10:56 ID:bjYOUwZ1O
僕はでませんよ
-―=三=- 、
`/イイイ ヽ三\ヽ\
///イ ___ ヽトトト
リ/ミ -_-_--_-_-_ トトリ
川イ へ、 ̄ /ヽ 川
||リ _、 ,-_、川
トi| ヽ"""ノ ヽ"""ノ |リ
ヽ」  ̄ノ 、 ̄ Lノ
|\/(j i)\/|
| | /  ̄ \ ||
\ -=^^=- /
ヽ  ̄ _ノ
 ̄ ̄
-─=三=- 、
/イイイ ヽ三\ヽ\
///イ ___ ヽ トトト
i:|:/ミ -_-__--_−_-_ トト|:i
|:|:|イ へ、 ̄ /ヽ |:|:|
|:|:|| _、 ,.-_、 |:|:|
ト:!:| ヽ´´´ノ ヽ´´´ノ |:|リ
ヽ_|  ̄ ノ 丶 ̄ |_ノ 2ちゃんねるも
| \/ (_i i_)\/ | いい加減にして欲しいですねーまったく!
| | /  ̄ \ | |
\ -=^^=- /
ヽ  ̄ ノ
340 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 09:23:44 ID:StglGlhkO
あっねっは!
341 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 09:29:13 ID:bQaKPyJK0
姉歯は自分が設計したマンションに住めよ
342 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 09:40:07 ID:+4AyjUNTO
あんまりやつれた感じはしないな
343 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 09:43:48 ID:ZA1Pis/a0
今朝の特記事項
@姉歯さんの髪型が変わった
A姉歯さんが太った
344 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 09:48:39 ID:AZGviu9/O
太ったのか(笑)
345 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 10:38:21 ID:StglGlhkO
あっねっは!あっねっは!あっねっは!あっねっは!
>>1は証人喚問を予言している
346 :
お前名無しだろ:2005/12/14(水) 10:57:53 ID:xckzdj2x0
何か今証人喚問やってっけど・・・キミ麻呂みたいな後ろ髪やね
おっしゃーまとめ終わったぞー。
全部まとめて投下します。
誰かいたら支援よろしく。
4 建築Gメン内部での見解の違い、チェックの難しさ【地震を想定した応力計算の違いについて】
皆さんは建築Gメンという組織をご存知でしょうか?
http://www.kenchiku-gmen.or.jp/ この方たちは1995年の阪神淡路大震災の教訓から違法建築を撲滅するために
構造計算士の有志によって立ち上げられた、耐震強度検査のプロフェッショナル集団です。
主な活動は、個人の住宅に欠陥工事がなされてないかどうかを検査していますが、
高層建築物の構造計算も手がけております。
それゆえに都道府県庁の建築指導課と太いパイプを持っています。
ここからOKが出れば、公官庁からのお墨付きを頂いているのと同じということです。
私のホテルもこのかたがたに検査していただき、耐震安全宣言書を作成中です。
ただ、この安全宣言についてですが高層建築物については、
少し話がややこしくなっております。
それというのも、耐震建築学というものが出来たのが、
阪神淡路大震災の教訓で発達してきたものであるため、
まだまだ学問としては完成されてはいないからです。
高層建築物の構造計算には「短期応力」と「長期応力」の双方を計算します。
この短期と長期の違いは、短期応力が地震による揺れに対する応力計算です。
長期応力はその建物が30年以上もの長い間建ち続ける力が有るかどうかの計算です。
(これを怠ると韓国のデパートのように、何も原因が無いのに
建物がある日突然崩れるといった事故が起こります。)
これに対し、短期応力の計算には耐震建築学の知識が必要となります。
耐震建築学では構造計算学は元より地質学、地震学、地質が地震の波をどのように伝えるのか、
といった多種多様な学問を身につける必要があります。
問題はこれら短期応力計算に必要な多様な学問に対して、学者の方々それぞれに考え方の違いがあり
それによって出身大学ごとの学閥があることなのです。
たとえばA学閥の人は「この建物は大丈夫であろう」とOKを出しても
Bの学閥の人から「ちょっと待て、そこの梁の応力計算は違うのではないか?」
というような見解の齟齬が出てくるのです。
専門家の中でさえ、このように意見が分かれるものであるのですから
今、マスコミが散々印象操作している「こんな偽造、見れば一発でわかる」
などといった迂闊な事は言えないのです。
これは私の推測ですが、マスコミがあのような適当なことを、もっともらしげに放送するのは、
マスコミのスポンサーである大手建設会社からの圧力があるのではないかと思います。
何しろ後ろ暗いところがあるのはむしろ大手建設会社の方にあるのですから。
5 大手建設会社による穴だらけの建築規制緩和、姉歯の堕落
1995年の阪神淡路大震災以後、地震により数々の高層建築物が倒壊したため
建築基準法が大幅に厳しくなりました。
また、倒壊家屋も多数に上り木造家屋にも耐震性が求められるようになりました。
そして何より、倒壊した既存の建物のほとんどで「手抜き工事」と思われる
違法建築の数々が暴露されました。
(有名な例としては高速道路の橋げたのコンクリートの中から建築産業廃棄物が多数出てきたことなどですね)
これに危機感を感じた各自治体はそれぞれの建築指導課へ管理を徹底させるために圧力をかけます。
そうすると一番仕事がやり難くなるのはどこか?
もちろん大手ゼネコンですね。自分たちのいい加減な仕事が暴露されたわけですから。
そこで困ったゼネコンは政治家に働きかけて、建築確認を自分たちの子会社で行えるよう
民間委託の推進を図ります。
1998年、橋本龍太郎政権の下、民間委託法案が通り
これによって出来たのが「イーホームズ」などの民間検査機関ということになります。
本来ならば住民の生命を守る重大な問題は公正な第三者が監督管理しなければいけない筈です。
しかし、親会社が大手ゼネコンである民間検査機関の審査は当然ざる審査になります。
親会社の仕事に厳しく審査して、けちをつけるなどという事は出来るはずはありません。
そんなことをしてしまえば検査の仕事は余所へと逃げてしまいますから。
こういった大手ゼネコンのやらせの構造が、今回の問題の大前提となっているわけです。
姉歯容疑者も1998年ごろまでは、まっとうな仕事をしていたようです。
しかし、前出の「中山構造研究所」と違い、姉歯容疑者には効率の良い構造計算が出来ませんでした。
そこで姉歯容疑者を犯罪に走らせるプレッシャーがかかってきます。
施主側(ヒューザーなど)からのコストダウン要求、
総研の内河所長からの圧力。現場から(中山や塩見などに比べて)鉄筋量が多すぎるという
の苦情などなど。相当なクレームが来ていたそうです。
そこでやってしまったのが、ザル審査の「イーホームズ」を使っての計算書の偽造という、
一番やってはいけない事に手を出したわけです。
これが今回の騒動の顛末であると私は確信します。
6 今後建設業界に望むこと
まず第一に、建築確認機関は行政が行うか、
アメリカのように損保会社にやらせるべきだと思います。
利害関係の一致する今の現状では碌な事にはなりません。
大手の手抜き工事ばかりが増えるだけです。
第二に建築業界は今の談合体質をやめ、木村建設のように
技術開発によるコスト削減を目指すべきでしょう。
他の業界が技術開発でコストダウンと高品質化にしのぎを削っているこのご時世に、
いまだ昔ながらの談合なあなあ主義で仕事をしている建築会社は努力が足りません。
木村建設は設計図どおりの仕事をこなすスピードは飛びぬけておりました。
(今回の件ではその設計図事態が狂っていたため槍玉に挙げられていますが、
彼らは誠意あふれる人たちです。実際に破産した後わざわざ現場監督は「ご迷惑をおかけしました」
と謝罪に来られました。少しでも後ろ暗いところがあれば、
首を飛ばされた社員がそんなことをするはずもないですし、その義務も責任もありません
その九州男児の心意気に感銘を受けたため、このように木村建設を擁護する文を書いております。
普通なら行方をくらまして逃げてますよね?)
今回の問題が、大本のイーホームズ設立のいきさつに踏み込んで、
日本全国にあるであろう建設業界の談合体質を解体するきっかけになればと思います。