1 :
お前名無しだろ:
人の生涯は、ときにプロレスに似ている。主題がある。
プロレスリングノア初代社長三沢光晴というひとほど、
プヲタにネタにされつづけてその前半生を生きた人物は類がまれであろう。
そのことが、かれの主題をなした。
2 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 07:12:04 ID:S/30Prh2
2沢さん
3 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 07:19:44 ID:sDH/kGDE
三沢さん
4 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 07:21:31 ID:94til80/
ミサワホーム
5 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 07:29:11 ID:uv6G2uLF
ごさわ
6 :
ノアのチケット:2005/08/08(月) 07:31:45 ID:Mql2ABcP
ムッツリ助平の三沢
7 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 08:00:48 ID:OZQaCWW+
以下、余談である。
8 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 09:05:17 ID:IzYs2wK+
「新日ドームが来る。
もうそこまできている。あと3ヶ月もすればW1からの秋のひろしがおおい渡って来て、
この東京ドームのアリーナもスタンドもひろしでうずめてしまうにちがいない。
『毎回のことだ』
まったく毎回のことである。あきもせずに、興行はそれをくりかえしているし、
レスラーも、ひろしの下で生きるための習慣をくりかえしている。」
9 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 09:09:18 ID:RsW2w8FU
「くそスレである。」
とは、言わない。
10 :
お前名無しだろ:2005/08/08(月) 20:12:43 ID:850wfzHk
新日本は、同時代の他の団体とくらべて、きわだった癖をもっている。
「最強好き」
ということであった。
最強というのは、プロレスラーがプロレス界を維持しようとして生みだした
もっとも偉大な虚構といえるかもしれない。
たしかに世間と現実からみれば、虚構にすぎない。
が、その虚構なしにプロレスはその社会を維持できないという強迫観念をもっている。
11 :
お前名無しだろ:2005/08/09(火) 03:18:16 ID:vn3DmSWY
「ぶっちゃけ団体をきずくしかないよね。」
三沢は簡単に言った。しかし世間から裏切りの烙印を押されるであろうなかで
それだけの団体旗揚げの下準備ができるだろうか。
団体離脱後に馬場未亡人の元子が世論に三沢の非を訴えれば、当方は総崩れにならざるをえまい。
「自分的にはそれは違うというかね(ワイパー) 」三沢は歩き出していた。
理がもっともならばあとはそれをやりとげる方法を考えればいいだけのことだ。
龍ちゃん,なんとそうではあるまいか。
「そのとおりです」
仲田は心持蒼ざめてうなずいた。内心,恐れににたものをもった。
かねて三沢を自分と同質の発想機能を持ってうまれた男だとおもい,
それだけにプロレス黄金期を目指すものとして
ひそかに競争意識を抱いていたが,しかしにわかにその思いが崩れた。
同質ではあっても自分の前を行く男は,巨大な,どころか桁のはずれた男であるらしい。
12 :
お前名無しだろ:2005/08/09(火) 06:46:18 ID:cXECjHTC
ノアの話、つづく。
13 :
お前名無しだろ:2005/08/09(火) 19:40:06 ID:OqzDf/TV
大森隆男について、ついでに触れたい。
かれは一時の些細な成功が自分ひとりの成果だと思い違いをして
アメリカ遠征を企てたが、当時はまだ一ヘタレレスラーの分際であったため、
この資金はノアあるいはその所長の三沢から出たのではないか。
かれはむしろ積極的にこの会社からの海外修行という機会を曲解して、
会社の指示に従わず事をなし、更に肉の匂いに釣られ他の会社に移り
その会社が倒産すると同時に誰からも相手にされる事なく消えていった人物として知られている。
人の一生はわずかなもんじゃ。わしが立身出世する事でプロレス界を改革できると思ったんじゃ。
というのが没落後の隆男の口ぐせであった。
14 :
お前名無しだろ:2005/08/10(水) 00:22:49 ID:0L6xxQaV
(事態はこのままでは済むまい)
と、永田は感じた。
新日は、決起するであろう。
団体がたとえ自重しようとしても、
ロスにいる猪木が社論をひきずって、永田をガチの火中に投ずるに違いない。
(まだ、とてもむりだ)
と永田は思っている。勝つことは、であった。
15 :
お前名無しだろ:2005/08/10(水) 21:25:32 ID:eAuSwuTe
余談がすぎた。
16 :
お前名無しだろ:2005/08/10(水) 23:26:29 ID:pVIuGoIy
「小川、そちを育てたのはわしだ。わしに従っているだけでよい」
としか猪木は、言えなかった。小川をあくまでもわが犬、とみていた。
が、犬にはいつのまにか、飼いぬしがたくさんできている。
というより、猪木と言う飼いぬしのほうが、知らぬまに野良犬になりはてていた。
(いつまでも、このアゴの下僕ではない)
小川は、無言でいた。そのまま、一礼もせずに猪木の前から去った。
17 :
お前名無しだろ:2005/08/11(木) 03:03:12 ID:z8y9ectA
このスレって他の板にもありますか?
18 :
お前名無しだろ:2005/08/11(木) 08:05:03 ID:ZBoq4GXU
19 :
お前名無しだろ:2005/08/11(木) 08:46:29 ID:YWaZYLLN
>>18 ありがとう。三戦は板にダイレクトに関係してるし盛り上がるだろうな。
20 :
お前名無しだろ:2005/08/11(木) 15:37:40 ID:TUy4PsrF
「そうでもない。」
と、
>>18は言った。
「三戦板でああも廃れているスレは見たことがない。」
とも言った。
21 :
お前名無しだろ:2005/08/11(木) 22:57:56 ID:PkR2DNNN
エース、スターといわれた連中は、早死にするか、
さもなければ自分の器量才能を誇り、
増上慢を生じ、人と衝突して世間の表から消えた。
(この亭主殿が、はればれしくも生きのこっている)
これが北斗にはおかしかった。
可も不可もないレスラーで、律儀一方の男だけが、
プロレス界の勝利者になるのだろうか。
(とにかくこの人は、わたくしがつくりあげたものなのだ)
というひそかな思いが北斗にはある。北斗の素材になるには、
健介ほど従順で癖のない、好都合な男はいなかった。
22 :
お前名無しだろ:2005/08/12(金) 00:58:10 ID:/QcLyAFL
このスレがクソスレである、
ということはすでに触れた。
23 :
お前名無しだろ:2005/08/12(金) 17:57:56 ID:Q4KSAWvi
この長いスレも、おわろうとしている。スレ立て人は死ぬ。
>>1も死ななければならない。
その死の原因がなんであったかは、このスレの主題とは何のかかわり合いもない。
筆者はこのスレを構想するにあたって、事をなすスレ立て人の条件というものを考えたかった。
それを
>>1という、田舎うまれの、地位も学問もなく、一片の志すら持たない若者にもとめた。
主題は、いま尽きた。
その死をくわしく語ることは、もはや主題のそとである。
24 :
お前名無しだろ:2005/08/13(土) 23:12:19 ID:U4bC53wz
以下、点描風にふれていく。
25 :
お前名無しだろ:2005/08/16(火) 19:17:18 ID:GzDXgLtX
こういうスレ、私は好きなんですな
26 :
お前名無しだろ:2005/08/16(火) 22:22:24 ID:Q0ZNIpTF
札幌・・・この北の都市で年に数回の興行を開催する事は各団体にとって
重要な事である。理由は明白である。この地で興行を行えば一定の稼ぎは
確実なものであり、尚、連日の戦続きの兵士(選手)にとっては様々な意味
での息抜きの地でもあるからだ。
以下余談ではあるが作者が初めてこの地を訪れた時、あまりの性産業の賑わい
振りには驚いた。
27 :
お前名無しだろ:2005/08/17(水) 00:16:40 ID:bgdgtOK4
そのことは、措く。
28 :
お前名無しだろ :2005/08/19(金) 21:32:36 ID:fL8QpTqM
筆者は永田と高山を書くにあたり「敗北」とは何かを考えた。
永田と高山、総合においての試合結果のみに注目するなら両者とも極めて
平凡な「敗者」である。
しかし後世の評価は高山に対しては無類の賛辞を贈るも、もう一方の永田
に対しては批難と罵声に溢れ甚だ苦しい。
両者の敗北の違いとは何か?それは我々日本民族以外にはおよそ理解し難い
心情「敗者の醸し出す美」ではなかろうか。
古来より日本人はこの「美」を兼ね備えた敗北に勝利よりも崇高ない位置付け
をしてきた。
この「美」の有無が一見したら平凡な敗北でしかない両者の評価を大きく左右
したのだろう。
以下、筆者の愚考を述べる。「敗者の醸し出す美」とは自らの敗北を如何に
人々の心情に訴えかけるか。と云ういわば精神的演出ではなかろうか。この
精神的演出で功を奏したのが高山であり何もできないまま無様に敗れたのが
永田であった。と考える。
29 :
お前名無しだろ:2005/08/23(火) 01:38:23 ID:8X/3Uprn
かれは、かれほどに日本に挌闘理論をもちこむことに功のあった者もまれであるのに、
かれほど「日本癖」のつよかったものもまれで、
このあたり、佐山は天性のナショナリストであるらしい。
ナショナリズムというのは、民族主義とか国民、国家主義といったふうに、
社会科学の用語として使われるばあい、
あまりにも輪郭が鮮明すぎてミもフタもなくなるが、
本来ナショナリズムとはごく心情的なもので、
どういう人間の感情にも濃淡の差こそあれ、それはある。
佐山は、それが濃厚な男であるといえた。
30 :
お前名無しだろ:2005/08/23(火) 03:41:49 ID:e/IlnLQC
余談が過ぎた
31 :
お前名無しだろ:2005/08/23(火) 03:47:46 ID:ohwlZCZO
司馬遷風?
32 :
お前名無しだろ:2005/08/23(火) 18:24:18 ID:ABDKnZyW
永田は肩をすくめ、ただ撃たれている。
攻撃しようという気持を必死におさえた。
いまなら動ける、という瞬間も、永田は体を動かさなかった。
ただ霰に打たれるようにヒョードルの攻撃に撃たれていた。
永田は耐えた。亀になった。
ヒョードルへの阿腴である。無意識におもねっていた。
(あなたのために私は道化役になる)
言葉でいえば、そういう心境だったろう。
甘美な、いや、物狂しいほどに甘美な心境だった。
33 :
お前名無しだろ:2005/08/24(水) 14:39:05 ID:bdO+goeJ
がんばれ、おもろいぞ。
34 :
お前名無しだろ:2005/08/25(木) 14:37:46 ID:iHcBkSO0
ええスレや
35 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 00:15:29 ID:6DLD+iOL
では、忠実か。
といえば、そうでもない。
殺してやりたいと猪木がおもったことは過去に何度もある。
衆の前で力道山から靴べらで打たれ、ウィスキーを一気飲みさせられ、
ときには死神酋長にされようとさえした。
犬のようなあつかいをうけた。
一一それでも堪えよ。
と朋輩がいったが、人ならば堪えられるものではない。
打たれてもはずかしめられても、犬のように忠実であれというのか。
36 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 11:33:15 ID:KwR7U+3Y
ここで筆者が時間と空間を越え、力道三と対話することを読者にはお許し願いたい。
37 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 11:37:29 ID:KwR7U+3Y
ここで三→山という万死に値する罪、読者に寛恕を請う。
38 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 17:15:07 ID:yZdrinIF
あげ
39 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 20:31:01 ID:0ev0Ruo9
ところで、「ノアヲタ」というのが世間にありますね。
ぼくは一体これは何だろうと思うんですよ。
たとえば三沢光晴のことを書きますと必ず手紙をくださる人が多くいます。
あなたは三沢さんへのひいきがより少ないとか、ノアだけはガチとか――。
ぼくはヤオとか、ガチとかそういうことではなくて、
一個の人間として、あるいは歴史的な存在として三沢を見るのみですけれども、
しかしやっぱり三沢にはガチであってほしいという気持ちがノアヲタの人にはあるんですね。
40 :
お前名無しだろ:2005/08/26(金) 20:48:46 ID:UkhxwSdm
良スレage
41 :
お前名無しだろ:2005/08/27(土) 06:53:07 ID:rOiMHTaw
「この男、阿呆には違いないが」「しかし、どこか愛嬌がある」
野獣とも称される親友藤田の拳に崩れ落ちた中西を見る石澤には
いつしか不思議な感情が芽生えていた。
名前に反して経験から学ばないこの男はしかし、知己である
永田亀之助の小賢しさがない分、むしろ親しみを感じさえする。
「この男、知恵随一と呼ばれる俺が補佐してやればあるいは天下を
獲るやもしれん」
この勘違いから脱藩した以上の苦労を石澤は負うことになる。
42 :
お前名無しだろ:2005/08/27(土) 12:34:20 ID:FFmXX5Vu
ヒクソンは、高田の試合歴を聞いた。
なるほど「プロレスリング最強」を自称するだけに、ガチで戦ったことがないらしい。
(わしより弱かろう)
と、ヒクソンは評価した。勘でわかる。
それにこの種の虚喝人(はったりや)に共通しているのは自己抑制のよわさだった。
(試合ってみよう)
とおもった。
試合は、おのれの実力よりも低く評価した相手とせねばならない。
格闘技者はすべてそうであり、格闘感覚の初動は相手への「ねぶみ」であり、
もし値踏んでなおかつ負けたときは自分の評価力の不足といえるであろう。
「自分は生涯400余たびの試合をしたが一度もまけたことがない」
とヒクソンは語っているが、かれがもっともすぐれていたのはこの感覚であった。
43 :
お前名無しだろ:2005/08/27(土) 15:00:51 ID:/t0BqC6M
猛牛と渾名される男は迷っていた。倒幕運動の先頭に立つ男に
またもや反体制に身を転じるよう誘われたのだ。
「山本は蝶野の子分」かつてその男と仕事をした時、多くの栄誉に
輝く一方で口さがない雀どもがそう鳴く声を確かに聴いた。
一度は自分でも認めた。だから元の鞘に納まるとして、そのこと
で生じるだろう嘲笑は甘受する腹づもりである。ただ、この愛する
妻と子を守るためにどう立ち回るべきか、今でも泥水を飲まされ続けている。
「大好きな天山先輩」稚児中邑は自分を嘗めている。
「また本隊を離脱してやるか」ひりつく咽喉の渇き、山本は水をごくりと飲んだ。
44 :
お前名無しだろ:2005/08/27(土) 15:35:54 ID:GNWlgjgf
職人すごいな
俺は司馬よりも吉川、北方あたりだから…
スレ汚しスマソ
45 :
お前名無しだろ:2005/08/28(日) 12:45:22 ID:qECKWyC7
天山は、のち蝶野に捨てられる。生前、しばしば
「わしほど蝶野さんに忠誠心のつよかった男があったか」
と、ひとびとに激しく語った。天山の前半生はまさにそのとおりであった。
しかし後半生は、ひとびとに、忠誠心というのはいったい何であるのかということを
考えこませる素材そのものになった。
46 :
お前名無しだろ:2005/08/28(日) 13:50:10 ID:uiuKKl7T
この時期、SWSをほろぼすために
馬場がひねりだした悪知恵というのは、古今に類がない。
「すべては、このターザンにおまかせあれ」
と、口癖のようにいう長髪の悪謀家が馬場のそばにいたことが、
馬場の対SWSの陰謀をたやすくはこばせた。
山本は、記者である。記者というのは、元来うその世界に住んでいる。
プロレス雑誌の記者たちはありもせぬ真実を筆ひとつで売って金にし、
提灯記事とプロパガンダだけでこの浮世を生きている。
山本はその典型的な人物であった。
47 :
お前名無しだろ:2005/08/28(日) 17:49:35 ID:8WhbgmWX
「落ちるに忍びない」
その思いに突き動かされた。
48 :
お前名無しだろ:2005/08/28(日) 19:44:47 ID:57r4ci1O
49 :
お前名無しだろ:2005/08/30(火) 21:48:11 ID:unjYqK59
age
50 :
お前名無しだろ:2005/08/31(水) 01:24:53 ID:j4eCszsx
>>45 元ネタの人結構好きなんだけど、後半生があまりにもなので泣ける(涙)
51 :
お前名無しだろ:2005/08/31(水) 01:55:21 ID:yZGBW9N2
おし、前期司馬テイストばかりも何なので後期司馬テイストでひとつやってみるか
52 :
お前名無しだろ:2005/08/31(水) 09:41:52 ID:ONYSSh6i
職人ガンガレ
53 :
お前名無しだろ:2005/08/31(水) 10:23:13 ID:UfCzp/sv
――新日というのは、いざとなるとシツケ糸一筋を抜くことであっさり解体するようになっていたんだよ。
そんな意味のことを、平成になって元新日武藤敬司がどこかで語っている。
武藤らしいおもしろい修辞だが、実際そうだったし、またそういう結果にもなった。
54 :
お前名無しだろ:2005/09/01(木) 05:50:21 ID:hR0dm1od
新日では、旗揚げ当初から、猪木自身も気づいていた猪木という虚像が歩いている。
それを怖れる側、それをかつぐ側、あるいはそれに身を委ねる側など、無数の人間
現象が登場するが、主人公は要するに猪木という虚像である。
55 :
お前名無しだろ:2005/09/01(木) 21:05:39 ID:tDHr+Tn6
「なに。棚橋くんが。――」
上井は、トレーナー三澤の報告をうけた。こんな事件には、日常、馴れている。
「傷のぐあいは?」
落ちついて、たずねた。
「あの様子では一命は取りとめそうです」
「いや、どこをどう刺されたときいている」
「右の肩甲骨と背骨のあたりを、3センチほどずつ刺されています。深傷です」
「背中だな」
三澤はうなずいた。
上井は、不快な顔をした。
「それで、刺した相手を、棚橋くんは仕とめたか」
「追って行ったがとりにがしたそうです」
(うそだろう)
上井は、そんな微笑を片頬にうかべた。
56 :
お前名無しだろ:2005/09/01(木) 21:06:29 ID:tDHr+Tn6
――これはクビだな。
社内のたれしもが思った。社則に市中で私闘に及んで傷を受け、
しかも相手をとりにがした場合は解雇、とある。
が、事情によっては、必ずしも罰は受けない。
「念のため事情をしらべてもらいましょう」
上井は、いった。
が、事情をしらべるまでもなく、選手のあいだで、
棚橋にとって不利なうわさが立った。
――刺された場所は、情婦の家だ。
という。
57 :
お前名無しだろ:2005/09/01(木) 23:45:43 ID:VzQhuERz
「ど真ん中だ。これこそど真ん中だ。」
おれはいまど真ん中をたしかに見ている、という言葉をくりかえした。
ど真ん中という言葉ははるかな後年、プ板のなかに入ったとき、
革命をきどりつつじつは打算で動き、小利にころび、
平素プロレス上の壮語をして実際はハイスパートでもって衣食している徒をさすようになったが、
GKにとっては戦慄するほどに新鮮なことばとされた。
58 :
お前名無しだろ:2005/09/01(木) 23:53:50 ID:VzQhuERz
以下、私事にふれたい。
sage忘れた。
「準、これを見ろ」と、颯爽とTシャツを脱ぐ。
女性の太ももほどはある、太い右腕。すでに何人の相手を葬ったか、数も覚えていない。
「これは豪腕だ」と言った。小橋の口ぶりの熱っぽさは、相手は秋山と見ていない。
自分に言い聞かせているような様子であった。
「準、見てくれ。これこそが、豪腕である」
「…太っといですね」 仕方なく、微笑した。
「豪腕とは、レスラーが、レスラーを薙ぎ倒す目的のためにのみ作り上げたものだ。
豪腕の性分、目的とは単純明快なものだ。敵を破る、という思想だけのものである」
「はぁ」
「しかし見ろ、この単純の美しさを。豪腕は、豪腕は美人より美しい。
美人は見ていても心が引き締まらぬが、豪腕の美しさは、粛然として男子の鉄腸を引き締める。
目的は単純であるべきである。思想は単純であるべきである。
プロレスラーはプロレスのみに生きるべきである」
(なるほど、それを言いたかったのか) 秋山は、微笑をつづけている
「そうだろう、秋山準」
「私もそう思います」 これだけは、はっきりとうなづいた。
「準もそう思ってくれるか」
「しかし小橋さん」と、秋山はちょっと黙ってから、「プロレス界はこの先、どうなるのでしょう」
「どうなる?」 小橋は、からからと笑った。
「どうなる、とは漢の思案ではない。婦女子の言うことだ。
漢とは、どうする、ということ以外に思案はないぞ」
「では、どうするのです」
「孫子に謂う」 小橋は、ちからこぶを作りながら、
「その侵略すること火の如く、その疾きこと風の如く、その動くこと雷神の如し」
小橋はあくまでもプロレスファンのために戦う覚悟である。
総合格闘技が人気を博そうとどうしようと、小橋建太の知ったことではない。
小橋は、プロレスラーになるために生まれた。プロレスラーとして死ぬ。
(男子の本懐ではないか)
「なぁ準、俺はね、世の中がどうなろうとも、たとえ世界中の団体が潰れ、消滅して、
最後の一人になろうとも、やるぞ」
事実、こののち小橋建太は、世界のプロレス団体が解散・破産、もしくは総合に鞍替えする中
最後の、たった一人のプロレスラーとして残り、世界をまたに駆けて活躍するのである。
これは更に、この物語の後の展開にゆずるであろう。
「おれたちが ― 準、」 小橋はさらに語り続けた。
「いま、新日のようにふらついてみろ。今日に至るまで、プロレスの灯を守るためと称し、
幾多の先人達を倒してきた、スタン・ハンセン、テリー・ゴディ、スティーブ・ウィリアムス…
彼らを何のために乗り越えたか、ということになる。
彼らまた俺の豪腕に伏する時、プロレスラーとして立派に倒れていった。
その俺が今ここでぐらついては、地下で彼らにあわせる顔があるか」
「プロレスラーの一生とは」と、小橋はさらに言う。
「美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている」
「私も」、と秋山は明るく言った。
「命のある限り、小橋さんに、ついていきます」
63 :
お前名無しだろ:2005/09/02(金) 02:21:31 ID:bIXVFFal
ターザン山本の嫁不倫失踪事件について考えたい。
この男は容貌、頭髪、体臭に問題があったのではないか、
百歩譲っても性格に問題があったのではないか。
64 :
お前名無しだろ:2005/09/02(金) 19:45:38 ID:LBPCMR5J
日本でプロレスするなら、当節、三沢光晴社長の団体である、ときいて、
鈴木鼓太郎は、平成十三年、二十二歳のとき埼玉県から出てきて、入団した。
鼓太郎、このひとは、のちガンダムに凝って世を捨て、俗体のまま、
虎皇帝、ムシキング研究所のネブ博士などについて参禅し、居士号を「テリー」といった。
65 :
お前名無しだろ:2005/09/03(土) 03:58:02 ID:xk6Usw8+
洒落者であった。
チョップひとつでも自分なりに工夫して、しかもそれが妙に似合う男だった。
洒落者といえば、練習が異風であった。プロレスのベテラン選手らしく
さっさと後輩に道場はまかせるという形にすべきところだが、ノアでもこの男だけは
自分で工夫した妙な練習をしていた。それが大それたことに東プロの紙上でニュース
扱いになる。
この変わり練習については
「コバスゥィ〜」
と盟主の三沢から突っ込まれたことがあったが、建太は眼だけを伏せ、口元で
笑っていた。
「なぁに、いずれはカニ乳首さ」
といった。
66 :
お前名無しだろ:2005/09/03(土) 11:21:47 ID:e9cSvSbN
燃えよ剣の職人GJ杉
期待も込めてage
67 :
お前名無しだろ:2005/09/04(日) 06:05:45 ID:kx9/GZ8n
>>1 質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
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全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
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全く関係ないと思いますが…
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全く関係ないと思いますが…
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全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
68 :
お前名無しだろ:2005/09/04(日) 06:19:18 ID:oytZX/06
「ノアの選手?」
サイモンは、不審である。
「10月の東京ドームには出られないそうだが」
「それは」
テレ朝プロデューサーは気の毒そうな顔をした。日本では大仁田以来プロレス団体は30近くもできたが
こんな落ち目なすとろんぐ流儀のプロレス団体にまで出てくれるはずがない。
「それは無理でしょう」
69 :
お前名無しだろ:2005/09/05(月) 21:33:59 ID:GUOxtjsX
大森も、最初はヒール気どりで過激なことを口走ってはノーフィアーの人気に投じていたのだが、
気がついてみるとファンが日に日にふえて、ノアの未来のエースのようになりおおせている自分を知った。
驚きはした。自分を見なおす気にもなった。もとこれ、全日の一中堅の身ではないか。
(おれは、これほどの男か)
スターに推されている自分を、無邪気によろこび、ファン一同の期待に応えねば、とおもった。
天性、子供のような英雄主義がありすぎるのであろう。
「現下、最良の策は如何」
と、ファンがきく。
「海外遠征あるのみ」
「どこへ遠征するのでござる」
毎日、会場で飽きもせずにそんなやりとりを続けているうちに、大森の妄想がしだいにふくらみ、
一種のかがやきを帯びてきた。
「WWFをめざす」
と、大森は言いだしたのである。
みな、あっと息をのんだ。
70 :
お前名無しだろ:2005/09/06(火) 07:13:54 ID:8jlCjo86
71 :
お前名無しだろ:2005/09/06(火) 08:15:20 ID:tbQ8aCOc
72 :
お前名無しだろ:2005/09/06(火) 11:51:21 ID:v+iHRdP9
みな、あっと息をのんだww
73 :
お前名無しだろ:2005/09/07(水) 11:46:38 ID:fg7EFKmX
以上は想像である。
74 :
お前名無しだろ:2005/09/07(水) 18:09:33 ID:2BQxasX2
プロレスは司馬遼と相性がいいね。
栄枯必衰をリアルで体現してるからかな。
プライド、ケイワンの勃興と衰退の色を隠せないプロレス界。
かつては盟主ともてはやされながら、今はその面影すらない新日。
全日脱退時の無一文からわずか5年で業界一にのしあがった三沢率いるノア。
選手集団離脱での崩壊危機から新日の武藤を迎え入れるというサプライズで再興した全日。
東北に拠点を定めサスケの指導のもと独自の路線を進めるみちのくプロレス。
みちのくから分離したデルフィンによるコテコテ関西流の大阪プロレス。
WWE流エンタメプロレスを推し進めるDDT、メヒコのルチャを体現するドラゴンゲート。
信長の野望みたいに全国のプロレス団体を統一していくSLGがあったらおもしろいのにな。
75 :
お前名無しだろ:2005/09/08(木) 08:39:17 ID:2IE2huHY
>>74 団体は争うまでもなく生まれては消えていく運命なのでゲームになりません(涙
76 :
お前名無しだろ:2005/09/09(金) 22:46:02 ID:b+hoUh4G
age。じつにひびきがいい。
田上はしばらく黙ってすわっていた。
こういう場合の深刻な沈黙に耐えうるのは旧全日本系の特徴であるが、
その点においては小橋のほうが深刻な耐久力があると言える。小橋は握り拳を作ったまま黙っている。
やがて茶菓子が運ばれてきた。田上は、それを一口でたいらげると
「建太どん、俺(おい)は秩父へ帰っど」 ぼそり言った。
それに対し、小橋はむっとしたらしく、血色の良い顔が更に赤味を増した。
(建太めは、怒っている)と田上はすぐに察し、その後、双方だけがわかる無言の対話があった。
「また合宿より釣り優先ですか」というふうな抗議が小橋の表情に出、それに対し田上のほうは
「怒らんでもよか」というふうにわずかながら微笑で報いている。
「次の武道館は、よろしゅう頼ンみやげ申す」と田上が言うと、小橋は誰にも見せたことのない
無遠慮な怒気を見せ、
「それは玉麒麟どん、俺(おい)の知ったこつか。いっでんこいじゃ(いつでもこうだ)。
こんどこそ、ちゅう皆が期待する時にお前(おまん)さぁ鎮火なさる。
準と大将に俺が謝りゃにゃぁならん。もう、知ったこつか」と言った。
田上もこれには閉口したらしく、しばらく口をへの字に曲げ黙っていたが、やがて
「犬の散歩の時間じゃ」と呟き、立ち上がった。
小橋はよほど腹が立っていたらしく、玄関まで見送るということさえしなかった。
両人は同期入門という間柄だけに、そこに他人の容喙すべからざる呼吸がある様だったが
終始この光景を見ていた潮崎豪がさすがに見かね、あとで
「さきほどのお言葉、あれではちょっとひどすぎるように思いましたが」と言うと、
小橋は少し溜息をついたかと思うと、いきなり上着を脱ぎ上半身裸になり
「仕方が無い。豪、今から二人で特訓すっど」と大声で言った。
この日、両者は永遠に同期タッグを解消した。
80 :
お前名無しだろ:2005/09/12(月) 10:31:47 ID:1qRQZkOm
秀逸!
同盟ならず、か…
81 :
お前名無しだろ:2005/09/12(月) 23:55:01 ID:qOkVqYX3
遼スレage
82 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 00:05:07 ID:Im2JPOHZ
小橋大久保に田上西郷か・・・。
という事はまた2人の激突があるのか?
田原坂ならぬ田安門で。
83 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 00:06:07 ID:EitsLd7/
頑張れ。
84 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 00:39:57 ID:3sTfTNgW
>82
で、岩倉卿が三沢か・・・なんかピッタリ
85 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 00:44:50 ID:Im2JPOHZ
86 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 02:48:57 ID:3sTfTNgW
川田は皮肉屋の勝にするか、それとも容保公にしておくか。
87 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 13:01:41 ID:o13OCOCc
坂本竜馬が高山で。
88 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 13:10:54 ID:vBz4m+NO
大森さんは突き殺される名も無き庶民の役で。
89 :
お前名無しだろ:2005/09/13(火) 22:02:18 ID:vSJGku3d
あるとき、練習生が、
「総合格闘技のポジショニングのなかに『タートルポジション』という特別のかまえが
あるそうでございますがどういうものでございますか」
ときいたことがある。
「そんなものはない」
と、永田は苦りきっていった。練習生はおどろき、
「しかし2ちゃんねらーが、たしかそう騒いでいたように、記憶しております」
「たれが申そうとないものはない。ただのパンチの防御のことだ」
ヒョードルから逃げた姿を、そのような誇大な名で別称されただけのことだと、
永田は言いたかったが、そこまでは言うを憚った。
90 :
お前名無しだろ :2005/09/13(火) 22:08:22 ID:nJVxWvcG
オマミは、この日もタカノにヒデを奪われた。
毎回の如くヒデの所有権を声高に主張するタカノにオマミは
(なんとか、あの女に一杯喰わせる手はなかろうか・・・)
と思案をあぐねるがどうする事も出来ずにいた。
この時、ヒデを除く男性陣もこの闘いの去就に注目していたが
(タカノに決まりか・・・)
それが大方の予想であった。只、tkを除いてである。
「もっと積極的に自身をアピールなされ!このままだとあの高飛車女にヒデを獲られますぞ!」
tkはオマミを呼び出し忠告するも元来の気弱な性格が作用するためなのか常に他との協調を選択
してきたこの女に個を優先させる事程、至難なものはない。しかし事態は切迫している。
(覚悟を決めるか・・・・)
オマミはタカノと闘う事を決心する。(「あいのり」から)
91 :
お前名無しだろ :2005/09/13(火) 22:52:21 ID:nJVxWvcG
新日にとって格闘技の存在は避けては通れない。しかし現在の新日には
格闘技に適した選手が枯渇している。この状況を打破するため新日の関係者は
闘魂クラブに所属する永田克彦の元へ連日、足繁く通う。
克彦も自分の持つ五輪の銀メダリストという値打には十分な程、理解はしているが、
どうしても首を縦に振る気にはなれない。
(俺が格闘技の試合で敗れた場合、必ず兄、裕志の様にネット上に群がる好事家連中の
格好の餌食になる。挙句には「亀弟」などという称号すら貰いかねん、それだけは避けねばならない・・・)
克彦の正直な思いであった。
92 :
お前名無しだろ:2005/09/16(金) 19:06:01 ID:Clqkdb+3
閉話休題age
93 :
お前名無しだろ:2005/09/16(金) 20:07:05 ID:Ixz+GPfq
94 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 00:09:09 ID:crfYZysd
以下、直訳する。
95 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 20:33:11 ID:C6rHr73E
閑話休題(それはさておき)…
96 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 20:42:19 ID:Rlhfx0d6
余談である。
97 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 21:09:49 ID:Rlhfx0d6
「何故、永田は勝ち目のない総合格闘技に出場なされるのですか?
なんとも今になってもその謎が解けません!」
と、あるファンがゴングの元・編集長の金沢に聞いた
金沢はこの日どういうつもりかわからないがこのファンの質問に耳を傾け
必ず相手の顔を逆撫でするような事を言う
「それはね永田はわざと負けてやったんだよ」と言い出した。続けて
「永田の負けは単なる実力差と世人は思ってるようだが、とんでもない
あれは永田のはからいよ、いや冗談じゃないよ、永田はそうすべきだと
承知していたさ、あたしもそれは分かってはいたがね」と言った。
98 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 21:33:11 ID:Rlhfx0d6
(97の続き)
金沢の言うところでは永田が格闘技戦出場を決めた時もし負ける事が
あれば、できるだけプロレスラ−の凄みだけは、お客にも分かるような
負け方をすると決めていた、と金沢言うのである。この説はどうも怪しいが
金沢がそう言い出したのだから仕方がない。
金沢が言うところでは
「キモに始まりコールマン、ミルコ、そして最後にヒョードルと永田は闘ってきたが
すべて負けた、いや、あたしは永田の負けは、ある意味計画的な負けだと思っているよ」
ということは当時プロレスはプライドやK−1に代表される外部の格闘技勢力に圧されていた。
しかし新日本だけはかつて猪木が大々的に異種格闘技戦を行なってきた業界の先駆者である手前
これらの存在とは対立せざるおえない。
99 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 21:48:28 ID:Rlhfx0d6
(98の続き)
さらに金沢は言う
「あのね年に数回しか開催されない格闘技と違って新日本の本業はあくまでも
プロレスなんだよ、だからこの日本広しにいるファン達のため多くの日数を費やして
巡業しなくてはならない。そのため格闘技なんかで怪我なんかしたらファンに申し訳
が立たない。そのため怪我する前に相手に勝ちを譲ってさっさとリングから降りなければならない
だけど只、負けたんじゃ芸がないから永田は相手の攻撃を受けきってレスラーの頑丈さを見せたじゃないか」
100 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 22:03:30 ID:pyBsx9ig
>>1 質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
質問だがこのスレはプロレス板と、どういう関係があるのですか?
全く関係ないと思いますが…
101 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 22:06:24 ID:Rlhfx0d6
(99の続き)
「事実、ミルコ戦ではハイキック一発で糸の切れた人形みたいになったが
1・4の東京ドームでは秋山と死闘を繰り広げただろう。ヒョードル戦だって
そうさ、あの試合は永田がヒョードルの拳に恐れて亀になったと物知らぬ好事家達
は騒ぎ立てるがね、よく見るとあの亀ってやつがいかに防御に優れているかはリングを
降りて半笑いで花道を歩いていた永田の表情が雄弁に語っているじゃないかね」
と金沢は言う。そして最後に
「結局、シュートもプロレスなのさ」
と突拍子もなく馬場の名言を持ち出しファンの前から去っていった。
102 :
お前名無しだろ:2005/09/17(土) 22:44:01 ID:xz/4y8su
>>101 >事実、ミルコ戦ではハイキック一発で糸の切れた人形みたいになったが
↑正直、感動した。
GJ!
104 :
お前名無しだろ:2005/09/18(日) 20:07:26 ID:KMqMc3z9
余談続く
105 :
ライガーとサムライ@:2005/09/18(日) 20:30:13 ID:KMqMc3z9
一室でライガーとサムライが議論している、と言っても一方的に
話しているのはライガーであってサムライは、もっぱら聞き役に
徹している。
「このままでは隆盛を誇った我が新日JrはいずれノアJrや浅井の
門下生どもに屈する羽目になる その様な事があってはならんのだが
如何せん今の新日Jrで活躍する選手には俺達の頃と違い闘いに対する
気持ちが希薄でいわゆる<ぬるま湯>である」
とライガーはいつもの様に新日Jrのあり方に不満を持ち決まって最後に
「まだ若い奴等に新日Jrは任せられん」
と言う。
しかしこの日に限っていつも聞き役に徹していた筈のサムライが口を開いた。
106 :
ライガーとサムライA:2005/09/18(日) 20:49:42 ID:KMqMc3z9
「もう、いいんじゃないのか・・・」
サムライは静かに、しかしはっきりとした口調でライガーに言った。
とっさの事でライガー自身、面喰らってしまったが
「どういう意味だ、それは?」
とサムライに問い質した。
「確かに君は日本プロレス界にJrの地位を確固たるものに成長させた
偉大な漢だ、それは認める。しかしこれ以上君や俺がJrに携わる
のは若い世代にとっては有害でしかなくファンも新日Jrの若返りを
望んでいるのじゃないのか。」
とサムライは言う。それを聞いたライガーは部屋から去り今迄、着けていた
赤と白のコスチュームから黒のコスチュームに着替えて再び部屋に戻ってきた。
ライガーにとって黒は<怒り>を意味している、そして
「狂ったか、サムライ!」
と罵ったがサムライは平然として話し続けた。
107 :
ライガーとサムライB:2005/09/18(日) 21:05:10 ID:KMqMc3z9
「君は新日Jrに闘いがない、とよく言うがそれはヘビー級に任せとけばいい。
Jrに必要なのは<華麗さ>だ。」
とサムライは言う。
サムライが言うところでは男のファンが多数を占めるプロレスにあってJrは
女・子供のファンを獲得するために存在する。女・子供の移ろい易い目には単純
な腕力の強さよりも顔立ちの好い選手や派手なコスチューム、そしてリング上を
縦横無尽に躍動する華麗さの方に俄然、興味を抱く。
108 :
ライガーとサムライC:2005/09/18(日) 21:17:51 ID:KMqMc3z9
サムライはさらに言う。
「しかし俺達は老いた。若い頃の様な試合はもうできない、それは君もよく
解る筈だ。華麗さを失った我等はもはやJr戦士とは呼べずファンから飽きられた
派手な道化に過ぎない。そのため新日Jrの今後は若い世代に託し我等は退かねばならない。
それができなければ新日Jrは他団体のJrから離れていくばかりだ。」
とサムライは言った。
109 :
ライガーとサムライD:2005/09/18(日) 21:32:36 ID:KMqMc3z9
ライガーは興奮すると言葉のひとつ、ひとつは聞き取れるのだがそれを一編の
会話にする事ができなくなる、ようするに一種の恐慌状態に陥ってしまう癖を
持っていた。サムライの意見を聞いた時もライガーは怒りからくる興奮によって
癖に陥ってしまった。
(暫く会話にならんな・・・)
サムライはライガーの癖が落ち着く迄、再び聞き役に回る。
数分後ライガーは些かではあるが落ち着いた、そして
「お前は俺に若手の踏み台になれ、と言いたいみたいだな!」
そう言うとライガーはサムライを睨みつけ本当に部屋から去っていった。
110 :
ライガーとサムライE:2005/09/18(日) 21:47:21 ID:KMqMc3z9
戦友であるライガーの去っていく姿を見てサムライは
(俺達の役目は終わったんだ、老兵はただ去るのみ・・・)
と思うと自然と涙が溢れ出した。おそらくサムライ自身もこの思いを
言葉という形で表した時、自身も認めたくはない<老い>と<現実>
を直視し実感したのだろう。涙の意味するものは、そのためだと筆者
は考える。
111 :
お前名無しだろ:2005/09/18(日) 22:56:15 ID:nSmLmuu8
GJ!
わざわざ黒ライガーに着替えてくるライガーにワラタ
>>77-79の職人です。昨日の武道館を見て、一言…
田上西郷どん、お前さぁ実力、見損なっておりもした。
まっことすまんこっちゅうお詫びし申んそm(_ _)m
東京で、何日かを過ごした。
が、有明から何の沙汰もなかった。大森はたまりかね、有明へ申しやり、
身を新橋駅まで進めた。新橋から有明まではもはや数十里ほどしかない。
大森は近くの喫茶店にて家内に筆をとらせ、泣訴状を書かせた。宛名は三沢の側近の
仲田龍とし、仲田の同情を得て三沢の心を動かさせしむべく期待した。
世に言う『木ノ状』である。
文章の華麗さは、むしろ華麗すぎるほどであろう。その文章は恨みを述べ悲しみを述べ、
ひたすら読む者の同情を得ようとするがために殆ど婦人の怨語にすら似ていた。
「自分は換言のために寡少な勲功すら黙殺され、罪なくして咎を被り、むなしく紅涙に沈む」
「亡父正平の尊霊がここにあらわれ給う以外、たれにこの悲歡を訴えられよう」
「自分は初登場してほどなく、父に豹柄の衣着を渡され、母元子の過剰な贔屓を受けて以来、
前座戦線を漂い、あげくには視線まで漂い、言い知れぬ艱難をなめた」
「ところが一旦幸慶の機会熟し、高山善広なる者と不知恐軍結成し、さらに野生魂なる敬称を獲得し、
あるときには垣原某なる総格崩れの流浪人にいわれなき蹴撃を受け醜態をさらし、
あるときには剛腕大魔王なる者の理不尽なる怒りを我が額にて受け止め血達磨となるも、
団体のために命を失うを省みなかった」
「しかるにいまや愁い深く、野生魂、切である。いまは斧爆弾の御助による以外愁訴の道なし」などと
措辞はめんめんと続いていく。
仲田はこの書状を受け取ったが、三沢のうたがいを恐れて封を切らず、そのまま三沢の前に出て奉った。
三沢は「部長、読んで」とそれを許した。仲田はわずかに膝を進め、声が報道陣に漏れることを
恐れつつ小声で音読をすすめた。
三沢は聴きつつ、わずかにも眉毛を動かすことを怖れた。もしその愁訴の名文にうたれ、大森の悲嘆に
同情し歎きの色を見せたならば、仲田はそれを敏感に察し、三沢の心中を思いやり、かの大森に対し
役員として手心を加え、断固たる処置を鈍らせるかもしれなかった。
三沢の怖れは、むしろそれであった。
聴き終えると三沢は「咄」と、小さく舌を打った。「まだあの馬鹿は、わかってない」と言うのである。
この書状の終わりの方に大森は自分の世界娯楽競技(WWE)への入団試験について触れている。
それを指している。その文章はいささかも入団試験の事を詫びておらず、詫びるどころか、
「野生魂が世界最大手団体の試験を受けたことは箱舟の面目である。
全家では亡父正平以来の快挙であり、新家にもおらず、これ以上のことがあろうか」と言い放ち
三沢としてはむしろ喜ぶべき、いや、お前は結局墨西哥(メキシコ)しか遠征してねーぢゃねぇか、
小橋や秋山なんて日本限定だもんねー、という優越感を言外に含めている。
「―わからぬ。ついにわからぬ」と三沢は叫びたかったであろう。
ここまで基本理念が異なる以上、一族でも同士でもなく、もはや追放するか、殺すか、どちらかで
なければならぬだろう。
また筆者、光晴の意を汲むとすれば
(俺は会社の事情で呼び戻されたんだっつうの)
(俺も小橋も秋山も、最初からファンがついてて、お前みたいに遠征しても会社に損失を与えない
気楽な立場じゃなかったっつうの)、とも言いたかったのかも知れない。
何れにせよ三沢はそのように思い、大森追放についての最後的決意を、むしろこの書状によって固めた。
心中だけタイムスリップしてんぞw
>あげくには視線まで漂い
ワロタ
「部長、読んで」
ツボ。アイスココア吹いた。
ミルコの左足がひらめき、宙へ舞いあがった。
棒立ちになりながら永田は、眼を見はり、その足先が近づいてくるのをみた。
やがて、それが顔面に吸いこまれ、すべてが終わった。
123 :
風太郎:2005/09/19(月) 20:46:41 ID:rfJJe7ab
リングの上・・・そこに、無残にもパンツやチャンピオンベルトが散らばっていた。
「ここで、ディーノに恥ずかしい目にあわされて・・・」
そういって、身もだえする半裸の隆男に、半透明なライトの光がふりかかり、
企画立案したレスラー達も思わず思わず生唾を飲んだほどだった。
「三沢さまー」
「秋山。−」
のどをあげて呼びかけようとする隆男の口を、ふいにグレンは毛だらけの手をのばして押さえた。
「ええ、呼ぶな呼んでも無駄だ」
「え!」
「無駄なものは無駄だ、そこでもう一度恥ずかしい目にあわせてやろう」
「あれ。−」
124 :
お前名無しだろ:2005/09/19(月) 21:07:07 ID:o2j7P0RB
ここんとこ新作ラッシュで読者としては嬉しい限りだわ
大森さん義経と三沢さん頼朝サイコーW
皆に見てもらいたいのでage
125 :
お前名無しだろ:2005/09/20(火) 07:55:41 ID:XLBCzjSt
大森ネタ腹いてぇwww
保全
127 :
保守ついで:2005/09/22(木) 02:13:35 ID:Pd81TwGv
小橋は言った。
プロレスラーというのは、おのれの肉体を強くしていざ戦いの場合、
この肉体で他を圧せしめるのが職分だ。
その一点だけを考えるのがおれの人生だ。それ以外の事は余時であり、
余事というものを考えたりやったりすればプロレスラーの威厳が
そのぶんだけ曇り、乱れる。
128 :
お前名無しだろ:2005/09/23(金) 00:30:56 ID:mgE1Gs78
人斬り以蔵age
129 :
お前名無しだろ:2005/09/24(土) 21:28:13 ID:+UxSkIW8
「ストロング・スタイルのどこがおかしいか!!」
上井はそう怒鳴りつけると
(こいつらに話してもわからん!)
と思い黙り込んだ。
新日本の掲げたストロング・スタイルという大命題に上井ほど信仰に近い
情念を持つ役員も稀であった。いや、上井の中でそれは土着し精神の大部分
を占めている。事実、彼は新日本を辞めた今でもそれを理想としている。
(今までストロング・スタイルの恩恵を受けてきたくせに)
そのため周囲の者達がまるで古い道具を捨て新しい道具を手にするがのごとく
ストロング・スタイルをいとも簡単に捨て去る気持ちに上井は軽薄さを感じた。
(ミルコ・クロコップはキックボクサーだ)
(寝かせてしまえば勝てるのではないか)
本気で、そう思っている。
(ファンが、永田裕志を待っているのだ)
あるいは、そこまで考えていたかどうか。
永田裕志というレスラーの特異性は、冷静に戦力を分析した上でなお
自ら世界の強豪と比肩すると思い込める精神性にあった。
世界の格闘史を見渡してみても、このような思考は稀であり、
ある種の奇跡のような存在であったといえよう。
このことについてはすでにふれた。
とまれ。
話がわき道に逸れつづけている。
大晦日、ミルコに敗れた。ヒョードルに敗れた。
永田の次の相手はハリトーノフであろう。
サンボとボクシングに才能を示し、総合の舞台で短期間に成果を挙げた、
総合の草創期からこの時期にかけて、あるいは最強のひとりに数えられる人物である。
このロシア軍人については、何度かふれた。
この稿続く。
>永田裕志というレスラーの特異性は、冷静に戦力を分析した上でなお
>自ら世界の強豪と比肩すると思い込める精神性にあった
表現、分析、ともに的確すぎwwwwwww
132 :
お前名無しだろ:2005/09/27(火) 20:42:27 ID:b10dNX2C0
新日本のレスラーは好んで「プロレス界のため」という言葉を使う。
目的は、ふたつしかない。
前者は損得を省みず業界の発展のために使うが
後者は自らの地位の向上や属する派閥の拡大を他者からの批判を避けるべく
にわかな大義名分としてこれを使う。
133 :
お前名無しだろ:2005/09/28(水) 03:34:28 ID:VUKyvwkO
>>131 "www"の多用は己の品位を落とす、とだけ申しておく
134 :
四面楚歌 其の1:2005/09/29(木) 20:09:02 ID:0nOQ6nm9
永田はとりあえずヒョードルに組み付いてみたが、どうにもならない。
離れて様子を見ようとした瞬間、氷の拳と敬称されるヒョードルの拳が
永田を襲った。
永田はその巨眼を赤くし、それでもなお突き上げてくる恐怖に耐えていたが
やがて巨体を丸くし両の手で後頭部のあたりを抱え小さく声を漏らした。
声には抑揚がついている。激しく、かつ哀しい。
135 :
四面楚歌 其の2:2005/09/29(木) 20:19:36 ID:0nOQ6nm9
力は覆し難く(チカラ ハ クツガエシガタク)
気は梁を失う(キ ハ ハリヲウシナウ)
時間一分にして(ジカン イップン二シテ)
と歌った後、後頭部を抱えてる手を固くして不意に主審を見つめた。やがて、
試合止まず(シアイ ヤマズ)
と歌った。
136 :
四面楚歌 其の3:2005/09/29(木) 20:30:00 ID:0nOQ6nm9
脳裏にヒョードルの連打が浮かび手も足も出なくなっている自分の姿
が雷光に射照らされるように映じたのにちがいない。永田の目に再び
涙がふきだし寝転がったままヒョードルに背をむけ
試合止まざるを奈何すべき(シアイ ヤマザルヲ イカンスベキ)
主審や主審や勝負を奈可せん(シュシンヤ シュシンヤ ショウブヲ イカンセン)
と歌いおさめた。
137 :
四面楚歌 其の4:2005/09/29(木) 20:44:27 ID:0nOQ6nm9
力覆難 ペイ 気梁失 ペイ 時間一分 ペイ 試合止 ペイ
勝負 ペイ 可奈何 主審 ペイ 主審 ペイ 奈若何
「ペイ」という間接詞が言葉が切れるごと入っている。ペイは詩の気分
に軽みをつける間接詞ではなく、むしろ作り手の永田が
「ペイ!」
と発声するごとに激情が一気に堰きとめられ次いでつぎの句の感情にむかって
いっそうに発揚する効果をもっている。
138 :
四面楚歌 其の5:2005/09/29(木) 20:54:39 ID:0nOQ6nm9
永田のこの場合のペイは永田がプロレスの試合中に叫ぶ力強いペイではなく
ヒョードルの連打に悲鳴に近いものをあらわしている。最後に主審に対し
その名を呼ぶことに、いちいちペイを投入したのは、この詩が要するに
(この試合などどうでもよい、今は恐怖と悲痛でそれどころではない)
という、ただそれだけのことを、この詩によって言いたかったにちがいない。
139 :
四面楚歌 其の6:2005/09/29(木) 21:05:12 ID:0nOQ6nm9
観客みな笑い、能く仰ぎ視るもの莫し、という。
観客は永田のふがいなさが、まるでクラスの隅でいじめられ、うずくまっている
男子生徒のように映り笑ったともいえるが「主審ペイ!主審ぺい!」と称えこまれた
主審にとっては永田が鉾を突き入れるようにして彼ひとりのため語りかけていると受けとったであろう。
つまりは、早く試合を終わらせてほしいということであった。
禿藁
元ネタの項羽と人間が違いすぎw
141 :
お前名無しだろ:2005/09/30(金) 10:04:34 ID:kx6/LBbg
>力覆難 ペイ 気梁失 ペイ 時間一分 ペイ 試合止 ペイ
>勝負 ペイ 可奈何 主審 ペイ 主審 ペイ 奈若何
笑いがとまらんww
すげぇ…
四面楚歌の職人は初参戦?
ヒョードルはロシアンラスト“エンペラー”だし、感動。
144 :
お前名無しだろ:2005/10/01(土) 13:20:06 ID:EGxMfbFk
GJ!
水道橋の壁に、ポスターがある。
(もうこんな季節か)
とおどろいている。前回の東京ドーム大会から、ほぼ半年となるわけである。
そうおもうと、にわかに膝がくずれてしまって、タバコを一服のみたくなった。
その休息ついでに、できれば、猪木をこの座に拉し来て、世間ばなしでもしてみたい。
もっとも、猪木と一座すれば、得体の知れぬ事業をだしに、金でも奪われるかもしれないことだ。
「なんといってもあんたはブラジルの山師といわれた男だ」
と、作者は猪木をからかいつつ、警戒せねばならないところであろう。
「ちがう」
猪木は、にがい顔でいうにちがいない。
「わしは、人をだますような、陰湿なまねはしたことがない」
「なるほど、あんたの行為はいつも晴れている」
と私はいわねばなるまい。猪木的世界というのは、かれ自身が、自分の行為が成功するにきまっていると
信じているところから出ているようである。
「前半期のわしは格闘家、後半期のわしは政治家として見てもらいたい」
と猪木は要求するであろう。
(ではいまのあんたは何なのだ)
と訊ねてみたい気はある。
力道山の息子が現存している。
「6時半の男」
と呼ばれる、57歳の老人がそれである。
現在、プロレスリング・ノアの副社長であった。
名を百田光雄と言う。
数奇な運命の人と言える。
昭和38年、力道山が暴力団員に刺されて命を落とした時、
光雄はまだ15歳であった。
力道山は絶命する前、側近の吉村道明を呼び、
「ミッチャンを頼む」
と言った。光雄はそのように通称されていた。
(略)
その後、光雄は前座レスラーながら、その政治的価値が高騰した。
日プロを離脱して全日プロを旗揚げしたジャイアント馬場が光雄と百田家を抱き込み、
「百田家を擁する全日プロこそ力道山の正当の相続者です」
と宣言した。
(略)
(つまんなくてスマソ)