橋本と小川と

メモリアル力道山
あの日、二人は風になった

２ゲツ

部屋とワイシャツと私

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　 ☆西岡広美さま☆　　☆７月１２日☆　 　☆３３才の誕生日 おめでとうございます☆
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いやぁ、あのメモ力の時の初OH砲は面白かった。
駐車場で村上に襲われて血達磨になって出てきて、
なおかつ、試合ではボロボロ。
挙句に泣きながら「引退を賭ける」発言。
バックステージでのインタビューも最高だったなぁ。

小川は何故、村上に橋本を襲わせたのか？
それは・・・

橋本を愛していたからだ

アングルだからだろう。

テレビに出演してくれると「ああ、普段はこんななのかな？」
などと想像したり出来ることがある

　　嬉しそうに鶏煮込みそばを食べる橋本
　　楽しそうに、テレくさそうに歌を唄う橋本
　　視聴者の目撃情報に慌てる橋本
　　当然のように自分の松葉杖を預ける橋本
　　巡業前日の宿泊先で寝込みを襲われる橋本

その何時も隣に小川がいた

怪獣のようなイビキをかき、布団を蹴飛ばしながら眠っていた破壊王
ブッチャーのコスプレ姿で目の前にいる小川に
　　「何やってんだ？お前？」と笑い転げた

ガファリ戦の為に小川のスパーリングの相手を務めた破壊王
「大変だね」と思い遣った

OH祭りで、小川のピンチに松葉杖を振り回しながら駆け付けた

OH砲のファンだった
小川は言った

「復帰戦はOH砲で」

信じてた
信じて待っていた

「橋本」だろ　「橋本」でいいんだろ
何故、名前に「さん」や「故」が付いてるんだよ
何故、新聞の死亡広告の欄に出てるんだよ

嘘と言ってくれよ

小川は「会うまで信じない」と言ったよな
会えない者はどうしたらいいんだ
いったいどうしたらいいんだ

今日、ハッスルだ
きっと、きっと、きっと捜してしまうよ
小川の隣に

小川〜！
試合前に、
なぜ、

橋本スレ乱立マジうぜえ！

ガファリ戦終了後、引き上げで行く小川の隣に橋本がいた
その橋本が、小川の耳元に何か囁いた　
小川の顔が笑顔に綻んだ
小川を軽々と肩車して、誇らしげな笑顔で相棒の勝利を讃えた
バックステージ、自分のことのように喜んだ橋本
「なんか美味いもん」　そこで音声が掻き消された

あのあと小川のクルーたちと「みんなで」「美味いもん」食いに行ったんだろうか
あれから幾度一緒に飯を食ったんだろうか
酒や、夜の食事を取らない小川も橋本が誘うとよく付き合ってくれたという

「天国の橋本！」と叫んだ小川、その視線はずっと高かった
ハッスルの会場の天井を超え、雲を超え空を越えて
遥か彼方へ届けているようだった
その距離を哀しむように

テレビの中でOH砲は隣同士の部屋に泊まっていた

小川が夜、橋本の部屋を訪れ「プロレスを語り尽くしたが・・・結論が出なくて」
そんな時間を本当に二人で過ごしたことが何度あったろう
二人ともプロレスを、プロレスのアイデアを語るのが好きだった

コンビニで小川が買い込んだ雑誌で、翌朝早くの橋本を恥かしがらせた
まるでリアルな二人を見ているかのようだった
「橋本真也・小池栄子　熱愛」の見出し一面の新聞を
嬉しがって自分で買った破壊王
コロンを持ち歩いていたお洒落な破壊王

いつも二人で笑っていた
笑っている、笑っているその顔だけが
今はただ浮かぶ
浮かぶんだよ

君とピアノと

ああっ、関西、
わしにフットスタンプして

あの日、猪木VS滝沢というとんでもないカードがあった
買ったのはタッキー

子供たちの人気者だった橋本
その子供たちを愛した橋本

突然目の前から消えてしまった橋本に
多くの人々が其々に言葉を発し、橋本への想いを語った

小川、受け入れ難い現実を目の前にした時も
それでもまだ信じられないのに
信じたくないのに、お別れをしなければならなかった時も
ただ一人、橋本の遺した子供たちへ、何よりも心残りであったろう子供たちへと
気持ちが向かった

橋本に、共に礎を築いたハッスルを見守ってくれと祈った小川
橋本の遺した宝物、三人の子供たちを蔭ながら見守って行く

どうか橋本の分も大きな愛を注いで

愛しさと切なさと心強さと