【激震肉姫】森嶋猛4場所目【鎖拘束刑】

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342お前名無しだろ
 トークショー終了後、森嶋はいつもならいっしょに帰るはずのヨネと
別れて家路に着いた。
 アニメのフィギュアとDVDがずらりと陳列された自室に戻ると心が安らぐ。
 森嶋は特注のベッドに横たわるとふうっと息を吐き出した。

「小橋さんが変なこと言うから意識しちゃうじゃないか……」
 昼間行われたトークショーで先輩の小橋が「二人は家も近いらしくて怪しいですよ」と
冗談めいて言ったのが、森嶋にはどうしても心にひっかかっていた。
「小橋さん、本当に冗談で言ったのかなぁ……それとも本当は……」

 そこに突然、電話のベルが鳴った。
 森嶋は巨体に似合わない俊敏な動きで受話器を取り上げた。
「はい、森嶋です」
「俺だけど」
「あ、聡……」
 聡とはヨネの本名、米山聡のことである。
343お前名無しだろ:2005/06/22(水) 06:34:52 ID:scwc4XSH
「今日はどうしたんだよ。一人でさっさと帰っちまってさ」
「だって小橋さんが俺たちのことトークショーで話してて、それで帰りに聡と二人でいるところ見られたら誤解されそうだし。だから……」
「誤解? 誤解ってなんだよ?」
 ヨネの声がすこし不機嫌になる。

「だ、だから、俺が聡とそういう関係だとかファンとかに知られたら困るじゃない?」
「……おまえなぁ。いいかげんにしないと自宅にヤギの群れ送り込むぞ!」
「そ、そんなのダメだよ!? ヤギとか危ないから!」

「だったら明日からはコソコソせずに今まで通りにしろよ」
「……え?」
「俺はおまえとなら誤解もなにもないってことだよ」

 森嶋はヨネの言葉の意味がわからずしばらく考えたが、やはりよくわからなかった。
「えと、それってどういう意味?」
「ぶ!」
 受話器の向こうでヨネが大きくリアクションをとっているのがよくわかった。
「つ、つまりだな! 俺はおまえとのかんけ……」
 そこで通話は終わってしまった。
 ヨネの携帯電話の電源が切れてしまったのだった。

「……なにが言いたかったんだろ」
 森嶋は小熊のように首をかしげてからもう一度考えたがやはりよくわからなかった。
344お前名無しだろ:2005/06/22(水) 06:35:51 ID:scwc4XSH
「とりあえず明日からは今まで通りにしろって言ってたのはわかったけど……
いいのかな、それで?」
 森嶋はうんうんと唸りながらいろいろと考えた。
 ヨネと出会った日のこと。
 初めていっしょに試合をした瞬間、恋に落ちたこと。
 去年の夏、二人きりで旅行に行った夜のこと。

「……聡」
 愛しい人の名を呟いてみる。
「なんだよ」
「わぁ!」
 いつの間にいたのかヨネが背後から姿を現す。
「さ、聡!? どこから入ってきたの!?」
「玄関のドア開いてたからな」
「そ、そうかぁ。……じゃなくて! なんで来たの!?」
「あのな、さっきも言っただろ。今まで通りにするんだって」
「でも、小橋さんとかファンの人に見られたら……んんっ!?」
 ヨネは強引に森嶋の唇を奪い、きつく抱きしめた。
「おまえはデカいくせに細かいことを気にしすぎるんだよ」
 そして優しく森嶋の頭を撫でながらこう続けた。
「俺はおまえを愛してるんだ。今更隠し立てする気なんてない」
「……でもトークショーでは必死に弁明してたじゃない?」
「それはそれ。これはこれ」
「……いつも強引だよね」
「そんな俺が好きなんだろ?」
「うんっ!」
 そして二人は朝まで何度も愛を確かめ合うのだった。
345お前名無しだろ:2005/06/22(水) 06:48:16 ID:2Stp7cCB
職人キターーーー!!