流れを読まず貼ってみる。
「名古屋タイムズ」平成17年2月17日(木曜日)付・14面
「格闘技インサイド・獅子たちの時代」(377)・安田拡了
『4月の上井プロレス絡み長州の秘密行動不気味』
「宿敵・前田との代理戦、柴田と血戦」
先週の金曜日(11日)、長州力に電話した。20日、両国大会で西村修と一騎打ち
をやる。その件と上井文彦氏のプロレスイベントに、どんな形で協力していくかを
聞くためだ。留守だったが12日夜に電話が鳴った。
長州は、いきなり、こう言った。
「拡了さん、今日は疲れた。本当に疲れたから(話は)来週でいいですか」
有無を言わせぬ言い方に、そのまま電話を切らざるを得なかった。長州らしい
と苦笑したものだ。
しかし、こういう時の長州は何かある。あの時、おそらく知られてはまずい誰かと
会っていたのだろうと思う。
長州ほど分かりやすい人間はいない。若いころは直情径行型で、誰かれとなく
歯向かった。プロレス界だから、隠し事はあるが、何か重要な動きをするときは、
はぐらかそうとするので、すぐに分かってしまう。
まだ長州に連絡はとっていないが、おそらく4月開催予定の上井プロレス
(上井文彦氏のプロレスイベントでストロングプロレスを提唱し、前田日明を
プロデューサーとして担ぎ上げている)関連のことで話し合っていたのでは
なかろうか。
ひょっとしたら上井氏を中に入れて、前田と長州が話し合っていたのかもしれない。
最近の長州が隠し事をするとすれば、それしかない。
上井氏のコンセプトは本物のけんかである。かつて、いがみ合っていた人間を
闘わせようとするもので、それこそが一番、感情移入できるプロレスという
ニュアンスなのだ。
上井氏は前田日明を核にしている。なぜなら、前田は長州と既に握手をしてはいる
が、相変わらず長州に対して「一度、引退したのに復活した」と批判している。
長州がこれに黙っているわけがない。つまり上井氏は、前田と長州を敵対ムードに
させて闘わせようというのだ。
だが、前田が現役復帰をするわけがない。そこで前田の代わりとして柴田勝頼が
浮かび上がってくるのだ。
いま前田が唯一、褒めているのが柴田。ということは柴田のバックには前田が
いるのだ。
決定した長州VS柴田戦。長州の「疲れた」はその件が原因だったかも!?
(スポーツライター)
(記事原文のまま)
(写真=ハッスル7参戦時・田中将斗にラリアートをかっとばす御小)
(写真説明=「上井プロレスにどう絡む、去就が注目される長州(右)」)