14 :
お前名無しだろ:
第3試合 シングルマッチ30分一本勝負
○ 堀江由衣 × 犬 ●
(5分24秒 TKO)
本試合が待望のデビュー戦となる犬(生後3ヶ月・柴犬・♀)の前に、マグマクイーン・堀江由衣(アーツビジョン)が、
プロ最初の壁として大きく立ちはだかった。
緊張の面持ちで初のリングインを果たした犬。その初々しいかわいらしさに女性客からの声援も飛び出したものの、
歓迎ムードはそこまで。テーマ曲「Love Destiny」のメロディとともに、右腕を振り回しながら堀江が入場してくると
場内の雰囲気は一転。さすがに“ほっちゃん”人気は絶大だ。テーマ曲のサビに合わせて客席から一斉に叫ばれる、
「アイ・アイ・アイ・アイ」というおなじみの合いの手の大合唱を聞きながら、犬は早くもプロの厳しさをかみしめることとなった。
試合は予想通り、一方的な堀江ペースで進められた。
ゴングが鳴ると同時に、ちぎれんばかりに尾を振りながら果敢に突進する犬であったが、堀江は余裕の笑みを浮かべながら
カウンターのケンカキックを一閃。もんどりうって倒れる犬の顔面に容赦のないストンピングを打ち込んでいく。まるで、革命戦士の
気迫が乗り移ったかのようだ。犬も、総合格闘技を思わせるグラウンドからのキックや、反則覚悟の噛み付き攻撃などで、何とか
自分の持ち味をアピールしようとするが、堀江のハイスパートな攻めの前には反撃も通用しない。最後は、死力を振り絞って
立ち上がったところを強烈なボディスラムで叩きつけられ、そのまま微動だにすることが出来ず無念のKO裁定。
伝家の宝刀・由衣ラリアットを出すこともなく、格の違いを存分に見せつける形での堀江の勝利。師匠・長州力が格下の相手に対し
そうしたように、堀江もまた、戦いの掟を新人・犬の肉体に刻み込んだのだった。
堀江「多少アレ(外見)がいいからって、それだけじゃこの世界はやっていけないってことを、最初に教えてやったまでですよ、ハァ」
犬「…………」(何も話すことは無い)