大森の家の裏山中付近まで歩く4人。そこに止めてあったベンツのトランクを健介に
開けさせると中には白いシーツを敷き詰められていた。そこに大森を頭から突っ込ませ、
かがませる。
吉田「健介、さっきの臭いアレは何だ!俺はああいうのが大嫌いだ。とんだ三文芝居を
見せやがって。健介!後で覚えておけよ。だがその前に大森、お前だ。お前には
悪いが10カウントを聞くときが近づいてきたようだな。こういうアレ(断れるケース)
もよくあることでな。ちゃんとゴングはもちあるいてるんだ。だから最後はレスラーと
して見届けてやれる。安心しろ、大森。お前は立派なレスラーでしたよ、、、と!」
目を閉じて必死に何かを念じる大森。
大森(ああ、あいつ、妻だけは無事に逃げとおしてくれよ。これが俺の最後の望みなの
だからプロレスに神様がいたのであったなら、このレスラー崩れ願いだけは
聞き届けてやってくれないだろうか。)
パシューと乾いた音を立ててかすれた銃声が鳴った。大森の身体が血に
まみれる。不思議と痛みは無かった。なんだか楽になっていく。薄れゆく意識の
中で大森は信じられない光景を目にした。