吉田「まさかな。WJ所属のレスラーにアレされる(裏切られる)とは思わなかったよ。健介、越中、中嶋・・・
皆、引き抜かれていってな。まっ、自業自得なのかもしれないけどな。ハハハ、お前はフリーだったのに本当に
よくやってくれたよ。感謝しているよ」
大森「・・・・・。」
吉田「突然いなくなった時には本当に心配したんだぞ。まさかお前まで裏切るわけないと思ってたからな。だって考えて
みろよ。WJの末期は俺とお前の二人だけだったんだぜ(笑)このネタを言う権利があるのは本当、俺とお前だけだよ」
大森「・・・そんな、俺はただ・・・」
吉田「マァそれでなぁ、今度なぁ、アレだ。新しく団体を旗揚げすることになったんだ。ようやく大きなスポンサーがついて
くれることになってな。ようやく五月蝿い借金取り達を黙らせてやったよ(笑)そ、こ、で、だ。肝心の選手が不足して
てな。アレだ、相変わらずサポーターだけはいっぱいいるんだけどな(笑)」
大森「長州さん、俺・・・」
吉田「協力してくれるよな?お前には特別に目をつけてやってたつもりだったんだぜ。ノアで行き場の無くなったお前を拾って
やったの誰だ?おまえ、普通フリーの選手にあそこまでよくしやしないよ。なぁ、頼むよ。悪いようにはしないからさ」
大森の腹の内は決まっていた。この話には絶対に乗れない、そう決まってはいるのだが長州力という男の魔力か威圧感なのか
話を切り出せない大森の目は泳いでいた。だが、この5年間、初めて全部自分からやらなきゃいけないというフリー時代にも
産まれなかった苦境と、それを乗り越えることで培ってきた克己心が大森の心を奮い立たせる。