176 :
名無し:
(ザ・ドキュメント」(前奏)プァ〜。プァ〜。
ここ高円寺の四畳半一間に似つかわしくない男が独りで暮らしている。男の名前は長州力こと吉田みつお。
「いやー。最近コンビニのおにぎりに詳しくなってねー。アレしてく
れって言うと温めてくれたりしてね」
おにぎりを食べながら彼が行く先は、ここから歩いて数分程度の公園。既に公園にはビニールシートがひかれていた。
月に1回のこの公園でのプロレス団体WJの興行が始まる。
♪ドンドンドンドン♪「さーー。寄った。寄った。プロレスが始ま
るよーー」太鼓を叩いて周辺を歩いてるのは、佐々木健介。かつて
は長州力といっしょに新日本プロレスという団体にいたこともある。
太鼓の音を聞いて近所のコドモ達が公園へとやってくる。中には、お
母さんに手を引かれてやってきたりする子もいる。「そーですね。私
もほらクラッシュギャルズとかいたじゃないですか。長与とかって一
度地元に来たときに見にいたことがあるんですよ。今はまさかコドモ
といっしょにこんな近くで見れるなんてねー」
(続く)
177 :
名無し:03/10/20 03:48 ID:2Ls64hLU
はい。ありがとう。はいありがとう。はい。おじょうちゃんおつり」
プロレスを見るには飴を飼わなくてはならない。売り子の名前は越中
詩朗。リングネームはサムライ詩朗という。そして、もくもくと飴を
割り箸につけているのが、大森さん。下の名前を聞こうとしても答え
てくれない。彼は、ここ数年でめったに人と会話をしなくなってしま
ったそうだ。
自転車で、どこぞからごま塩頭の男が現れた。ハンドスピーカーで選
手のコールをはじめた。彼は名前は名乗るほどのものではないと、我
々には背を向けてしまった。「本日の第1試合。長州力対佐々木健介。
かつての師匠と弟子の間柄のお二人方♪ベンベン(口で)健介強くな
ったなーー。と、長州力これぞ伝家の宝刀ラリアーーートーーと・・
しかし、試合中に現れたるはサムライ詩朗。やい!お前らつまらない
試合しやがって。なんだと!サムライもう一度言ってみろ。と向かっ
て行く長州力。さて!この後どうなることやら、続きは次回のお楽し
み!!ベンベンベンベンベンベン(もちろん口で)
後片付けは全員で行う。なれた手つきでテキパキと行わえる。発泡酒
で全員で乾杯。長州力が吉田に変る瞬間である。彼はこの後、深夜の
交通整理の仕事がある。「家に帰ってアレして。寝て。アレしてアレ
だから」この後に居酒屋での仕事がある、おおもりと越中にあいさつ
をして、ランニングをはじめた。いつも帰りは気分が高揚するので、
必ずランニングで帰るそうだ。「いやー。サイパンのアレを思い出す
な」よく意味がわからなかったが、きれいな夕焼けがでていた。これ
からの野外は辛くなる冬がもう目の前まで来ていた。