◇小橋建太隊長 恒例!地獄の特訓第三弾決行!相手は人食いグりズリー!?
小橋が殺人熊特訓で究極の秘技を完成させた。26日、北海道・白老町の海辺で人間を
十数人食い殺した 史上凶悪の灰色熊を相手に2時間のスパーリング。ハク製とはいえ
すさまじいまでの殺気を感じさせる熊に全身汗みどろ。格闘議界に因縁深い熊とのスパー
リングから勝利を確信したという。
海が鳴いた。北の大地で爆発した小橋の特訓魂が北海の荒れ狂う波までをも震わせた。
春とはいえ北海道はまだ長袖が必要なほど肌寒い。しかし人食い熊との格闘を終えた小
橋の体からはうっすらと湯気が立ち上がった。小橋は今までざまざまな珍特訓を行ってき
たが、今回の相手は体調3メートル、体重500キロの熊の王様・灰色熊。しかも2頭いる。
その迫力たるや並のプロレスラーの比ではない。それも当然で、生きているときは「ミダ」と
「バタ」と呼ばれ、北海道の山々に君臨したキング・オブ・グリズリー。並み居る熊狩人を血
祭りに上げてきた最凶の灰色熊だ。
小橋も「ハク製とはいえ獣の王者の迫力というかオーラがある。ジッと目を見ていると今にも
襲いかかられそう」と冷や汗を流せずにはいられなかった。だが、こんなことで臆していては
タッグ王者など夢のまた夢。小橋はおもむろにTシャツを脱ぎ捨てると熊に襲いかかった。
周囲が2メートル以上もある胸元にローリング逆水平を打ち込み、次は小橋のウエストよりも
太い首筋に剛腕ラリアットをブチ込んでいった。小橋は生まれ持っての闘争本能で生きてい
る熊にもこの程度の攻撃では通用しないと直感し、相棒の本田に協力を要請。本田が得意
の関節技で丸太のような腕や首を固めたスキに、小橋がこん身の手刀を打ち込んでいく。
だが、小橋の頭の中のシュミレーションではまだ不十分。秋山組は史上最強のGHCタッグ
王者だけにもう一つ決め手に欠ける。そのとき小橋の頭に天啓がひらめいた。「多聞さん、
飛行機投げた」。本田は無言でうなずくと、アマレスの必殺技・飛行機投げの要領で熊を抱
え上げた。そこに小橋がヒラリと飛び上がり、全体重を乗せた剛腕ラリアットを発射! その
勢いのまま本田が地面に投げつけるという恐怖技を開発した。
究極の合体技「オホーツク」(仮称)の完成だ。本田の究極の投げと小橋の破壊力が組み合
わされた新技は、オホーツク海の大岩をも砕く荒波そのもの。これなら秋山組といえども一
発KOは必至で、小橋はあまりの破壊力に「いける」とひと言つぶやいたまま自分の右腕を見
つめ続けた。
ハク製相手の特訓だけに成果を疑う声も出るだろうが、あくまでも小橋は本気。「俺は本物
の熊と向かい合っていると想定して戦ったし、それに本物の熊が出てきてもいいように、昨
日の夜はずっと熊と戦うための作戦を考えていた。そして俺は打ち勝ったよ」とキッパリ。
小橋の中でGHC2冠王者へのビクトリーロードがキッチリと出来上がった。