【もうだめぽ】冬木　ガン再発！２【肝臓転移】

週だけはタイトルに偽りありです。19日、冬木さんのお見舞いに行きました。かなり状態が悪くなっているという話は
聞いていたのですが、ずっと付き添っていた金村選手に電話したところ、「ボス、頑張ってますから、励ましてあげてください」と
言われ、病院に向かいました。冬木さんは目を閉じたままで、苦しそうに呼吸されていました。すでに意識はないように見えたのですが、
「聞こえますから話しかけてやってください」と奥さんから言われて、夫婦で仲良くやっていることを報告しました。
冬木さんは僕たち夫婦の、婚姻届の証人になっていただいていたんです。2時間ほど奥さんや看病していた選手たちと話をして、
家に帰って少ししてから電話が入りました。僕が帰った1時間後くらいに病状が急変したそうです。慌てて病院まで引き返すと、
冬木さんはすでに霊安室に安置されていました。その後、ご家族や選手たちと一緒にご自宅に冬木さんをお連れしました。
冬木さんの枕元で選手やご家族といろんな話をしました。部屋の中には少しも湿っぽい空気がありませんでした。
冬木さんが湿っぽいのが嫌いなことを、誰もがわかっていたからです。ふと冬木さんの顔を見ると、うっすらと笑っていました。
金村選手はその顔を見て、「あれはボスが企んでる時の顔やな」と言ってましたが、僕もそう思いました。

お通夜もお葬式もかなり型破りな内容でした。読経もありませんでしたし、冬木さんはＴシャツとハーフパンツで柩に入りました。
信仰心のあつい方からは批判があるかもしれませんが、冬木さんならきっとこういったでしょう。
「お経読まなきゃ成仏できねえんだったら、外国人はみんな成仏できねえだろ！」そう、お通夜もお葬式も冬木さんなら
何を望んだかを考えて、それを実現したものでした。冬木さんを送り出すときのアナウンス原稿を頼まれた時も、
その事を第一に考えました。「この世の闘いにはもう飽きた。神も仏も、閻魔も鬼も、首を洗って待っていろ。
理不尽大王、冬木弘道、冥土の大遠征にいざ出陣！」どうです、冬木さん、いい気分で出陣できましたか？
あなたが乗った霊柩車に、ファンだけでなく選手たちも一緒に黄色い紙テープを投げたのを見た時、思わず泣いてしまいました。
すいません、そういうのを嫌いなことは、わかってるつもりだったんですがガマンできませんでした。
最後にご家族とWEW関係者のご厚意で、納骨にも参加させていただきました。帰りに安田瞳記者と話をしていたのですが、
あなたの骨を拾えたなんて本当に凄いことです。僕が年寄りになった時、きっと若い記者やファンの前で自慢するでしょう。
「オレは冬木弘道の骨を拾ったんだ」って。冬木さん、これはお世辞でもなんでもなく、僕はあなたの取材を通じて
プロレス記者として育てられました。本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。