A.「よく考えると,三沢のやってることって独占禁止法に抵触するよね。」
B.「うん。例えば,Aメーカー・Bメーカー,それに小売のC社があったとすると、A社がC社に対して
≪うちの商品を置きたいのなら,B社の商品は今後一切仕入れるな≫と言ってるのと構造的には同
じだよね。」
C.「プロレス界に厳密に法を適用する商習慣がないから違和感を感じるかもしれないけど、独禁法の
立法精神からいったら三沢の言動は全日に対する明らかな営業妨害。」
A.「まぁ、今までにもいくらでもそういう≪他団体への出場を拘束する≫ケースはあったわけだが…。
そういう時は団体と選手の間に選手の身分を拘束することへの両者の合意に基づく契約(たとえ
口約束であっても)が成立していたわけだよね。会社の例で例えるなら、C社がA社の販売代理
店として独占契約を結んで、A社の系列に参入した場合みたいなものだね。」
C.「でも,単に自社製品を納入しただけで,特定の他社製品だけを売り場から排斥するよう圧力をかけ
てるのが三沢だからな。まだ、その動機が≪ライバル社からのシェア獲得≫という各自の経済原理
に基づくものなら、プロレスという独自の興行ジャンルゆえの特例的な商習慣として容認すること
も可能だけど、三沢の動機は完全な私怨に基づく全日1社だけへの排斥運動だからなぁ。」
B.「まったくだね。」
A.「天龍vs良成戦が俄然現実味を帯びてきたね。」
B.「ウン。なにしろ今三沢がものすごい勢いで、過去の自分を否定し始めているからね。
新日への8/29のトレード要求もその一例だね。」
A.「確かに過去の三沢は他の興行と自分のとこの興行がバッティングするときは、常に
自社の興行を優先してきた。自社所属選手が自分の興行には出ないで、他の提携先
興行に出ることは許さなかった。出すときは掛け持ち可能であることが最低限の条
件だった。そうでないと自分の興行に来てくれたファンに失礼・手抜き・裏切りに
当たるというのが理由だった。」
C.「実際橋本が頭を下げて所属選手の派遣を要求してきた時も、日程バッティングを理
由に断っていたしね。」
A.「その理由からすると、トレードすればいいというわけではないよね。たとえ少数でも橋や金丸を一番の
目的で行くファンがいるとすれば、そのファンに対しての裏切り行為にあたる。」
C.「トレードすりゃいいってことなら、なんで橋本とかの時にそうしなかったのかってことですよ。」
A.「天龍−良成戦への三沢の対応振りにも、同様の変節振りが伺えるね。新聞報道によるとWAR興行なら
容認とコメントしたみたいだけど。」
B.「秋山が以前天龍戦を希望して天龍も呼応。両者間では対戦の機運が高まり、天龍がWAR興行での対戦
を提案。」
C.「でも、三沢が駄目出しして、秋山がトーンダウン。そのまま自然消滅ってことがあったよね。」
B.「あった、あった。それと大谷の件もあったね。大谷がフリー的な立場でノアにも全日にも上がりたいか
らと言ってて、三沢に話をつけると言ってた。」
A.「でも、三沢と話した結論は全日とは凍結というもの。三沢=ノアを取るか、全日を取るかの二者択一を
迫られたわけだよね。」
C.「WAR興行とはいえノア王者が全日王者と試合するのは良くて、なんでゼロワンの大谷が全日に一度参
戦するだけで拒絶されなきゃならないのかってこったね。」
B.「天龍−良成方式がOKなら武藤−三沢戦もOKなわけで、武藤の全日移籍時に武藤戦の可能性について聞か
れて三沢が、≪難しくなったんじゃねぇの≫とコメントしたこととも矛盾するね。」
A.「三沢としてはなんとか全日をこの業界で八分にしたかったんだろうな。」
B.「大谷がNGなら、良成もNGだよね。でも、さすがに腹心の良成には大谷のようにノアか全日かの二者
択一は迫れなかったんだろうな。まぁ、人を見て対応を変えたわけだ。村落とかクラスとかの小さいコ
ミュニティでは八分というのは機能するけど、相対的にある程度開かれた社会では八分を仕掛けた方が
自分の世界を狭くして、逆に八分にされてしまうんだよね。」
A.「そもそも、全日と付き合う所とは自分は付き合わないというのなら、東スポや週プロのように全日を取材
しているマスコミとも付き合わない=取材拒否をしないとおかしいんだよね。」
B.「だから、相手によって生き方を使い分けてるわけよ、三沢という人間は。小さい世界のコミュニティでは
リーダーたりえても、大きなコミュニティのリーダーたり得ない器だな。」
A.「こうやって、今物凄い勢いで三沢が自己否定しているわけだが、そのこと=三沢の過去の言動に対して
三沢自身はなんの清算もしようとしないんだなぁ。」
B.「≪俺の生き方は曲げない≫と大見得を切ってる手前、自己の変節振りをなんとか取り繕って面子と世間体
を保とうとした落し所が三沢の〔WAR興行なら容認〕という発言なんだろう。」
C.「三沢=世間体の鬼」