【1面】
■新日分裂危機
退団 武藤 全日に集団移籍
*カシン、小島、経理部
フロント幹部ら同調
*猪木の格闘路線に反感
*あと2年で引退!!王道プロレスに
「プロレスLOVE」を捧げる決意
【プロレス面】
■緊急連載 崩壊危機 新日プロ@
武藤獲得
新天地のファイトを地上波が全国放送か
テレビ局が水面下でオファー
*最大のスターを失う新日
■元子社長「全日入り歓迎」
社長の座を譲る?
*王道30周年イヤー一気に光明!!
*真エース争い本格化
武藤の一大決心に元子社長は、「そう言ってくれて
いるなら、ありがたい話です。前向きに考えたいですね」
と素直に喜びを表した。
全日本プロレス・武藤誕生―そうなれば30周年イヤーに
突入した王道マットは、一気に光明が差し込むことになる。
思えば一昨年6月のノア勢大量離脱で、窮地に陥った
全日プロは、天龍再入団、さらにはは新日プロとの
対抗戦を見いだし、再浮上。息切れしつつあった
2001年後半には天龍・WAR軍が大暴れし、全日マットに
カツを入れた。だが、昨年後半から新日プロとの対抗戦も
先細りとなり、全日マットの先行きは、メモリアルイヤーを
前にして、決して明るいとはいえなかった。
その中で武藤は、3冠、世界タッグを立て続けに奪取。
さらには暮れの「世界最強タッグ決定リーグ戦」まで制し、
所属外選手ながら“全日プロの顔”にまで上がりつめた。
他団体の選手にリングを占拠されるという本来なら
非常事態にも、元子社長は「武藤さんだとそんな気が
しないの」と不思議な親近感を口癖のように語っていた
ほどだった。CS放送の番組で武藤と対談した際には
「道場をあげます」と思わず全日プロ道場の進呈まで
宣言したこともあった。
すべては武藤のプロレスに元子社長が「王道プロレス」
そのものを見いだしていたからにほかならない。
2人の関係は、まさに相思相愛だけに全日・武藤誕生は
時間の問題だが、晴れてそうなれば、武藤はその時点で
名実ともに王道のエースに君臨。そして2・24武道館
大会の川田との3冠戦は、正真正銘の“真全日エース
決定戦”と。なる―。
■離脱の“先輩”
橋本も絶句
*「蝶野社長しかない」
闘魂三銃士の盟友・橋本は、武藤の決断を知らされ
しばし絶句。長い沈黙の後、大きく息を吐き出して
「新日本は一体いくら犠牲を払えば変わっていけるんだ・・・」
と声にならない言葉を漏らした。
橋本の脳裏をよぎったのは一昨年の11月13日、
新日プロから解雇通告を受け新団体ZERO‐ONEを
旗揚げした自分自身の姿だったはず。独立後、
夢の実現と引き換えに数々の辛酸をなめてきた橋本。
だからこそ武藤の決断の大きさ、血を流し続けても
傷の深さに気付かなかった、新日プロ上層部の現状が
重くのしかかってきたようだ。改めて新日プロの現状を
見定めた橋本は「武藤敬司という財産をむざむざと
手放した罪は大きい。今の新日本はプロレス界の
盟主とは言えなくなった」と厳しく言い放つ。
一方で、新日プロの屋台骨を背負わなければならなく
なったもう一人の盟友・蝶野には「蝶野が社長になって
新日本を立て直してほしい。いずれ闘魂三銃士で再び
プロレス界を盛り上げるために」と期待を寄せた。
90年代の新日プロを支えた闘魂三銃士のうち2人が、
故郷から飛び出していった。武藤という強力な
ライバルが新日プロの枠から飛び出したことで
破壊王は「新しいプロレス界の勢力図をオレたちが
作り出してみせる」と力を込めた。
■武藤に独占直撃
もう俺を止めることはできない
さらば新日!!
キッパリ離脱宣言
*全日には不思議な恋愛感情
―金曜日(18日)には新日プロとの契約更改が
予定されていますが?
武藤 いや。今年はもう新日本と契約する気はない。
残りの現役生活も少ないし、新天地で頑張って
いくつもりだ。
―新日プロを退団するんですか?
武藤 そういうことになる。なんて言うか、ここ数年で
新日本の方向性が分からなくなってきた。実際に
いろいろと混乱させられてきたしね。でも、
新日本のことを恨む気はない。単に自分の希望で
そうするだけ。まあ、プロレスってのは答えがない
モノだけど、現役選手であるうちは、それを追い
求め続けなきゃいけない。そういった意味で、
挑戦を含めて、新日本を離れることにした。
―新団体設立ですか?それとも噂されていたように
全日プロ移籍ですか?
武藤 全日プロといっても、元子社長がオレのことを
「いらない」って言うかもしれないしね。全日本に
断られたら、前々から希望していたWWF(ビンス・
マクマホーン代表)移籍を希望するつもりだ。
―ほかにもケンドー・カシン選手や小島聡選手、
また相当数の職員の離脱がささやかれていますが、
武藤選手と行動をともにするんですか?
武藤 オレは個人的な考えで、個人的に退団
するだけだからね。他の選手やスタッフが
何を考えているかまでは把握していない。
他人の人生までは左右できないからね。
―全日プロの元子社長も、武藤選手の入団を断る
理由もないと思います。全日プロにはBATTの
同志・馳浩選手もいますし・・・
武藤 だといいんだけどね。オレは去年、初めて全日プロに
上がってみて、何か不思議な恋愛感情にも似たモノが
芽生えてしまった。実際、戦っていて心地よかったしね。
何か自然な形で全日プロに導かれたような気もする。
まあこれはオレの片思いみたいなモンかもしれないけどね。
―では18日、新日プロとの契約を終了させた後、
改めて全日プロに入団を申し込みに行くことに
なるのですね
武藤 そういうことになるのかな・・・。
まあ、新たな武藤敬司に期待していてよ。