サン・ジョルジョ産化石のシンボル
サン・ジョルジョ山で見つかった化石の中で、
象徴的な存在となっている動物に、ティキノスクスがいます。
これは三畳紀中期に生息した肉食の槽歯類です。
槽歯類は地上歩行に適した四肢を持ち、この仲間から恐竜が進化したと考えられています。
この山近くのメリデ化石博物館では、ティキノスクスの復元骨格が目玉となり、
世界中からこれを見ようと専門家や研究家が集まってきています。
他にも有名なのが、タニストロフェウスです。
これは三畳紀中期から後期に生息したプロトロサウルス類であり、
異様に長い首を持っています。
その長さは胴体部分の二倍以上もあり、地球史上最も首の長い生物として有名です。
しかし、首を形成する頚椎はわずか十個であり、一つ一つが非常に長い。
この数はキリンやヒトと同じ数です。
同じように長い首を持つ白亜紀の長頚竜類(エラスモサスルスなど)は
60個以上もの頚椎を持っていたのとは対照的と言えます。
タニストロフェウスは、その長い首は一体何のために発達させたのでしょうか?
地上で支えることは難しいことから、水中生活をしていたと考える学者もいます。
また、海岸に住みその長い首を水中に伸ばして小さな魚類などを食べていたと考えられています。
イタリアでは数多くの恐竜の化石が発見されています。
博物館などでは、その復元模型などを展示しています。
興味のある方は最寄の博物館まで足を運ばれるといいでしょう。
ミラノですと近代博物館がいいでしょう。Tレックスの模型まであります。
余談ですが、Tレックスの化石はアメリカで発見された9体以外見つかっていません。
当然イタリアでも発見されていないのです。