化石と地中海
イタリアとスイスの国境に位置するサン・ジョルジョ山では、
1863年に初めて化石が発見されて以来、三畳紀中期(2億4千万-2億3千万年)の
脊椎動物の化石が数多く発見されています。
その種類は鮫類、硬骨科魚類、恐竜の祖先である槽歯類と
様々な海生爬虫類です。
この山の化石が出る地層は、メリデ石灰岩と呼ばれています。
地層の厚さは100mほど、範囲は直径6-10KMです。
三畳紀、この周辺にはサンゴ礁で縁取られた小さな海が存在されました。
この海は外洋に生息する動物の化石が発見されたことから、
地中海の元となった「テチス海」に繋がったり、閉じたりしていたと
考えられています。
その小さな海の底には、石灰質の泥が堆積し、
その中に多くの動物の遺骸が残されることになったのです。
その後、海は干上がり、地殻変動によってその地域は隆起し、
現在の山系を形成したとされています。
現在のアルプス山系と地中海、これには
しっかりとした関係があったのです。
多分野を学ぶことで、色々なことの繋がりに気づくことが多々あります。
これを人生の醍醐味と考えるたきーのでした。