私「たき-のさん、普段は何をしているんですか?仕事とかは?」
たき-のは部屋の中をゆっくり歩き回り始めた。何かをひとしきり考えて
いたようだったが、ついに何かを決心したかのように立ち止まるとその
重い口を開いた。
「あなたは私の年齢が分からないでいる、そうでしょう?そして
こいつは普段は何の仕事をしているのかとそうまた思っている。
・・・・・私は頻繁に仕事を変えていますよ。しかし、どの仕事
にも共通しているのは、私のやっている仕事は、何らかの点で人
の面倒をみる仕事だという点です。具体的には・・・」
そのとき突然ドアが開いて若い男が部屋に入って来た。
「たき-の、病院から迎えが来たよ。入院の準備はできたかい?」
たき-のは私の方を振り返るとにっこり笑い、そして立ち去った。
私は絶句し涙した。
ガイドに私は叫んだ。
「頼む、次は、はまちのところに連れて行ってくれ!」
・・・・・完・・・・・