721 :
嘆きの滝夫人。:
昼下がりのアトリエで絵を描く滝。
バタン!
アントニオ「ここにいたのか、滝」
滝 「まあ、どうしたの?こんな時間に?」
:滝これ以降振り返らず筆を運ぶ:
アントニオ「仕事の途中に寄ったんだよ滝。しかし君が
ジーンズを穿くこともあるんだね。僕が
帰るときには君はいつもドレスじゃないか
。てっきりドレスしか持っていないと思って
いたよ。。へぇ似合うじゃないか、滝」
:滝、無言で絵を描く。アントニオは古びた木製の椅子を持って
すぐたきの後ろに腰掛ける。
722 :
嘆きの滝夫人。続き:02/06/30 18:07
アントニオ「ところで滝、何を描いてるの?」
滝 「あたしよ。私を描いてる。」
アントニオ 「え?花の絵じゃないか?滝」
滝 「馬鹿ねアントニオ何を描いたって人はいつも
自分を描いてるのよ。ミラノに来てからは絵を
描く事が多くなったわ。なぜかしら。」
アントニオ「僕が当ててあげる。イタリアが君を自由にした
んだよ。絵を描きたくなるほどに。」
滝 「そうだわ。そうよアントニオ。でも不自由になった
事もあるのよ」
アントニオ「えっ??」不安げに滝を見つめるアントニオ。
:滝はゆっくりと振り返って微笑みながらアントニオに答えた:
滝 「だって、私あなたに捕まったんですもの!」