671 :
小説(イタリアOFF会の風景) 10:
「本当のたき-のはあなただ!」
と、はまちは絶叫して、1人のある男を指さした。
はまちに指さされた男は、髪は栗色、ほのかに
コロンが匂うおしゃれなホスト系の男だった。
どことなく憂いを帯びた表情で先ほどから静かに
ワインを飲んでいる。ひどい人みしりのせいなの
だろうか、だれとも口をきかないのでオフ会の中
で完全に浮き上がっていた。
バ−ルの片すみからギタ−の弾き語りが聞えてきた。
曲が終わると弾き語りの男は言った。
「おれはたき-のに会ったことがあるよ。こいつは
たき-のではない。たき-ののことを話してやろう
か?」