401 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その1
長い正月だというのに今一つ祭りの予感が足りない不況下の日本。
俺はそれでも気のあった友達と新年会をやろうと計画しているので
今日はアメ横に買出しに行くことにした。所沢からアメ横まではちょっと距離があるが
それでもアメ横で買う魚介類は近所のスーパーで買う魚とはありがたさが違うような気がする。
西武新宿線の中はうつろな目で携帯を見ている香具師らばっかりだ。
2ちゃんにはまっている俺にはどいつもこいつも2ちゃんねらーに見える。
なんとも不健康な図だな、と思いつつ、俺も携帯を開ける。
イタリア好きな俺はイタスレをチェックしている。
あー!イタリアに行きたいよ!
今日もたきーのさんがレスをつけてる。
イタリアでは食うもの何でもうまいんだろうな。
イタリア人はうそつきだけど明るくて楽しいんだろうな。
おしゃれな洋服とかたくさん売ってるんだろうな。
いいなー。イタリア。
きっと日本より住みやすいんだ。
イタスレの住人もいい人ばっかりだし・・・・。
それにしても最近、あんまり盛り上がってないな・・・。
402 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:17
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その2
そんなこんなでようやく新宿に到着。
ここでダチと会う。
こいつはイタリアレストランで働いているんだが、
俺のイタリア好きはこいつの影響が多大にある。
2年ほど前にイタリアで6ヶ月だけ過ごしたことのあるこいつは
いまだにそのときの気分が抜けないらしく、事あるごとにイタリア語を言い放つ。
今日もあったとたんに「Ciao」だ。
まったく、ときどきウザいと思うこともあるけれど、
それでもイタリアに行く前よりは格段に明るい人間になっている。
やっぱりイタリアに行くと人間が変わるのかもな。
「おい、リスト作ってきたぞ。」
さすが、料理人のダチは抜け目がない。
「酒はどうする?」
「ワインだったら付き合いのある問屋から取り寄せてあるから
とりあえず今日は魚を買おう。」
なかなかつかえる香具師ではある。
403 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:18
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その3
相変わらず人が多い新宿。
山手線に向かうため、駅の階段を上がっていると
前を歩いていた人がコケた。
「あっ」
俺はとっさによけた。
「Cazzo!!」
その人はCazzo、と言った。
バリバリの日本人なのに、今のは・・・・イタリア語、だよな?
とりあえずダチの影響もあり、ちょっとしたイタリア語は俺もわかる。
かなり派手にコケたその人は起き上がるのも恥ずかしそうだった。
「大丈夫ですか?」
ダチが心配そうに聞く。
「は、はい。すいません。」
その人は起き上がるとそそくさと階段を駆け上がっていった。
404 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:19
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その4
「おい、今の人、イタリア語言わなかったか?」
「あ、オマエも気がついた?Cazzo、って言ったと思ったけど。」
「イタリア語が咄嗟に出るなんて、きっとイタリアにいた人なんだろうな。」
「いいなー。俺もイタリアに行きてーよ。」
俺たちはそんなことを話しながら山手線に乗り込んだ。
「なぁ、イタスレ見てるか?」
俺たちはイタスレの話をよくする。
「最近、あんまり上がってないな。」
「コテハンも日本に来てるみたいだしな。」
「・・・・・!!もしかして、さっきコケた人、コテハン!!?・・・・なんてな。」
俺は期待を半分込めて笑った。
しかし、俺のダチは笑わなかった。
「そうかもしれないぞ。」
「んなこたー、ねーだろ!」
それでも俺はさっきの人がコテハンだったらな。なんて夢を見ていた。
ちょっと恥ずかしがり屋っぽかったな。
まあ、あの状況では誰でもそう、なるか。
妄想のしすぎだな。
405 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:20
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その5
御徒町に着くとさすがに人がたくさん出ていた。
不況とはいえ、やっぱり新年会の買い物に出る人がいるんだな。
俺たちはとりあえずあらかじめ作っておいたリストにある魚介類を
探すことにした。
友達同士の新年会なので鍋にする予定。
イタリア料理が作れるダチがいるのでイタリア風の鍋もいい。
だし用の魚とカニ、エビも入れる。
後は店に並んであるものを見てどんどん付け足して正月らしく豪華版に
なればいいだろう。
それにしても、人が多くてなかなか先に進めない。
ダチが前で俺を呼ぶ。
必死の思いでそこへ行くと新鮮な魚介類が!!
屋台のおじさんはガラガラの声で「安いよ」を連発している。
うーーーーん。塩鮭か・・・。うまそうだな。
いくらもうまそうだ。筋子はあんまり好きじゃないけど、
ここで見るとなんだかうまそうだな。
「値段、覚えとこうな。」
ダチはそう言うと別な店へと足早に進んで行った。
なんだ、ここで買うんじゃないんだな。
いったいいつになったら買い揃えられるんだよ。
406 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:22
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その6
数軒の店を比べて俺たちはだいたいの値段と魚の種類を
把握した。
アメ横では一軒の店でたくさん買い物をして値段を安くさせるのが
コツだ、と聞いた。後は品揃えだな。
と、ある店先で寒ブリをじーーーーっと品定めしている人が目に入った。
一人でじっくり魚を選んでいる。
その目線はまさにプロ、という雰囲気がある。
料理人かな?
でも、料理人だったら築地とかに行きそうだ。
寒ブリ、出世魚か。
それもいいな。
「おい、ここ、かなりいろんなものがあるな。
値段もそこそこだし、モノもいいからここにするか?」
ダチが言う。
俺はモノのよしあしはあんまりわかんないから
とりあえずいつの言う事を信用する事にする。
407 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:23
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その7
俺たちはかなり大量の魚を買うことになった。
店のオヤジにそそのかされそうになるところを
ダチがさらりとかわしながらどんどん買っていく。
安くさせるにはある程度の量を買うのは必須だ。
こんなに食べられるのかよ。
ちょっと不安だが、俺たちも大食漢の部類だから
酒が進めばイケちゃうかもな。
「マーンマミーア、あのオヤジ、なかなかうまいな。」
ダチがそんなことをイタリア語交じりに話していると
さっきの料理人風情の人がこちらへ寄ってきた。
「あの、すみません。今、ユーロ、っていくらでしたっけ?」
いきなりの質問に俺たちは目が点になった。
「いや、あの、海外にいるものですので価格が今一つ把握できなくて・・・。」
その人は片手に電卓を持っていた。
いくら海外在住者でも為替くらい頭の中に入っていそうなもんだが。
「えーと、126円くらいだったかな?」
ダチが返答する。
「ありがとうございます。」
その人はちょっと赤くなりながらさっきのブリを買って行った。
408 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:24
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その8
「なあ、変だな。」
「ん?なにが?」
「さっきの人だよ。何で為替なんか聞くんだよ。
海外にいるんならなおさらレートくらい知ってるだろ。」
「あ、ああ。俺もそこは少し気になったんだが・・・・。」
「師走だからな。変な香具師も出てくるんだろ。」
俺たちは鍋の材料を仕入れると帰る事にした。
かなり重い荷物になったので、これをダチの住む国立まで
持っていくのも大変だ。
新年会の会場はダチの住む国立のアパート。
そこそこに広いのでちょっと遠いのだが何かというと
俺たちの宴会場になっている。
本当はここまで来たのだから秋葉にでも逝って
プレステのソフトでも物色したいところだが
今日はやめておこう。
俺たちはまた山手線に乗り込んだ。
409 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:25
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その9
やっとの思いで国立の香具師のアパートに到着。
とりあえず下ごしらえして冷蔵庫にしまうことにした。
ダチの持つ冷蔵庫は料理人らしく巨大だ。
ダチが豪快な包丁さばきで下ごしらえしている間、
何も出来ない俺は香具師のPCを借りてイタスレチェックを
する事にした。
それにしても今日も下がってる。
本当に誰もいないんだな。
ふと、さっきアメ横であった人を思い出し、
俺もコテハンになってみて質問してみる事にした。
579 名前: 皿 投稿日: 03/01/05 08:38
こんにちは。
日本よりイタリアの方がお給料が少ないとの事ですが、
イタリアの物価に対するイタリアで貰うお給料と、
日本でのそれとは、比率としては同じなんでしょうか?
もしくは其々の国に於いて、どちらかの方が物価を高く感じてたり
安く感じてたりの違いは有るのでしょうか?
ちょっと、知りたいです。
410 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:26
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その10
そんな事をしていると、ダチが俺を呼んだ。
「なあ、おい、俺たちやっぱり買いすぎたかもしれないな。
この量はさすがの俺たちでも食いきれないかもしれないぞ。」
「どれどれ。」
見ると、冷蔵庫は既にいっぱい。
まな板の上にはこれでもか、というくらいの魚の切り身がのっている。
困ったな。
「そうだ!」
突然ダチが声を上げた。
「なあ、今、コテハンがもしかしたら東京にいる、ってことはないか?」
「・・・・・・!!おい!なんだよ!もしかしてOFF会をやろう、って事かよ!」
「そうだよ!少なくともふぃーみんは東京にいるだろ。」
「そう、だな!それに東京だったらOFF会をやりたい香具師が
いるかもしれないしな。」
「おい、イタスレで声かけてみろよ。」
「えっ?じゃ、メアドもつけなくちゃいけないだろ。」
「そんなのさっさとホットメールで作れよ。」
なんだか急に忙しくなったぞ。
でも、本当に誰か来るのか?
411 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:29
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その11
イタスレで声をかけてみた。
とりあえず今夜の宴会なので、期待はしていなかったが何人かから行きたいと言う
返事をもらった。
コテハンらしい名前の人は見当たらなかったがとりあえずみんな
コテハンを期待して来るだろう。
しょうがないな。とりあえず俺だけがコテハンだ。今のところ。
こんなんで勘弁してもらえるだろうか。
しかも、昨日作ったコテハン。
俺たち4人に加えて今回はイタスレ愛好家の方が8人も参加する事になった。
いくら広いダチのアパートでもさすがに狭くなるだろ。
でも、しょうがない。今から場所の予約なんか出来ないし、
なんせ、食べ物はここにある。
いきなりの新年OFF。
期待に胸が膨らむが、反面俺一人がコテハン、なんていうのが
とても心もとない。
まあ、なんとかなるだろ。
要は酒があればいいんだろ。
とりあえず、イタリアワインが1ケースある。
コテハンさん、いるといいな。
412 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:30
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その12
夕方、集合場所の国立の駅へ一人向かう。
ダチは料理中だ。
『OFF』と書いた紙を持って待っていると女の子が近づいて来た。
「あのー、皿さんですか?」
「あ、はい!そうです!」
「はじめまして!エビコロです!」
・・・・・・・!!!なんといきなりコテハンさん登場!!
しかもアイドル、エビコロさんだ!!!
俺は感激のあまり、エビコロさんに抱きついてしまった。
予想通り、かわいさいっぱいのエビコロさん!夢のようです!
「私も日本にいるとイタスレなかなかチェックできてないのですが、
今日、たまたま見てびっくりしちゃいました。」
ふぅ〜〜〜〜む。かわいい。
それにしても幸先がいいな。
エビコロさんとマターリ話ていると向こうからカプールさんがやってきた。
「こんにちは。はまちfanです。」
「、と、その夫です。」
なんと!!!「キャー!はまちfanタン!エビコロだよー!!」
「キャー!エビコロタンなのー?!」
なんだなんだ!いきなりのOFFでも開けてみればコテハンさん
大集合じゃないか!!俺はもう、一人大感激していた。
とにかく国立の駅で大盛り上がりの俺たち。
と、そのとき向こうから見た事のある男がこちらへやってきた。
413 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:31
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その13
「あ、あのー・・・・。OFF会の集合場所はここですか?」
どこかで見た事のある香具師だ。
でも、思い出せない。
「ええ。そうです!皿です。はじめまして。
エビコロさんとはまちfanさんもいらっしゃってますよ!」
「えぇ!!!?・・・・・は、はじめまして!あのー、僕、ふぃーみんです。」
キターーーーーーーーー!!!
もう、俺の頭の中ではありとあらゆるキターのAAが渦を巻いていた。
ふ ぃ ー み ん さ ん 、 ご 降 臨 !!!
さすが、ふぃーみんさん、後光がさしているように思えたのは俺だけだろうか。
その後、オタク系の男の人たちが二人ほどいらっしゃった。
彼らはコテハンさんではなかったが既にふぃーみんさんはじめ
コテハンさんに会えた感激に打ちひしがれている。
俺もそうだ。
感動だ。
大感激だ。
やっぱり、やってやれない事はないと実感した。
後二人、俺たちは待つことにした。
414 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:32
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その14
小太りな男がやってきた。
手にはボトルを持っている。
「オッス!OFF会するのにこんなところまで来ちゃったぞ!」
「あ、はじめまして。皿です。」
・・・・・・・なんだか、この口調、この風貌、ある人を想像させるんだが。
「あのー。失礼ですが、もしかして、コテハンさん、ってことはありますか?」
「オレか?・・・・誰もデジカメ持ってねーだろーな。」
俺はすばやくみんなをチェックした。
そして、耳元でこそっと「とりあえず持っていないようですけど、
なんでしたら俺だけに教えてくれませんか?」と聞いてみた。
すると、一言、俺の耳元で「うすどんだ。」と、答えてくれた。
や っ ぱ り な !
わかりやすすぎますよ。うすどんさん。
すると、俺たちのところへエビコロさんがちょこちょことやってきた。
うすどんさんの腕を引っ張るといきなり「禿ッ!!」とかました!
「うすどん、わかりやすいよ!」
秘密も何もないほどうすどんさんはわかりやすかった。
とにかく、うすどんさんまで参加してくれるとは!
・・・・・・と、背後からぬすっと一人の男が現れた。
その男の顔を見た瞬間、「あっ」と、俺は声を上げてしまった。
415 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:32
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その15
「こんにちは。OFF会ですよね。」
そう、落ち着いた雰囲気で挨拶した男は
紛れもなく今朝、アメ横で寒ブリを見ていたあの男だったのだ!
手には今朝仕入れたあの、寒ブリを持っている!!
「出世魚ですし、縁起がいいので持って来ました。」
背が高く、冬だというのに日焼けしているこの男。それは・・・・・。
すると、今度ははまちfanさんがその人に潤んだ瞳でこう、聞いた。
「失礼ですが、もしかして、はまちさんですか?」
「・・・・・・はい。よくわかりましたね。」
キターーーーーーーーーーーーー!!!!
は ま ち さ ん 、 ご 降 臨 !!!
おぉ・・・・・、という感嘆のうめきが沸き起こった。
「出世魚をお持ちになった時点でそんな気がしていました。」
はまちfanさんは既に半泣きになっている。
ご主人も「いつもお世話になっています。」と挨拶している。
お世話には・・・・・なってないだろ。
最後の一人ははまちさん。なんという豪華な参加者!!
なんというOFF会!!!
新年早々縁起がイイ!!
416 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:33
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その16
ダチのアパートに着いた。
ふぃーみんさんが入ると、ダチは「あー!!」といってふぃーみんさんを指差した。
「新宿でコケてた人だ!!」
・・・・・・・・・!!
そうだったんだ!!そうだ!そうだ!
あの時、駅の階段でコケてCazzo!と言った人!
あれはふぃーみんさんだったんだ!
すると、ふぃーみんさんは真っ赤になって
「あ、あのときの・・・・。」
とつぶやいた。ぼーぜんとした表情は隠すことが出来ない。
ふぃーみんさん、壁に耳あり、障子に目ありですよ。(ちょっと違うか。)
ダチの料理はなかなか豪華だった。
はまちさんの見繕った寒ブリは香草焼きにする事にした。
うすどんはうわさのSPRING BANKを持ってきていた!
スゲー。そんなのアナルさんがいないのに持って来ていいんですか?
俺たちはトマトソース味の鍋をつつきながら盛り上がった。
イタリア在住といえ、やはり何日か過ぎればイタ飯が恋しくなるのだろうか。
あれほどあった鍋の具がどんどん減っていく。
酒も進む。
思ってもみなかった正月イタスレOFF。
明日は仕事始め、か・・・・・・・。鬱
417 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:34
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その17
「イタスレ、見ようよ。」
エビコロさんが言った。
そうだ!今頃、たきーのさん、何してるんだろう。
ダチがPCを開くと思いがけずイタスレが上がっていた。
・・・・・・でも、なんだか雲行きがおかしい。
まただ。
またコテハン叩きが始まっている。
「此処未さん、自作自演だ、って叩かれてます。」
「またかよ!」
はまちさんが立ち上がる。
「此処未タン・・・・。」
エビコロさんが心配そうだ。
「まー、いつものこった。」
うすどんさんがなげやりな言葉を吐き捨てる。
たきーのさんがネタを出しても結局はコテハンたたきで終始してしまうイタスレ。
このままではサーバの負担を無駄にかけてしまう。
ただでさえhtml化が遅れているのに・・・・・。
「名無しさん、がんばってる。でも大変。どうなっちゃうの?」
はまちfanさんが憂鬱な表情でそう、言った。
「アナルもいないし、オレもいないからあと残ってるのは此処未だけ、
ってこった。」
うすどんさん、叩かれ慣れてる意見だ。
「でもな、オレ、こいつらの気持ち、わかるような気もするんだな。」
うすどんさん、それは・・・・・。
418 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:34
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その18
「海外には金さえあれば誰でもいけるだろ。でも、言葉もわからない土地で
勝手気ままさはあっても不満を吐き出すところがなかったらかなり辛い。
とりあえず顔も見えない掲示板だったら勝手な言いがかりつけても
誰にも責められない。責められてもなんともないんだな。
でも、言いがかりをつけられた方にはたまったもんじゃねーけどよ。」
「つまり、欲求不満というか、コミュニケーションという分野での
ストレスをここでぶつけている、と?」
はまちfanさんのご主人も口を挟む。
「俺も言葉がわからなくて一時は引きこもり状態になったよ。」
ふぃーみんさんが自分の過去を振り返る。
誰しもそんなときがあるのだろうか。
イタリアに単純にあこがれていつか行ってみたいという夢を持つ俺の前に
現実の海外生活が現れたような気がした。
「皆さん、実際にイタリアで生活されててかなりストレス、ってたまってるんですか?」
「ストレスなんてもんじゃないよ!」
エビコロさんが叫んだ。
「だって、イタリア人、人の話聞かないんだよ!
話を聞こうとすると、そこにつけこむんだよ!もう、エビコロもストレスいっぱい!」
そういえば、エビコロさん、病気にもなってたな。
「どこで暮らしてもコミュニケーションのストレスはあるんですけどね。
海外で暮らすと今までに味わった事のない種類のストレスが来るのは
感じましたね。もう、どうしようもない、ストレス、というか・・・。」
そう、はなすはまちさんを俺は意外に感じていた。
はまちさんもストレスを感じていたのか。こんなに堂々としているのに。
419 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:35
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その19
「・・・・・・・此処未さんが心配ですね。」
はまちさんはそう、言った。
「此処未タン、優しいから。」
エビコロさんは泣きそうな顔をしている。
すでにイタスレの中で此処未さんは自作自演をしている事になっている。
「でも、基本的に何を書いてもいいわけだから、自作自演しても
いいんじゃないんですか?」
ダチが聞いた。
「そうなんだけどな。ただ、それをやると『騙された』って思う香具師もいるだろ。
よく思わない香具師が多数だ、って事だと思うぞ。」
と、俺は思った。
「それに・・・・・・それがコテハンの揚げ足取りの材料になってしまう。」
「叩くネタ、ってこった。バレればな。」
「・・・ということは、バレなければ自作自演でもかまわないんですね。」
「でも、なかなかそれはうまくいかないんじゃないのか?
実際、読んでると口調とか、改行とか、いろいろなところで人物が特定できる。」
「自作自演も文章力がいるんですね。」
「ということで、此処未、はないな。」
「結局、書く、ということはある意味、自慰行為的な所もあるし
本人がよければいいんですけどね。」
はまちさん・・・・・・・・・。
420 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:36
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE その20
なんとなく暗い雰囲気になってしまった新年会OFF。
どうしたらいいんだろう。
どうしようもない。そんなことは誰でもわかりきっていた。
それが厨の癒され方であり、掲示板のありかたではあるんだが・・・。
「あ、たきーのさんだ!」
PCを覗き込んでいたダチが声を上げた。
たきーのさんはそんな荒れ模様のイタスレの中、一人淡々とレスをつけていた。
それは独り言のようであり、しかし、立派な情報レスだった。
「あぁぁ、たきーのさん。本当に救われる!」
ふぃーみんさんが叫ぶ。
誰しもが同じ気持ちをそのとき抱いていただろう。
そうだ。厨も考えてみれば独り言のレスをつけているだけなのかもしれない。
誰にも聞いてもらえない、どこにぶつけていいかわからない
その心の中のもやもやを、ありもしないストーリーや勝手な中傷文という
形をとりながら書きなぐっている。
そう、独り言なのだ。
この間は米粒さんが独り言を書いていたっけ。
誰もいなかったけど、けれど独り言を書いてみたくなる、そんな気持ちだったんだろう。
厨・・・・・オマエ、寂しかったんだな。辛かったんだな。
そう、思うと俺はなんとなくイタリアに行くという夢を打ち砕かれたような気がした。
そんなに辛いものなのか?
421 :
アナル作家 ◆N6ANALLovE :03/01/11 05:36
イタリアOFF会の風景@GIAPPONE 最終回
「まあ、飲め。」
はまちさんがふと、考え込んでいた俺に酒を注いだ。
「はまちさん・・・・。」
「そういえば、イタリアに行きたいんじゃなかったっけ?」
「え、・・・・・えぇ・・・・。」
「イタリアはいいぞー。食いもんがな。それにワインもうまいぞ。
ここにあるワインもなかなかだが、本場で飲むのはまったく違うぞ。」
「・・・・・・・・・・・。」
「なぁ、人が住んでるんだから、そんなにひどいところじゃないぞ。
住むのがちょっと心配だったら、旅行で来たらどうだ?
でもな、住んでみて初めてわかるイタリアのよさ、っていうのもあるんだぞ。」
そう、でしょうね。
俺はそんなはまちさんの言葉を噛みしめていた。
「僕はね。それに・・・その辛さも僕を成長させてくれたと思ってる。」
ふぃーみんさんが言葉を繋ぐ。
「逝ってみろ!」
うすどんさんが〆てくれた。
俺はグラスに注がれた赤ワインをグーーーーーーッと飲み干した。
「うまい!本場はもっとうまいんですね!」
「おう!」
はまちさん、俺、イタリアに行きますよ!
―完―