ワールドミュージックという言葉が広まったフランスのメディアからで、商業上のラベリングでもあった。エスノっていうよりは聞こえがいいっていうのもあるし、インテリが理屈をつけたりもした。
それに平行して第三世界の音楽に興味を持った西欧・米のプロデューサーが、目を付けたりしたし、ミュージシャンもそれに乗った。ユッスーとかは、世界仕様と自国仕様と分けてたしね。
ところが、(日本の)リスナーやレコード店にとっては、民俗音楽も、そういったいわば新種のポップスも、あるいは各コミュニティでだけ盛り上がっている音楽も、傍流にすぎないわけで、外資系や大型店を除いては、棚は同じだった。
ケルト音楽をはじめ、独特の発声で歌われる歌や弦楽器が使われる静かな曲に「ヒーリング」という新しいラベルが付けられもした。
で、熱心な音楽リスナーを除いては、ワールドミュージックという言葉は、拡大解釈されていった...ということはこの板のスレを見ればわかるでしょう。
用語としては、そういう変遷だと思います。
ワールドミュージックという表現をもっとも狭い意味で使うなら、フランス人にとってある程度理解できる、異邦の伝統を意識した音楽で、かつ仏あるいは英米までの市場を意識して作られた
音楽、ということになるのではないでしょうか。サリフ、シェブ・ハレド、マラヴォア、カッサヴあたり。
ファラやサニアデはもっと古い。さらに遡ると、キューバ音楽やブラジル音楽の流行っていうのがロック以前にはあったわけだし。
日本では、それに相当する音楽を、ミュージックマガジンやバッドニュースが探し求めたから、ちょっとニュアンスは変わっているけどね。
ま、俺がいろいろ聞く分にはどーでもいい話だが。
ちなみにミュージックマガジンは、ちょっと前まで民俗音楽とインターナショナル・ポップという分け方をしていたよ。
>>34 事実は大体正しいと思うのですが、それでは元々明確な定義が
あったかのように読めますね。
僕らが日本で聞くのにフランスのあるレーベルから出ているか
どうかなんて殆ど意味ないですし。
>エスノっていうよりは聞こえがいいっていうのもあるし
というより、上からものを見る感じを避けたかったのだろうと
思うんですけど。聞こえがいいといえばいいんですけどね。w
それから、元々あった音楽をフランス人なりイギリス人なりが
発見したからといって「ワールドミュージック」になるわけでも
ないでしょう。
たとえば、ヌスラト、ハレド、マラヴォワなんか別に発見を経て
スタイルが大きく変わったわけでもないし。(海外向けユッスー
程には)
結局「分類としてワールドミュージック」があるというのは幻想
だと思う。けれど、ブルースやジャズ、R&Bなどを元にして
ロックが出来たように、これからも今ワールドミュージックと
呼ばれている音楽を養分としてあたらしい世界的に通用する
ポップのスタイルが出来て行くのだと思う。
ここらへんが本当に注目すべきなのではないかな。ジャンルとして
どう定義するかということより。