○アラバスタ編=「テロ組織が民の不満を煽って国を乗っ取るのを、ルフィが止める」
ルフィは自国にある大量破壊兵器を無管理で放置し続けた無能政権に与したとも取れる。
将来的に見てそれは民にとって幸せなのか?
王様・王女と言えば聞こえはいいが単なる独裁者。
渇水テロを防げなかった、民を守れない世襲政権にどれほどの価値があるのか疑問。
民の不満が爆発する土壌は元々あった。
つまり普通に渇水が起きるなど、民の不満が募ればいずれ崩壊する。
資源が無限でない以上、いつか必ず資源危機は起こる。
その時は今回ルフィの活躍で有耶無耶にして終わらせた問題に再度直面するが
次は無能政権ゆえに対処できず、更に陰謀を唱える者も現れ民は混乱、思想・宗教・部族で分かれて争う。
今度は民vs国ではなく民vs民であり、泥沼化は必至。
クロコダイルが統治した歴史があれば民は恐怖政治・実力主義政治の
有効性と欠点を身を以って知ることができ、衆愚ではなく賢人による民主的な政党政治ができる。
そもそも国の乗っ取りなどせず反乱が起きる直前に国側へ民主選挙を要求し、
実施されれば普通にクロコダイルは政権を取れたと思う。
元々クロコダイルはプルトンを持つ理想国家が目的で、無意味に虐殺するキチガイとは一線を画している。
国を作りたいということは権力が好きだということであり、権力が好きだということは強く大きな国が好きだということ。
周りの国々にはともかく、アラバスタにとっては良い元首になる。
少なくともテロ組織にされるがままで駆け引きの裏も読めない上に、敵と認定すると妙に好戦的な単純馬鹿国王や、
「反乱を止めて見せる」とカッコイイことを言って、いざ反乱現場に辿り着いたら
「みんなやめて〜!!」と叫ぶしかないDQN馬鹿王女よりは良い。
また、存在するだけで抑止力となっていた七武海の一角が崩れたということは
一部の海域で混乱が起き、治安が悪化することになる。
ルフィは間接的に殺人やレイプを増やした。
○空島編=「2者が巡る聖地を力で統率していた嫌われ者を、ルフィが排除する」
エネルの目的は2つ。
・月(フェアリーバース)へ行く船を作りたい
→公共事業で解決できる
・空島を消したい
→空島は中途半端で気に食わない
羽を見るに空島人は部族に関わりなく全員、同一民族であることが分かる。
ところがエネルだけ羽がなく異民族で、故郷の島を自ら破壊している。
(ココは想像。
エネルは選民思想を持つ一方、空島人に対する民族コンプレックスも持っている。
エネルは故郷の神話で「神は月に住む」と知った。
エネルは空島人を見下したい)
何らかの理由で空島を破壊したいエネルだが、「空島人を殺す」とは言ってない。
むしろ「人には人の帰る場所がある」として“解放”を仄めかしていた。
それにいずれにしろ空島自体が持たなくなってきているという描写もあった。
理由すら聞かず一方的にエネルを悪と決め付け、力で解決を図ったルフィ。
何のために空島へ?
現地人にしてもいい迷惑。
○ウォーターセブン編=「政府が大量破壊兵器の設計図を奪いに来たのを、間接的にルフィが止める」
ロビンは拉致されたのではなく自分の意思で付いて行っている。
劇中ではルフィ達に対する思いやりと説明されているが、それだけではない。
バロックワークスの副社長だったことから、更生した元社員に政府から危害が及ぶ可能性もある。
拷問の上に惨殺されるかもしれない。
ルフィはそこを全く考えていない。
あるいは自分の仲間以外はどうで良いと思ってる。
政府がプルトンの設計図を求めていた理由は世界を守るため。
プルトンの設計図は一つだとは限らない。
もしくは古代文明が残っていてプルトンで脅しをかけてくるかもしれない。
すると世界中が植民地になる。
今の政府は傲慢な一面もあるものの一般的に善良な政府であり、彼らの統治の下、平和に暮らしている人が多い。
力を持ちながら圧政は行わず、プルトンを持ったところで政策方針が変わることはない。
有能な管理者であれば非常時に備え、対抗不能な力を持つという選択肢は有効だ。
そうすれば七部海の力を借りずとも治安を維持できる。
ルフィは「ごく一部の人に理不尽を被らせることで大多数の安定を保つ政府」の危機管理を台無しにした。
それと世界に名だたる諜報員部隊を全滅させたら、それだけで政府の威信が落ちて世界中の治安が劇的に悪化する。
○スリラーバーク編=「政府公認で治安維持を担っている巨大海賊船に迷い込み、ルフィが脱出する」
これはもう擁護のしようがない。
その海域の掟を知らず勝手に侵入し、先に仕掛けたのはルフィの方。
無知が罪だと思っていない。
脱出のためとはいえ、明らかな内政干渉。
しかも捕縛されていた者の多くは曰く付きの連中ばかり。
レイプ犯や殺人犯も多々いただろう。
確かに無実の者もいたが、善人1人を救うために悪党を何人も解放させることが許されるのか。
仮に力で脱出するにしても、あそこまで徹底的にやる必要性はない。
自分と仲間が良ければ何をやってもいいという、ルフィの利己主義的な一面が露になった。