イクラ「正直もう限界なんすわ」2

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71彼氏いない歴774年
「ただいま」

あたしはワカメ。26才。なんの取り柄もないOL。
高校大学と、わき目も振らず勉強一筋。
だけど就職できたのは三流企業の窓際OL。
ふと気が付けば、周りの友達は垢抜け、彼氏だ恋愛だと華やいでいた。

―――あたし…何か間違えちゃったかな…

先日ポストにスズコからの結婚式の招待状が届いたのには
さすがに落ち込んでしまった。

今日も何も変わらない1日。
会社の地下の自販機の飲み物に「あったか〜い」飲み物が増えてたことくらい。
いまどき平屋の古臭い家に帰ってきた。
玄関には靴が散らばり、廊下には絵本や玩具が散乱してる。
あたしは何度もこのレゴブロックを踏んで、痛い思いをしている。
父さんは先月レゴを踏んで、転んでから腰の調子が悪いままだ。
忌々しいレゴブロックをゴミ箱に放る。

「オネーサン、てかそれゴミじゃなくね?好海(スカイ)のなんだけど?」

リカちゃんが出てきた。

「…あ、あの、ごめんね。ずーっと落ちてたままだったから…もういらないのかなって…」
「はぁー?じゃあ聞けっての(笑)無断で捨てるとかありえないからマジで」
「ご、ごめん…」


リカちゃんはホットパンツから伸びた細い足でゴミ箱を蹴り
根本が黒くなった金髪の長い髪をかきあげて
いかにもイラついてます的空気を漂わせて去っていった。
タラちゃんとリカちゃんは16の時に子供ができた。
父さんは猛反対したけど、もう堕ろせないところまで子供が育っていたのと
タラちゃんの「オレ真剣にこいつら愛しちゃってっから、マジやりなおすから」という言葉に根負けしたのだ。
なのにタラちゃんはニート状態。
リカちゃんと好海(スカイ)と3人で我が家に寄生してるというわけだ。