突然のの事故などで死んだとき・・・

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624名無し~3.EXE
1が謎めいた事件で死亡してから早20年…… 父は、母は、息子が死
んだ理由を知ろうと今でも活動していた。あれがどんな事件であっ
たとしても、もはや無意味なことだ。しかしそれは、両親にとって
関係のないことであった。ただひたすら、1が死ななければいけな
かった理由が知りたい。その切実な想いは、家族や友人にとって、
1の死のショックから脱出するための、儀式のようなものであった。

そこに希望的なニュースが飛び込んできた。現在のコンピュータの
計算能力を活用すれば、1が残したあの暗号ファイルを解読できる
というのだ。1が死んだ理由が、おそらく書いてあるだろうあのファ
イルを……。両親の顔は希望にあふれ、友人たちはコンピュータを
提供しようと申し出てくれた。

数十日後……。深夜、1の友人から連絡が来た。明らかに弾んだ声
だ。「あのファイルが見れるようになりました! やはり親御さん
がまず見ていただいたほうがいいと思って。すぐ来てください!」。
しかし、すぐさまかけつけた両親が目にしたものは……膨大な死体・
鬼畜画像ファイルであった。

……しかし。しかし、これでよかったのだ。いまや1の死を引きずっ
ている人は一人もいない。父は語る。「あれで憑き物が落ちた」。
「息子にああいう趣味があったとは、知りませんでした。でも、も
ういいんです。もういいんですよ……」。