XPモードに対応していないWin7 Home Premiumで
Windows Virtual PCと手持ちのXPのライセンスを使ってXPモード相当にセットアップする方法
結論だけ書くとWindows Virtual PCの仮想マシンにXP Pro SP3をセットアップして
付属の統合コンポーネントと
>>21のKB961742-v3.exeをインストールし
仮想マシンに対してリモートデスクトップ接続でログオンできるように設定した場合のみXPモードと同等の環境が再現可能
#以下長いし余計な注釈も多いので興味のない人はスルー推奨
まず大前提としてXPモードの機能を全て再現するためにはXP Pro SP3が必要
XP HomeやXP ProでもSP2以前の場合には一部の機能が使えない
特にXP HomeをWindows Virtual PCの仮想マシンで使った場合
ホストとのクリップボードの共有等使い勝手に直結する機能の一部がどうやっても有効にできないので
XP Homeしか持ってない人はWindows Virtual PC以外の仮想PCソフト(VMwareやVirtualBox)を使った方がいいと思う
#ちなみにWindows Virtual PCの仮想マシンはXPより前のWindowsやWindows以外のOSでも機能の一部が使えず使い勝手が悪い
またXPモードの特徴である仮想アプリケーション機能(デスクトップを表示せずにウインドウだけ表示する機能)は
XP ProにSP3を適用しないと有効にできないので
SP2以前の状態でXP Proを使いたい人もWindows Virtual PC以外の仮想PCソフトを検討した方がいいかも
なおXPモードとして使うXP Proは仮想マシンに新規インストールする時点ではSP3適用済みである必要はなく
SP3必須のKB961742-v3.exeをインストールする時点でSP3が適用されていれば問題なし
またライセンスさえ問題なければ製品版・DSP版・アップグレード版のどのインストールメディアを使っても仮想マシンに新規インストール可能
ただし仮想マシンで使うOSはボリュームライセンスのような特殊なライセンスでない限り個別のライセンスが要求されて
XP以降の場合は仮想マシン上でライセンス認証も行なう必要があるのでライセンスの取り扱いはくれぐれも慎重に
(続き)
前置きが長くなったけど以下具体的な手順
1.
>>17からWindows Virtual PCの本体(Windows6.1-KB958559-x**.msu)をダウンロードしてインストール
#インストール後に必ず再起動すること
2. 再起動後スタートメニューの「すべてのプログラム」に「Windows Virtual PC」フォルダが登録されていることを確認
#Windows Virtual PCをインストールしただけでもフォルダ内に「Windows XP Mode」の項目ができるがHome Premiumでは使用不可
3. フォルダ内の「Windows Virtual PC」を開いてメニューから「仮想マシンの作成」を選んでウィザードを実行
4. 仮想マシンの「名前(M):」を適当につけて「次へ(N)」
5. 必要に応じて「RAM(R):」をデフォルトの512MBから変更して「次へ(N)」
6. 仮想ハードディスクファイルの名前や種類を適当に選んで「作成(C)」を実行
#デフォルトの「容量可変の拡張ハードディスクの作成(D)」で特に問題なし
7. 仮想マシンの一覧に新しい仮想マシンが登録されたことを確認して必要に応じて右クリックで「設定(E)」を選んで設定を変更
#XPモードのデフォルトでは「ネットワーク」の「アダプター 1(A):」が「共有ネットワーク(NAT)」
8. インストールに使うXP Proのメディアを仮想マシンに割り当てられたドライブにセットしてから新しい仮想マシンをダブルクリックして起動
9. 仮想マシンに対してXP Proの新規インストールが始まるので通常のPCと同じようにセットアップ
(続き)
10. XP Proのインストールや初期設定が終わったら「ツール」メニューから「統合コンポーネントのインストール」を実行
この時SP2以前の状態だと
「古いバージョンのオペレーティングシステムが実行されています。
Virtual PC統合コンポーネントが正しく動作するには、最新のService Packにアップグレードする必要があります。」
というメッセージが表示されるがそのままインストールしても特に問題なし
11. 統合コンポーネントのインストール時にSP3適用済みの場合のみ「セットアップの完了」画面で
「このコンピューターで仮想アプリケーションを実行するには、更新プログラムのダウンロードが必要です」
と表示されそのまま「完了(F)」を押すとブラウザが起動して
>>21の「RemoteApp を有効にするための Windows XP SP3 用の更新プログラム」にリダイレクトされるので
必要に応じてKB961742-v3.exeをダウンロード
事前にKB961742-v3.exeをダウンロードしていたりして必要なければ画面のチェックを外してから「完了(F)」を押す
#この時点でKB961742-v3.exeをインストールしてもOK
#その場合後述の18.の手順が不要になる
(続き)
12. 統合コンポーネントのインストール後に仮想マシンを再起動するとマウスのシームレス移動や仮想マシンでのUSBサポートが有効になる
13. 「ツール」メニューから「設定」を選んで「統合機能」で「オーディオ(A)」のチェックを外し「ドライブ」にチェックを入れて「OK」を押す
#必ずしもこの通りに設定する必要はないが一応これがXPモードのデフォルト
14. 「統合機能およびキーボード設定に対して加えられた変更は、次回仮想マシンを起動するときに有効になります」のメッセージが出るので
「OK」を押して一度仮想マシンをシャットダウンする
#メッセージの通り設定の変更を反映させるには再起動しただけでは駄目で仮想マシンをシャットダウンしてから起動し直さないといけない
15. 統合機能を有効にするにはユーザーにパスワードが設定されている必要があるので
仮想マシンを再起動した後コントロールパネルの「ユーザーアカウント」で変更するアカウントを選んで「パスワードを作成する」でパスワードを設定
「パスワードのヒント」や「ファイルやフォルダを個人用にしますか?」はXPモードとして使う場合は不要と思うので適当に
#統合機能無効=仮想マシンにローカルログオン
#統合機能有効=仮想マシンにリモートデスクトップ接続でログオン
#という仕様なので統合機能を有効にするためには基本的にパスワードの設定が必要
#XP Homeで統合機能を有効にできないのはリモートデスクトップのサーバになれないため
16. パスワード設定後に「ツール」メニューから「統合機能を有効にする」を選ぶと「資格情報を入力してください」の画面が出るので
パスワードを入力して必要に応じて「資格情報を記憶する」にチェックを入れて「OK」を押す
(続き)
17. ユーザー名とパスワードが正しければリモートデスクトップ接続で仮想マシンにログオンして統合機能が有効になり
ホストとのクリップボードの共有やホスト側ドライブの共有等の機能が使えるようになる
パスワードが間違っていた場合にはログオン画面が表示されるので正しいユーザー名とパスワードを入力してログオンする
#ただし間違ったパスワードを資格情報に記憶してしまうと常にログオン画面が表示されるようになってしまうので
#間違ったパスワードを資格情報に記憶してしまった場合は一度仮想マシンをシャットダウンして
#設定の「ログオン資格情報」で「保存された資格情報を削除する(D)」を実行してから仮想マシンを起動して資格情報を再入力する
18. XPモードと同様の仮想アプリケーション機能を有効にするにはKB961742-v3.exeのインストールが必要なので
11.でKB961742-v3.exeをインストールしていない場合
>>21からKB961742-v3.exeをダウンロードしてインストール
なおSP2以前のXP ProにKB961742-v3.exeをインストールしようとしても
「インストールされているシステムのService Packは、このホットフィックスに必要なものより古いバージョンです。
最低でもService Pack 3がインストールされている必要があります。」
というメッセージが表示されてインストールできないのでSP2以前では仮想アプリケーション機能は使えない
19. KB961742-v3.exeのインストール後に再起動すると仮想アプリケーション機能が有効になり以降ほぼXPモードと同等に使える
ちなみに以上の手順はXPのライセンス認証を済ませていない状態でも最後まで行なうことができるので
実際に環境を作ってみて問題なく動くことを確認してからライセンス認証を行なうことも可能
(続き)
さらにXPモードに近付けたい場合は以下のような感じで
・上の手順では「ようこそ画面」が有効のままなので
デスクトップ起動中にメニューの「Ctrl+Alt+Del」を実行してもタスクマネージャが表示されるだけだけど
XPモードでは「ようこそ画面」が無効になっているので
XPモード起動中に「Ctrl+Alt+Del」を実行すると「Windowsのセキュリティ画面」が表示される
・XPモードはC:\Windows\Web\Wallpaper\が空でデフォルトの壁紙の「草原」等が存在しないため壁紙が「なし」の状態になっている
・XPモードでは「システムのプロパティ」の「詳細設定」→「パフォーマンス」の「視覚効果」が「カスタム」になっていて
以下の6項目のチェックが外れている
- コンボボックスをスライドして開く
- ヒントをフェードまたはスライドで表示する
- マウスポインタの下に影を表示する
- メニューの下に影を表示する
- メニューをフェードまたはスライドで表示する
- メニュー項目をクリック後にフェードアウトする
・XPモードはシステムの使用者が「Windows XP Mode」でコンピュータ名は「VirtualXP-*****」(*****の部分は5桁の数字でセットアップ毎に変わる)
デフォルトのユーザー名が「XPMUser」
またビルトインアカウントのAdministratorが無効になっている
(最後)
最後に蛇足としてPro以上のエディションで正常動作しているXPモードの仮想ハードディスクファイルをコピーしたり
XPモードのインストーラ(WindowsXPMode_ja-jp.exe)から直接仮想ハードディスクファイル(Windows XP Mode base.vhd)を抜き出したりして
Home PremiumのWindows Virtual PCで作った仮想マシン上で動かそうとしてもライセンス再認証を求められて
そのままネット経由で認証を行なっても「承認されていないプロダクトキーです」と判定されてしまうので実用的には使えない
実験としてPro x86/x64とUltimate x86/x64の各OSでセットアップして正常動作しているXPモードの仮想ハードディスクファイルを
相互にコピーして使ってもライセンス再認証を求められることはなかったし
XPモードの仮想ハードディスクファイル以外ならライセンス認証が必要なOSが入った仮想ハードディスクファイルを
Home Premium x86/x64・Pro x86/x64・Ultimate x86/x64の各OS間で相互にコピーして
それぞれのWindows Virtual PCで新しく作った仮想マシンで動かしてもライセンス再認証を求められることは一切なかったので
XPモードの仮想ハードディスクファイルのみHome Premium以下のエディションでは使えないような細工がされている模様
あとWindowsXPMode_ja-jp.exeはHome Premiumでもインストール可能なものの
Home Premiumでスタートメニューの「Windows Virtual PC」→「Windows XP Mode」を開こうとすると
「Windows XP Modeは、このエディションのWindowsでは使用できません。」
というメッセージが表示されてXPモードを起動することはできない
以上参考まで