ところが、なんとVistaは、残すべき重要なデータファイルもろとも、指定に反してごっそり消し去ってし
まったのだ。試しに手元の他のパソコンで同様の処理をしたところ、すべての端末で同様の症状が起
きた。アップデート後のVistaに起因する問題とみて間違いないだろう。Vistaのファイル復元機能で復
旧を試みたものの、うまくいかなかった。
一体どのような事態が起きたのか。パソコンにソフトを導入すると、通常はインストールのログが残る。
ソフトをアンインストールする際はそのログファイルを元に対象データを1つ1つ削除するはずなのだが、
アップデート後のVistaはプログラムがあるフォルダー全体を消去してしまったようなのだ。
パソコンを長年使っていると、データを消失するというのはよく経験するのだが、それはデータの編集
中にパソコンが突然停止するとか、記憶媒体が物理的ないし論理的に壊れるといった原因で起こる。
ファイルをきっちりと管理すべきOSが、編集中でもない、保存されているファイルを指定に反して消し
去るなど、前代未聞である。ましてや、今回使っているVistaは試用版ではない製品版なのだ。
いくらなんでもそこまでひどい動きはしないだろうと信じていた私は、おかげで、本来なら前日(1月31日)
に掲載する予定であった本コラムの原稿そのほかを消失してしまった。そこには、もう少しマイクロソフ
トにもVistaにも好意的な記述があったのだが、Vista自らが消し去ってしまったというわけだ。
ttp://it.nikkei.co.jp/pc/news/index.aspx?n=MMIT0w000001022007