安倍晋三首相は2日の参院予算委員会で、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)による日本人人質事件について、
「テロの脅しに屈してはならない」と強調し、ISが人質事件の理由に挙げた中東難民らに対する食糧、医療などの人道支援を拡充する考えを表明した。
首相は後藤健二さん(47)と湯川遥菜(はるな)さん(42)を殺害したとみられるISを「極悪非道の犯罪人だ」と非難。
「罪を償わせる」とした1日の首相声明について、「どれだけ時間がかかろうとも、国際社会と連携して犯人を追い詰め、法の裁きにかける強い決意だ」と説明した。
ただ、米国主導の有志国連合によるIS空爆に、自衛隊が参加・後方支援する可能性は否定した。
また、現地対策本部を置いたヨルダンを「極めて情報収集能力が高い」と評価し、情報収集などにあたる駐在武官のヨルダン派遣を検討する考えを示した。
2人が拘束されていた1月、首相はIS対策の総額2億ドルの支援を表明。IS側はこれを「有志国連合に参加した」と日本人を標的とした理由に挙げた。
首相は予算委で、「脅しに屈すれば『テロに効果がある』とテロリストが考え、日本人がさらに巻き込まれる可能性が高まる。
テロリストの思いをそんたくするようなことがあってはならない」と正当性を強調した。
2人の居住地を管轄する警視庁と千葉県警が合同捜査を始めている。菅義偉官房長官は2日の記者会見で、国際刑事裁判所への訴追を念頭に置く考えを示しつつ、
ISは「話し合いができる集団ではない」と遺体引き渡しは呼びかけない考えを示した。
岸田文雄外相は2日夜、米国のケリー国務長官と電話で協議。ケリー氏が2人への哀悼の意を示したのに対し、
岸田氏は「米国の協力に感謝する。日本はテロに屈せず、国際社会で責任を果たす」と述べた。
2月2日(月)23時58分配信
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