★番犬呼ばわりの小松法制局長官は外務省で皇帝と呼ばれていた 2014.03.26 16:00
「小松(一郎)さんは一体、どうしちゃったんだ?」
官僚にとって最大の名誉職といわれる内閣法制局長官が、国会議員と廊下で口げんかという
前代未聞の事態を巻き起こしたことで、官邸内に波紋を呼んでいる。
がん闘病から職場復帰し、「命に代えても、憲法解釈変更は私の手で成し遂げたい。
何卒私の任を解かないでほしい」と安倍首相に訴え、首相を「小松さんは戦死の覚悟だ」と
甚く感動させたという美談も今は昔、もはや小松氏は「政権の問題児」となりつつある。
発端は3月4日、共産党議員から「政権の番犬」と揶揄されたことに、
小松氏が「国家公務員にも人権がある」と反論したことだった。
後日、別の共産党議員と国会の廊下で「あなたはそんなに偉いのか」「偉くはないが人権はある」などと口論に。
その後、小松氏は議員のもとを謝罪に訪れたが、「辞任して療養に専念すべきだ」という発言に再び激昂、
「そういうことは言うべきでない」と激しく反論する泥仕合となった。
今や「キレる中年」のように扱われている小松氏。
知己の日本維新の会政調会長、片山虎之助氏は、最近の彼の様子を訝しむ。
「私が国対委員長だったころ、彼は外務省職員としてよく出入りしていたが、
昔と比べていまは異常にハイテンションで、普通とは言えないでしょう?
それで国会で会った時、『あなたは長官になって、気負っているのか?
あるいは病気療養中で、病気や薬服用の関係があるのか?』と聞いたんだ。
けど小松さんは、『いいえ、そんなことはありません』と否定しとったよ」
では、いったい何が原因なのか。外務省関係者が推測する。
「実は外務省条約畑の世界では、小松さんは『皇帝』と呼ばれるほどの権力者だった。
いまTPP(環太平洋経済連携協定)交渉を担っている大江博・内閣審議官は『大王』と呼ばれていたが、
その呼び名の彼ですら『皇帝』には及ばなかった。
日ロ首脳会談に同席した際、プーチン大統領に『バウリンガル』(犬語翻訳機)をプレゼントしたのは有名な話。
相当な権力志向があって今があるはずです。『皇帝』と称された自分が、『番犬』呼ばわりでは、そりゃ怒りますよ」
地位に固執したのは、使命感だけが理由ではなかったのかもしれない。
※週刊ポスト2014年4月4・11日号
http://www.news-postseven.com/archives/20140326_247555.html