東京都知事選が終盤に入った2月3日の午後1時46分。神奈川県の女性が切羽詰まった調子で短文投稿サイト「ツイッター」に
投稿(ツイート)した。
「都民の方も他県の方も友人知人に投票依頼してください!」
1時49分、51分、54分……。フォロワーが次々と転載(リツイート)していく。午後10時前までに、その数37件。発信地も、
推定できただけで三重、愛媛、長野、熊本など1都1府9県に上った。
この日、毎日新聞などは、都知事選の終盤情勢調査の結果を朝刊に掲載した。
「舛添氏優勢/細川、宇都宮氏追う」
それを受けたかのように発信された冒頭ののツイートには、選挙情勢への危機感がにじみ出ていた。
◇情勢調査と正反対
都知事選に関する3日のツイートを分析すると、意外な結果が表れた。有力4候補のうち、応援ツイートの数は多い順に
田母神俊雄氏、宇都宮健児氏。細川護熙氏はぐんと減って3位となり、最後が舛添要一氏だった。
分析は次の手順で行った。
(1)「知事選」と有力4候補の氏名(漢字、ひらがななど)の5キーワードを設定し、検索すると18万6605件がヒット
(2)これを肯定的な言葉と結びつきやすい「○○さん(候補名)に」で絞り込み、6039件を採取
(3)6039件から候補を応援するツイートを手作業で抽出
結果は田母神氏への応援ツイートが2310件、宇都宮氏は1024件、細川氏は388件だった。どれだけメッセージが拡散したかを
示す指標(延べリツイート数)は、それぞれ12万6872、3万3676、2万1873で、田母神氏応援ツイートの拡散が顕著だった。
一方、舛添氏には応援ツイートが1件もなく、リツイートを田母神氏と比べると「12万6872対0」だった。
情勢調査では「優勢」が報じられ、他候補と同じ条件での分析で応援ツイートがゼロだった舛添氏。選挙終盤で示された対照的な
データは、各候補の「支持の濃度」を表しているのかもしれない。
ソース(毎日新聞)
http://senkyo.mainichi.jp/news/20140207mog00m010007000c.html 図表=2月3日に発信された応援メッセージ(リツイート数)
http://senkyo.mainichi.jp/graph/2014/02/07/20140207mog00m010007000c/image/001.jpg