内乱が続く中央アフリカ共和国で、武装勢力に十八歳以下の少年兵が約六千人加わっていることが二十二日、国連の報告で
明らかになった。少年兵の犠牲も増加しており、早急な対策が求められている。二十三日には、中央アフリカの新たな暫定大統領に
選ばれた女性のサンバパンザ氏(59)が就任。内乱沈静化の重責を担う。
中央アフリカの少年の問題に関する国連担当者は「悲劇的な状況だ。かつてない残虐さになっている」と国連安全保障理事会に
訴え、「少年たちは重傷を負い、殺され、断頭刑を受けている」などと悲惨な状況を説明した。ロイター通信などが報じた。
少年兵は対立が深まるイスラム教徒系とキリスト教徒系の双方のグループに存在し、互いに攻撃し合っているとみられる。これまで
にも少年兵はルワンダなどアフリカ各地の紛争で問題になってきた。
フランスの旧植民地の中央アフリカは昨年三月、イスラム教徒が多数を占める武装勢力セレカが首都に侵攻し、当時のボジゼ
大統領が国外に逃げた。セレカのリーダー、ジョトディア氏が暫定大統領の座に就いたが、イスラム教系とキリスト教系の民兵組織
との間で報復が繰り返され、無法地帯化が進んだ。周辺諸国から批判されたジョトディア氏は今月辞任し、国外に逃亡している。
AFP通信によると、サンバパンザ暫定大統領は首都バンギの市長で、中央アフリカ初の女性大統領となる。チャドに生まれ、
パリ留学や保険関連の企業経営などを経て政界に入った。キリスト教徒で厳格な性格で知られる。
昨年十二月には、フランスが治安回復のため軍事介入に踏みきり、アフリカ諸国部隊とともにバンギを中心に展開した。現在仏軍は
千六百人、アフリカ諸国部隊は約五千人に達しており、欧州連合(EU)も部隊派遣を決めている。
フランスの介入以降、首都では一時より紛争が沈静化しつつあるが、依然として地方では戦闘が続いている。住民間の報復感情が
強く、AFP通信によると、国連の人権問題担当者は「ルワンダのような虐殺が起きる条件がそろっている」と警告を発している。
ソース(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014012402000131.html 地図
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