知的障害がある若者11人でつくる音楽グループが、人気を呼んでいる。母校がある大和市への愛着をラップで歌い上げ、
リズミカルなダンスでライブを盛り上げる。かつて「自分に自信を持てなかった」というメンバーらは今、助け合いながら全身で
表現する喜びを味わっている。
「大和の境川、最高のGOODロケーション、YO,Come On!」−。サングラスにニット帽、派手な上着姿でラップ特有の
手ぶりを繰り返し、時には跳びはねる。ある日のライブ風景だ。
メンバーは19〜22歳で、県立瀬谷養護学校高等部大和東分教室の卒業生。企業や福祉作業所、専門学校などに
通いながら、「分教室はっぱ隊」の名で活動している。
始まりは5年前、1年生だったメンバー5人と担任の星野英俊教諭(52)が臨んだ学内発表会。お笑い芸人らのコミカルな
ダンスをまねた出し物を披露することになった。
「自分に自信がなく内向的だった」というメンバーはちゅうちょしたが、「殻を打ち破れ」とげきを飛ばして自ら踊りだす星野教諭
の勢いに押された。恥ずかしくて覆面をかぶって踊ったが、客席の先生や生徒からは「面白い」「すげえ」と歓声が返ってきた。
「喝采を浴びるなんて、初めてのことだったのでしょう」と星野教諭。この時の経験が自信となり、半年後には素顔で舞台に
立てるようになった。新入生や上級生も加わり、卒業後も地域の祭りなどで披露している。星野教諭は異動後も活動を支えている。
口べただったり、体を動かすのが苦手だったりしても、周りのメンバーがカバーする。星野教諭は日ごろ「できないことを気にして
悩むより、得意なことを伸ばしていこう」と呼び掛けており、公共交通機関に詳しく、移動時に頼られているメンバーもいる。一人では
難しいことも、全員集まれば乗り越えられる。リーダーの坂野直樹さん(21)は最近エレキギターの練習を始め、「舞台での演奏に
挑戦したい」と意欲的だ。
ラップに出てくる「境川」は、メンバーにとって青春の舞台だ。毎日2キロのランニングをこなした川沿いのサイクリングロード、
水中を泳ぐニシキゴイ…。星野教諭が歌詞を書き、音楽教諭に頼んで曲を作ってもらった。卒業しても集まれば、学生時代に戻った
気分になるという。雑賀柊平さん(20)は「これからもずっと活動を続けたい」と話している。
ソース(カナロコ)
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1401110019/ 写真=ポーズを決める「分教室はっぱ隊」メンバー
http://news.kanaloco.jp/common/user/news/photo/1/140111/25_232055.jpeg 大和の知的障害者グループ「分教室はっぱ隊」、地元愛をラップで表現/神奈川新聞(カナロコ)
http://www.youtube.com/watch?v=hogfBlr4SGg