【社会】外国人が7割!日本なのに日本人がマイノリティー…日本人と外国人の平和的共存の礎に、驚愕の公立小が横浜にあった

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1諸星カーくんφ ★
ソース(日経ビジネスオンライン、「記者の目」)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131224/257450/

 東京・新宿から電車で約1時間。小田急電鉄江ノ島線の高座渋谷駅東口を出ると、昼間の時間帯だからか、ロータリーにはクルマや
人も少なめ。何とも言えない、のどかさが漂う。

 その日の取材先である市立いちょう小学校と、神奈川県営いちょう団地は、駅から徒歩15分程度。近道とされるルートを歩いていくと、
薄暗い小道に差し掛かかる。

 普通の道路ではまず見かけない、大きめの複数の監視カメラが通行人をにらんでいる。光を遮る木と竹藪、道の傍にある墓地が
混然一体となり、緊張感が漂う独特の雰囲気を醸し出す。見通しが悪く先が見えないため、この細い小道が、どこか別の世界へ
つながっているような錯覚にとらわれる。

 3分ほど歩き小道を抜けると明るくなり、視界がパッと広がった。田んぼの向こうに、給水塔を備えた、団地が見える。

■団地で売られていた謎の食材「サカナ味噌」

 団地の中心部に近づいていくと、次々と見慣れないモノが現れ、アジアの雰囲気に包まれ始める。まず目に飛び込むのは「よこざわ
アジア食品店」という看板だ。

 店の中の壁にはアンコールワットの絵が飾ってあり、日本ではあまり見かけない房の短いバナナや、とぐろを巻いた冷凍うなぎなどが
売られていた。

 陳列棚には、カンボジア語やベトナム語などで商品名が書かれた食材も並ぶ。「東南アジア出身の人がよく買いに来るよ。日本で
あまり売ってない“サカナ味噌”みたいな珍しい商品もあるから、とても遠くからも買いに来るのよ」。店番をしている中年女性に声を
かけると、返って来たのは片言の日本語。「よこざわ」という日本人らしき名称を看板に掲げているが、運営しているのは外国人のようだ。

 よこざわの隣には、合宿による免許取得の生徒募集を宣伝する自動車学校の看板。奇妙なのは、看板の表記に中国語が混じって
いることと、「中国人仲間が大勢入所・卒業」などの文言が入っていること。明らかに中国人を対象に、生徒募集を呼びかけている。

 看板から近い位置にある雑居ビルには、「中国物産」という店名が付いた、中華系食材を主に扱う専門店があった。店内は赤を中心
とした中国らしい派手な配色で彩られ、中国語の新聞やビデオから、中国語で表記された食材まで、中国人向けの商材が所狭しと
置いてある。

■団地の看板はベトナム語など6カ国語表記

 さらに足を進め、住居棟が規則正しく並ぶ団地の中心部に入ると、東南アジア系の外国人親子とすれ違う。そしてまた、アンコール
ワットの写真が付いたアジア食品の店が現れる。

 数々のアジア食品や中華食材の店、中国人をあえて募集する自動車学校の看板、街を闊歩する外国人――。ここが横浜市泉区と
大和市にまたがる、神奈川県営いちょう団地。合計79棟、約3600戸の戸数のうち約2割が外国人とされている、知る人ぞ知る日本の
超国際タウンだ。

 高度に国際化が進んでいることを象徴するものが、この団地にある、バイク進入禁止を呼び掛ける看板。ベトナム語やカンボジア語、
中国語など6カ国語で表記されている。こんな多様な言語の看板がある団地は、日本ではほとんどないだろう。

 そして、いちょう団地内にあるのがいちょう小学校である。外壁にカンボジアや中国を想起させる絵が描かれている。

 いちょう小学校の正門をくぐり職員室に近づくと、「さすが国際タウンにある小学校」と思わせるモノが飾っていあった。

 筆者を出迎えてくれたのは、職員室の前に張り出してある、多言語のあいさつのボード。ベトナム、カンボジア、フィリピン、ブラジルなど、
日本語を含め10カ国語の言語でのあいさつが並ぶ。

写真=多言語のあいさつボード
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131224/257450/ph11.jpg

>>2以降に続く)
2諸星カーくんφ ★:2013/12/25(水) 01:20:18.55 ID:???
>>1の続き)

 現在のいちょう小には10カ国の国籍の児童が通い、全児童の7割超が外国籍か外国をルーツとする(日本に帰化)児童なのだという。
日本の公立小学校にも関わらず、ここでは日本人が全児童の3割弱でマイノリティーというのが衝撃だ。

 1973年に開校した同小学校は、大規模団地の真ん中に位置するだけに、昔は児童数が2000人を超えた時期もあった。だが、年々
児童が減り続け、今は161人(2013年5月末時点)まで減少。全学年が単一学級で、一学年は15〜20人程度なのだそうだ。日本人児童
が減る一方で、外国系児童が増え続け、2009年に外国籍児童の比率が5割を超えた。その後も、外国人児童は増えている。

 「数多くの国籍出身者が通うこの小学校は、未来の日本、将来の日本企業の縮図かもしれません。つい先日も、日本語が話せない
ベトナム人の児童が入学したばかりです」。そう話すのは、いちょう小の国際教室担当、菊池聡教諭だ。

 7割超が外国系であり、児童の国籍や日本語能力もバラバラ。こうした特殊な事情により、公立小とはいえ、いちょう小は独自の
授業形態を構築している。

 重要科目である算数と国語は、日本語レベルに合わせた少人数教育を徹底しているのだ。各学年の担任のほかに、算数と国語には
補助教師が付き、国語については、国際教室担当の教師も加わる。15〜20人程度のクラスは、科目により最大4グループに分けられ、
教室も別にして日本語レベルと理解度に合わせた少人数教育が行われる。

 「クラス当たりの児童数が少ないとはいえ、日本語レベルの差が大きい児童が集うこの学校では、一元的な授業で全員を理解させる
のは到底無理。数年前から、個別学習体制を整えた」(菊池教諭)という。取材した日は、入学して日が浅く日本語がまだ不自由な
ベトナム人児童2人に対し、菊池教諭が熱心に日本語を個別指導していた。

写真=菊池教諭(右)の授業風景
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131224/257450/ph12.jpg

 その隣の教室では、同じく国際教室担当の赤池右紀教諭が、3年生に個別授業をしていた。中国、ブラジル、ベトナムなど、ルーツが
それぞれ異なる4人の児童が、わきあいあいと日本語を学んでいた。

写真=赤池教諭(右から2番目)の授業風景
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131224/257450/ph13.jpg

 いちょう小での、この手厚い教育の効果は、外国人児童たちの学力や日本語力の向上だけにとどまらない。日本の教育を受けた
子供たちを通じて、外国人の親たちが日本の文化やルールを学ぶことにつながっている。このため、いちょう小の存在は、団地内に
おける日本人と外国人居住者の軋轢を減らし、平和的共存の礎となってきた。

 「まず外国人の子供に日本の教育を受けさせると、日本の常識を身に付ける。すると家の中で子供が親に、ゴミの分別や夜間に
騒がないなど、細かい日本のルールを守るように呼びかけるようになる」と、菊池教諭は話す。

 いちょう団地連合自治会の栗原正行会長もこう証言する。「いちょう団地で日本人と外国人とのトラブルが減った大きな要因の
一つは、いちょう小での教育のおかげ。深夜のカラオケや麻雀パイの音、田んぼでのたき火パーティーなど、昔はいろいろ問題が
起こった。我々が直接苦情を言っても聞く耳を持たない人でも、子供が親に『お父さん、ここは日本なんだ。恥ずかしいからやめてよ』
と言ってくれると、大人も日本のルールを守るようになっていった」。

(以下略。全文はソース元でご確認下さい)