東京電力は9日、広野火力発電所の石綿を含んだ配管保温材の取り換え工事で、作業員延べ約330人がマスクなどの石綿対策用の装備
をしていなかったと発表した。石綿が保温材に4・4%の割合で含まれていることが同日確認されたためとしている。現時点で健康被害は確認
されていない。
東電によると、同社の担当部署が保温材には石綿が含まれていないと思い込み、平成23年10月と24年11月、25年3月に配管保温材を
業者に依頼して交換した。担当部署は石綿の有無が記載された管理簿を東日本大震災の津波で紛失したと思っていた。しかし、実際は所内
で保管されていたため、石綿が含まれていることが分かった。東電は作業員の元請け業者や関係者に対し、事情を説明して謝罪した。
東電は、保温材に石綿が含まれていたことを業者に告知しておらず、石綿運搬の免許を持っていなかった業者が工事を請け負ったことが労働
安全衛生法や廃棄物処理法に抵触する可能性があるとして、今年8月23日に富岡労働基準監督署に報告した。同署から同月30日に指導票を
受け、今月6日に同様のケースがないことを確認し報告した。
一方、東電は石綿を含んだ保温材771立方メートルを一般廃棄物として処分したことも明らかにした。県外の処分場で高温焼却し、人体や環境
への影響はないとしている。東電福島広報部は「広く社会の皆さんに心配を掛け、心よりおわび申し上げます」としている。
( 2013/09/10 08:40
ソース:福島民報
http://www.minpo.jp/news/detail/2013091010793