【裁判】 DV被害女性の転居先住所を、福島市職員が元夫に漏洩 8月5日にも市を提訴 閲覧制限を申請していたにもかかわず…福島地裁

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★DV被害女性の住所漏えい 5日にも市を提訴

 夫のドメスティックバイオレンス(DV)で離婚した福島市内の30代女性が
市に住所などの閲覧制限を申請していたにもかかわず、
市の職員が女性の住所などが記された証明書を誤って元夫に送付していたことが分かった。
女性は元夫に住所を知られたとして、5日にも国家賠償法に基づき、
市を相手に慰謝料など約112万円を求める訴えを福島地裁に起こす。
代理人によると、DV被害者が国賠法で行政を提訴するのは県内で初めて。
DV被害者の情報保護が課題となる中、市の情報管理の在り方が問われそうだ。

 女性や女性の代理人によると、女性は夫の度重なる叱責(しっせき)や暴力が原因で、今年に入って離婚した。
元夫に転居先の住所が知られることを恐れた女性は、県の機関からDV被害の認定を受けた後、
福島市に本人の許可なく第三者が住民基本台帳を閲覧することのないよう申し立て、受理された。

 この後、女性は離婚に伴う証明書の名義変更の書類を市に提出した。
市は名義変更はしたが、証明書の送付先を女性の住所に書き換えるのを怠り、
女性の転居先が記載された証明書が元夫の住所に誤って送付された。
女性方に転送されてきたため、誤送付が発覚した。

 市によると、女性からの名義変更の書類は支所経由で市の担当課に届き、担当職員が女性の名義変更などの手続きをした。
データを入力した職員ら3人でチェックしたが、送付先を変更していなかったことに気付かなかった。
女性から閲覧制限の申請があったことも十分に確認していなかったという。

 女性は、DV被害者の安全の確保や秘密の保持に十分に配慮しなければならないとするDV防止法に反するとし、
公務員の不法行為で損害を受けた場合は賠償を求めることができるとした国家賠償法に基づき、市を相手取り慰謝料などを求めて提訴する。
 女性の代理人は「市の対応はDV被害者を守る制度を無意味にしたといっても過言ではない。
(市が)必要最低限の賠償を行うのは当然」としている。

 市の担当者は福島民報社の取材に対し、事実関係を認めている。しかし、女性が求めている賠償については
「今回の誤送付以外にも当事者間との個別賠償に行政として応じることはできない」としている。

福島民報 http://www.minpo.jp/news/detail/2013080510079