コタキナバルで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉会合に23日午後、日本が初めて参加する。鶴岡公二
首席交渉官ら交渉団約100人や、自民党の国会議員4人が22日夜、現地入りの予定。参院選の勝利を追い風に、安倍晋三政権が
強気の交渉姿勢を示せるかが焦点になる。
政府対策本部によると、米国の交渉官が23日正午(日本時間午後1時)過ぎ、米議会の承認手続きが終わったことをTPPの協定を
保管する役割を持つ「寄託国」のニュージーランドに伝達。鶴岡氏が秘密保持契約の書面に署名後、同国の首席交渉官が他の10カ国
の首席交渉官に伝えた後、日本は正式に12番目の参加国になる見込み。
10カ国への連絡は電子メールや対面で行われ、時間がかかる可能性もあり、日本政府関係者は「午後の会合が始まるまでに手続き
が終わってほしい」としている。
日本は鶴岡氏が首席交渉官会合の議論に参加するほか、各交渉官が政府調達市場開放や環境など、5〜6分野の作業部会での
交渉にあたる予定。
焦点の関税撤廃・削減を扱う「市場アクセス」などの部会には間に合わなかったものの、全分野の交渉官が現地入りし、情報収集や
協定の原案文書「テキスト」の分析を行う。
15日から始まった今回の会合は、24日までに作業部会を終了する。最終日の25日は、日本の交渉官が11カ国の首席交渉官に
質問などができる集中討議の日になる予定。「交渉に早く追いついてもらうため、先行参加国も協力する」(マレーシアの首席交渉官)
方向だ。
自民党の西川公也TPP対策委員長らは「(コメなど)重要農産品5分野の関税を守ることが最優先」と強調する。しかし、高水準の
自由化を目指すTPPですべての関税維持は困難な状況だ。参院選では、「TPP反対」を打ち出し、当選した議員もおり、安倍首相が
与党内の慎重派を説得できるかどうかも、日本の交渉戦略のカギを握る。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130722/fnc13072221330010-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130722/fnc13072221330010-n2.htm 写真=マレーシアで開催されているTPP会合への出発を前に、取材に応じる鶴岡公二首席交渉官
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130722/fnc13072221330010-p1.jpg