強制わいせつ事件の起訴状で、東京地検が被害児童の氏名を加害者に知られないよう氏名を伏せたところ、
東京地裁が記載を命じていたことが13日、関係者への取材で分かった。
地検と地裁は対応を協議しているが、起訴状の不備を理由に公訴棄却が言い渡され、裁判が打ち切りとなる可能性もある。
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刑事訴訟法は起訴状に日時、場所、方法を明記したうえで、罪となるべき事実を特定するように求めている。
被害者の氏名に関する規定はないが、通常は記載されている。
関係者によると、問題になったのは、児童が面識のない男に公園のトイレでわいせつな行為を受けたとされる事件。
起訴状の謄本が被告に送達されることから、2次被害を恐れた両親の要望を受け、地検は起訴状で児童の氏名を伏せて、年齢のみを記載した。
これに対して、地裁は起訴内容の特定に支障が出ることなどを理由として、児童の氏名を記載するよう命じた。
被告の男の弁護人は氏名を伏せることに同意しており、地検は被害者が特定可能な別の記載がないか地裁と協議を続けている。
検察当局では、昨年11月に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件で、
警察官が逮捕状に書かれた女性の住所を朗読したことが犯行につながった事態を受け、
一部事件で起訴状での被害者名の匿名化を進めている。
被害者名の代わりにメールアドレスを記載したり、勤務先と姓だけを書いたりするといった配慮を行っているという。
一方、匿名では誰に対する犯罪行為で起訴されたか、被告側に判然としなくなる可能性がある。
刑事事件に詳しい弁護士は
「匿名が一般化すれば、被告の反論する権利が侵害される恐れがあり、ひいては冤罪(えんざい)につながる危険性をはらむ」
と指摘している。
>>2以降へ続きます。
ソース:産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130714/trl13071411170000-n1.htm >>1からの続きです。
□元最高検検事で筑波大名誉教授の土本武司氏の話
「起訴状にどれだけ具体的に犯罪内容が書かれているかが、被害者の匿名化を分けるポイントだ。
裁判所は今回、被告の責任を追及するだけの内容の具体性が、事実を特定するものとして不十分だと判断したとみられる。
人違いを避けるなど、被告側は反論する防御権がある。
被害者の保護も重要な観点だが、刑事訴訟法には真相究明が目的の一つに掲げられている。
一律に匿名化するのではなく、名前を出すことのデメリットも考慮しながら、判断すべきだと考える」
画像
http://p2.ms/pr3sh 2013.7.14 11:16(1/2ページ)
検察、裁判所、被告 起訴状の流れ
配信:産経ニュース