関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の継続運転が3日、正式に決まった。ただ、9月に定期検査に入った後は停止し、
国内で稼働する原発は約1年2カ月ぶりにゼロとなる見通しだ。審査した原子力規制委員会は、今回の審査では大飯原発の
敷地内に活断層があるかどうかの判断を棚上げされており、同原発が定検後に再稼働を認められない可能性は残っている。
大飯原発は、停止すれば影響が大きいことから8日施行の原発の新規制基準を厳格に適用しない、いわば特別扱いを
受けてきた。また規制委は、敷地内を通る破砕帯が活断層かどうかについて、関電側の調査が終わっていないことなどを
理由に評価を示さなかった。
定検後には特別扱いも終わり、規制委は安全性をより厳しく確認するとみられる。関電は調査の結果、「活断層ではない」
とする最終報告書を今月中旬に提出するが、規制委がどう判断するかは未知数だ。
電力各社は、関電が今回の審査で何を評価され、何を求められたかを分析して審査に臨む。関電による大飯での破砕帯の
調査結果と専門家の議論も、他の原発の審査に影響を与えるとみられる。
審査の結果、原発の再稼働が認められなければ、各地域で供給力が大幅にダウンするのは確実だ。また、電力会社は原発
を代替する火力発電所の燃料費増大が経営の重しとなっている。関電の場合、今年4月以降に電気料金を値上げしたが、
再度引き上げも視野に入れている。
東日本大震災後、家庭や企業で節電が定着し、今夏、政府は節電要請で数値目標を掲げずに済んだ。しかし、夏を乗り切った
あと日本経済は電力不足とさらなる電気料金上昇の「二重苦」にさいなまれる可能性がある。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130703/wec13070320030013-n1.htm 写真=関西電力大飯原発(上から)3、4号機
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130703/wec13070320030013-p1.jpg