主要政党にとって、14日告示の東京都議会議員選挙(23日投開票)は、今夏の参院選の行方を占う重要な前哨戦だ。
“首都決戦”に臨む各党の戦略がくっきり浮かび上がるのが、党公認の立候補予定者たちが、告示前に街頭などで使用している
政治活動用のポスター。選挙戦を目前に控えた各陣営が、誰を「党の顔」に選んだのか検証すると――。
今回の都議選で立候補予定者が最も多い自民党。起用する相手を替えた複数パターンのポスターを用意したケースも含めると、
公認した59人のうち約6割が党総裁の安倍首相と一緒にポスターに納まった。
起用理由の多くは「党への『追い風』を最大限に利用したかった」で、高い内閣支持率に期待する声が多かった。
一方、石破幹事長を相手に選んだのは5人にとどまった。昨年秋の総裁選では安倍首相と競り合ったが、
都議選のポスター人気では思わぬ大差を付けられる格好となった。
前回選挙で都議会第1党の座を得た民主党。44人の公認候補から、「一番人気」に選ばれたのは細野幹事長だった。
15人が相手に選んでおり、陣営からは「ルックスがよくて女性票が取り込める」などの声も。
東京が地元の海江田代表を起用したのは3人、菅元首相を選んだのは1人。党代表を避けたことについて、
ある陣営は「都議選なのに、党代表とのツーショットでは都民にピンと来ないから……」と理由を語った。
参院選を強く意識する戦略を取るのは共産党。公認した42人のうち、40人が参院の東京選挙区か比例選の立候補予定者と一緒に納まった。
志位委員長を選んだのはゼロという徹底ぶり。
現職23人を擁立する公明党も、22人が今回の参院選で改選を迎える山口代表を起用した。
一方で、みんなの党は22人の立候補予定者のうち19人が、知名度の高い渡辺代表を選んでいた。
都議選初挑戦となる日本維新の会では、公認した35人のうち、東京で高い知名度を誇る前都知事の石原共同代表を相手に選んだのは15人にとどまり、
9人は猪瀬直樹都知事を起用。大阪市長の橋下共同代表を選んだのは23人で、知名度よりも「若さ」に人気が集まった格好だ。
橋下氏の起用について、陣営からは「都内でも根強い支持がある」などの声が上がったが、「従軍慰安婦」や
「風俗」を巡る発言の影響も。発言後、「ポスターの掲示をとりやめた」と打ち明ける陣営もあった。
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20130613-OYT1T00318.htm