青色回転灯のパトロールカーに民間の警備員が乗り込み、犯罪多発地域を巡回
する「青色回転灯防犯パトロール事業」が今年度も始まった。埼玉県の緊急雇
用創出基金を活用して、昨年度から始まったこの事業。巡回地域では、犯罪の
発生が抑止される効果も現れたという。事業は今月から来年3月末まで。県警
は引き続き民間と協力した「姿を見せる活動」で、重要犯罪の抑止につなげた
い考えだ。(中村昌史)
県警犯罪抑止対策室によると、事業は昨年度、県の緊急雇用創出の一環として
始まった。青色回転灯を装備したパトロール専用車で民間警備員が巡回するの
は県内では初めての取り組みだった。
パトロールカーは、犯罪が多発する警察署管内に配備。夜間の路上・店舗での
強盗事件や、性犯罪などを警戒し、異変を察知したら110番通報するなどの
対応をした。さらに、パトロールを重要犯罪が多発する時間帯にシフトするな
ど、工夫を重ねてきた。
車には基本的に2人1組が乗車。昨年度、路上で男性同士がケンカするトラブ
ルを発見したり、路上に寝込んだ男性を発見して無事に自宅へ送り届けたりと、
さまざまな貢献があった。
今年度は約4億円の予算で、都内の警備会社に事業を委託する。102人の警
備員が48台のパトロールカーに分乗して浦和、大宮、蕨、川口、武南、朝霞
など12署に配属され、午後8時から翌午前5時の時間帯にパトロールする。
配置された署の管内では昨年度、強制わいせつ事件が大きく減少する実績など
もあったといい、街を照らす「青い光」の貢献に期待が集まっている。
6日、上尾市日の出町の「さいたま水上公園」で行われた出発式には警備員と
パトロールカーが一堂に会し、「頑張ろう!」と気勢を上げた。
県警生活安全部の榎本芳司部長は「姿を見せる活動で、抑止力が高まる結果に
つながった。犯罪の未然防止へ貢献してもらえれば」と力を込めていた。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130607/stm13060722280005-n1.htm