中国之声「全球華語広播網」の報道によると、韓国紙「中央日報」はさきごろ、中国人の整形観光客に関する記事を掲載した。
それによると、中国人はソウルの美容整形街の最大の収入源になっており、同地域の美容整形病院の収入の半分を賄っている。
「全球華語広播網」韓国特約記者の南黎明氏は韓国の美容整形市場の実態を紹介している。以下はその要旨。
韓国へ美容整形に訪れる中国人は増加を続けている。2013年のデータはまだわからないが、在韓中国大使館のまとめでは、
観光目的で韓国を訪れた中国人は2012年に2万〜3万人となって、前年から77%急増した。ソウルの有名な美容整形病院は
江南区一帯に分布している。韓国ファッションの最前線とされる江南区は美容整形に熱中する層を集めている。大ヒット曲
「江南スタイル」は、江南区のライフスタイルにあこがれる社会の潮流を揶揄した歌だ。特に、地下鉄3号線の沿線にある狎鴎亭洞、
新沙洞一帯は、美容整形クリニックが集中し、一つの整形街を形成している。美容整形を目的に韓国を訪れる中国人が増える中で、
韓国では中国人を専門とする美容整形クリニックの斡旋業者が現れている。
ある斡旋業者によると、明洞と江南の一帯は、サングラスをかけ、顔に包帯を巻いたまま街を歩く人の約90%が中国人だ。
顔が変わり、帰国時の通関審査で引っかかるのも冗談話ではない。過去にはこのような状況があった。ある整形団体ツアー客は
美容整形手術を受けて韓国を出国する際、パスポートの写真と顔が一致せず、税関審査で引っかかった。その後韓国は、
「整形手術を受けた外国人が韓国を離れる際は、整形前と後の写真と手術を受けた病院の証明書を提示する義務がある」という
ルールを打ち出した。40〜50人規模の中国からの整形ツアーが増えていることが背景だ。韓国と中国を往復する航空機内では、
包帯をしたままの整形族をよく目にする。
韓国政府は韓国医療観光産業への中国人の貢献を目の当たりし、この分野でのサービスを向上させている。しかし、現在、
この向上は通訳や外食、観光、宿泊などにとどまり、整形患者にとって関心の高い医療事故問題については無策のままだ。
医療事故が起これば、病院と患者は互いに責任を押し付け合うのが一般的だ。だが訴訟を起こさなければ公正な決着は
あり得ない。
違法斡旋業者の存在もリスクをもたらしている。このため、まずインターネットを通じて病院と連絡を取り、料金などを
問い合わせた後、斡旋業者を利用することが安全だ。整形は韓国でもバッシングの対象となっている。芸能人の整形は
公然たる秘密であるとは言え、誰もがそれを認めたがらない。ただ、整形者が増えることは人々がいかに美を追求するかを
示している。韓国の美容整形クリニックは今、次々と訪れる中国人患者をどう扱うかが最大の課題となっている。
ソース(新華社)
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/338742/ 写真
http://www.xinhua.jp/resource/2013/03/1193.jpg