【技術】柱に巻くだけで巨大地震から日本を守る「包帯補強」 短工期、低価格、省エネを実現する耐震補強
1 :
pureφ ★:
2 :
pureφ ★:2013/03/22(金) 22:29:41.33 ID:???
鉄筋コンクリートは地震の揺れによって変形する。しかし、鉄板や炭素繊維などの補強材は硬いため、鉄筋コンクリートの
変形を無理矢理抑制してしまう。そのことが逆に、鉄筋コンクリートのひび割れを助長する可能性があると五十嵐氏は指摘
する。また、引っ張り強度が比較的低いため、大きな揺れによって補強材自身が壊れてしまったり、柱の表面から剥がれ
落ちてしまったりする危険性があるという。
「その他、建物全体の耐震補強としては一般的に、柱や梁が四辺形に組まれた部分に対角線上に鉄骨ブレースを入れる
という工法が採用されている。しかし、これにも問題がある。鉄骨ブレースを入れていない部分にしわ寄せがいくため、周囲が
破裂して、かえって変形が大きくなってしまうのだ。それは東日本大震災などいくつもの被災現場で確認されている」と五十嵐
氏は説明する。
それに対して、包帯補強のベルトには、しなやかに柱の変形に追従しながらも、その変形を元に戻そうとする力が働く。
しかもその力は変形が1%を超えると、鉄筋コンクリート自身よりも強くなる。
加えて、鉄板の場合、溶接など特殊な技術が必要で、工事に手間がかかる上、重量も大きさもあるので運搬が大変だ。
一方、包帯補強であればそういった心配が不要だ。実際、五十嵐氏は製造を委託している国内のベルトメーカーの工場
から直接、補強工事の現場に、ベルトを宅配便で送ってもらっている。
以上のような理由から、包帯補強は従来の約10分の1の工期、従来の5割から8割程度のコストを実現している。
また、他の耐震補強工事とは異なり、工事期間中でも建物を利用できるというメリットもある。商業施設であれば営業を
続けながら、オフィスビルであれば業務を続けながら耐震補強ができるのだ。鉄骨ブレースのように新たな構造物を設ける
わけではないので、建物の空間が狭くなったり、今まで通れていた場所が通れなくなるといったこともない。
■鉄筋コンクリートの安全神話が崩壊
そもそも五十嵐氏が包帯補強を開発するきっかけとなったのが、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災だった。
当時、大手建設会社の設計部・耐震課に在籍していた五十嵐氏は被害状況を調査するため、震災発生の翌日に
神戸に入った。そして目の前の光景に自分が長年信じて疑わなかったものが音を立てて崩れていくのを感じた。
「カルチャーショックだった。高速道路の高架橋脚やビルが倒壊し、崩れた鉄筋コンクリートの柱からグニャリと折れ曲がった
無数の鉄骨がむき出しになり、無残な姿をさらしていたからだ。これまで強靭で、ちょっとやそっとの地震ではビクともしないと
信じて疑わなかった鉄筋コンクリートの安全神話が崩壊した瞬間だった」と五十嵐氏は振り返る。
阪神・淡路大震災は五十嵐氏にとって人生の大きな転機となった。
1000枚以上にも及ぶ写真を撮り、東京に戻った五十嵐氏は、鉄筋コンクリートの建物が倒壊した原因を解明すべく
分析を進めた。ところが3カ月後、会社は調査・分析の打ち切りを下した。
「建設会社というのは、言ってみれば建物を建てたり壊したりするのが仕事だ。そもそもなぜ壊れるのかといったことには
あまり興味がないということが、その時よくわかった。しかし私は、今後同じような悲劇を繰り返さないためには、耐震研究を
続けるべきだと強く感じた」と五十嵐氏。
実際、既存の鉄筋コンクリート製の建物や道路、橋、トンネルなどの多くは、旧耐震基準に基づき高度経済成長期に
建設されたもので、関東大震災などの巨大地震を経験していないし、想定もしていない。
建物の耐震性能について、ゼロから見直す必要があると考えた五十嵐氏は1997年6月、大手建設会社を退職した。
そして、トルコのイスタンブール工科大学の客員教授となり、現地で日本の耐震技術を教えながら、耐震研究を続けた。
そして2年後の1999年4月に帰国。同年7月30日に建物の防災コンサルティング会社として、構造品質保証研究所を
設立し、耐震研究に本腰を入れ始めた。
ところが、その矢先、さらに大きな転機となる出来事が起こった。会社設立の数週間後の8月17日、トルコ北西部で
巨大地震が発生。建物が倒壊し、1万7000人以上が死亡、約60万人が家を失ったのだ。
>>3あたりに続く
3 :
pureφ ★:2013/03/22(金) 22:30:19.64 ID:???
五十嵐氏はすぐに現地に向かった。そして、国家機関の職員として、学生とともに「被災建築物応急危険度判定」を
行っていった。これは、大地震によって被災した建物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性などを
判定することで、人命にかかわる二次的災害を防止しようというものだ。
判定結果は3つに分類し、建物の見やすい場所に、緑色の「調査済み」、黄色の「要注意」、赤色の「危険」の各紙を
貼る。緑色の紙が貼られた建物は使用可能で、数年以内に補強工事を行えばよいという判定を受けたものだ。
しかし、その前提には、余震は本震を上回らないという定説があった。そのため、被災建築物応急危険度判定では、
本震の8割程度の規模の地震を基準に危険度を判定している。
ところが、1999年11月12日に同じトルコ北西部で、本震に匹敵する規模の余震が発生した。その結果、8月の被災
建築物応急危険度判定で緑色の紙を貼っていた建物の一部が倒壊してしまったのだ。その中には、五十嵐氏の学生が
判定したものも含まれていた。
■目の前に現われた包帯を巻いた柱
「いくら学術に基づいた計算結果であっても、自然の猛威の前には無力だ。地震から大切な命や資産を確実に守る
ためには、自分は一体何をすべきか」
強いショックを受けた五十嵐氏はそのことで頭がいっぱいになり、トルコのホテルで眠れない日々を過ごした。そして1週間が
たったある朝、五十嵐氏は突然、巨大地震に襲われた。轟音と粉塵の中、ベッドの上に立ち、両足を踏ん張り、部屋の
天井を両手で必死になって支え続けた。そして、揺れが治まりほっと一安心した五十嵐氏の目の前には、白い包帯が
巻かれた鉄筋コンクリートの柱が立っていた。そこで、五十嵐氏は目を覚ました。夢を見たのだ。
「そのとき、肩の荷がふっと軽くなるのを感じた。そうだ、包帯を巻けばいいんだ!と悟った」と五十嵐氏は振り返る。
そもそも鉄筋コンクリートが、これほどまでに世界中に広く普及しているのは、引っ張り強度の低いコンクリートと外気に
触れると腐食する鉄を組み合わせることによって、互いの材料的な弱点を補い合うという非常に優れた構造を持っている
からだ。
しかし、地震によって強い力で何度も揺らされると、鉄筋の入っていない“皮”もしくは“かぶり”と呼ばれる表層のコンク
リートがひび割れし、破壊され、剥がれ落ちてしまう。その結果、中の鉄筋がむき出しになると同時に、建物の重さに耐え
切れず折れ曲がり、柱もろとも崩壊してしまうのだ。それは、皮の部分をいくら厚くしても、鉄筋をいくら入れても避けられない。
それに対し、皮が剥がれ落ちないように、包帯のようなもので鉄筋コンクリートの表面を巻いて補強してやれば良いのでは
ないか。これならば、短期間で簡単に、しかも安価で補強ができるので、“応急処置”としては十分な役割を果たしてくれる
のではないか、というのが五十嵐氏の発想だった。
■震度7の地震が何回きてもびくともしない
帰国後、五十嵐氏はこのアイデアを実現すべく、接着剤の強度と粘度および包帯の強度と引っ張り強度を算出し、
メーカーに発注した。接着剤は半年、包帯となるポリエステル繊維製のベルトはたったの3カ月で完成した。
五十嵐氏はでき上がった包帯補強の耐震性能を確かめるべく、2000〜2002年の3年間にわたり、科学技術庁防災
科学研究所、東京大学地震研究所、横浜国立大学と共同で、大型震動台実験を繰り返した。模型実験は約50体
にも及んだ。
その結果、包帯補強を施した鉄筋コンクリートの柱は、震度7の揺れを数回与えても、上からコンクリート強度の2倍の
圧力を加えても崩壊しないことを確かめた。柱だけでなく壁の補強にも有用であることがわかった。そして、耐震補強工法
として日本建築防災協会の技術評価、土木研究センターの建設技術審査証明を取得した。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130314/245024/movie.jpg CAP:実験の様子
こちらから動画をご覧いただけます。(WMV形式)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20130314/245024/245024.asx その後、五十嵐氏は徐々に実績を伸ばしていき、現在では800件以上の導入実績を誇るに至っている。また、2013年
2月26日には、包帯補強を導入した柱の数が1万本を突破した。
>>4あたりに続く
どこのジャパネットだよこれ
5 :
pureφ ★:2013/03/22(金) 22:30:28.92 ID:???
我々に身近な導入事例としては、東京駅から新大阪駅までの東海道新幹線の駅部周辺の高架橋脚がある。この約
1200本に包帯補強が導入されている。また、包帯補強は鉄筋コンクリートだけでなく、木造建築にも適用可能なことから、
京都にある東本願寺の樹齢2000年近いケヤキの梁の補強にも採用されている。
■平和で安全、快適な21世紀を後世に残したい
さらに五十嵐氏はこう語る。「当初包帯補強は“応急手当”を目的に開発したものだった。ところが、東日本大震災で、
“根本治療”であるということがわかった」
理由は、単に鉄筋コンクリートを崩壊から守るだけでなく、揺れそのものを低減することがわかったからだ。鉄筋コンクリートは
揺れによってひび割れし、破壊が進むことでさらに揺れが激しさを増す。このような悪循環に陥ることで、倒壊してしまう。
ところが、ベルトを巻くことで、揺れの吸収と、ひび割れの阻止による好循環が生まれる。その結果、震度7の揺れが何度
来てもビクともしないのである。
「鉄筋コンクリートは何度も揺すれば必ず崩壊する未完成な構造物という言い方ができる。私はそれを、この包帯補強を
施すことで初めて、最強の構造物として完成させることができると考えている。それ故、今後は、今よりも柱が細くても、梁が
小さくても、壁が薄くても安全で快適な空間を作ることができるようになるだろう」と五十嵐氏は豪語する。
また、包帯補強は耐震だけでなく、耐久性能の向上にも有用だという。笹子トンネルの天井の崩落事故に象徴されるように、
現在、高度経済成長期に建設されたトンネルや橋、建物が老朽化し、補修や建て替えの時期を迎えている。いつまた巨大
地震に見舞われるかわからない中、対応が急がれる一方で、莫大なコストと工期がかかるため、思うように進んでいないのが
現状だ。「ここに包帯補強を導入することで、国の強靭化を一気に推し進めることができる」と五十嵐氏。
さらに、包帯補強は、建物の省エネにも貢献することが明らかになっている。コンクリートは熱をよく蓄える性質を持つ。日中
日射によってコンクリートに蓄えられた熱が夜間放出されるため、都心ではヒートアイランド現象の一因にもなっているくらいだ。
それゆえ、空調機で室内を暖める際にはコンクリートに多くの熱エネルギーが奪われてしまっている。
それに対し、断熱効果のあるベルトで鉄筋コンクリートの柱や壁を覆ったことで、空調の電力量を2〜3割削減したオフィス
ビルもあったという。「包帯補強がさらに普及すれば、原発の要らない町づくりも十分可能だ」と語る五十嵐氏。最近は自ら
建設会社も設立した。
五十嵐氏は最後に決意をこう語った。
「経済、安全保障、環境・エネルギーなど現在、人類は数多くの問題に直面している。すべて20世紀までの方法論やパラ
ダイムによって発生した問題だ。そして、21世紀、我々はこれらの問題が、これまでの延長線上では解決できないことに気付き
始めている。今後、世界の人口が急増し、エネルギー需要が爆発的に増加することを考えたとき、従来の技術のままでは
争いが起こるだけだ。そのため、私は20世紀までの発想はすべていったん忘れて、根本からを問題と向き合い、解決策を見い
だしたいと考えている。それにより、従来とはケタ違いのコストやエネルギー消費量で、同等の安全性や快適性を実現できると
信じている。それこそが21世紀の技術であり、人類を救う技術だ。平和で安全、快適な21世紀を後世に残すべく、今後も
尽力していきたい」
6 :
名前をあたえないでください:2013/03/22(金) 22:33:21.22 ID:alRK36xK
四面オープンな柱は稀
以上
7 :
名前をあたえないでください:2013/03/22(金) 22:37:10.63 ID:x924YlJQ
下劣で卑しい糞みたいな広告だな
強力接着剤で、ファイバーを巻くとか昔からあるじゃねぇかい
8 :
名前をあたえないでください:2013/03/22(金) 22:40:01.34 ID:+VLPt3tK
アミラド繊維帯固定して補強する工法もあったな
9 :
名前をあたえないでください:2013/03/22(金) 22:48:01.98 ID:+KJIHdPK
この材料だと思うが以前ほこたてでやってたな
確か普通の塀ブロック壁にこの包帯で両面サンドイッチにして、
そこに浅間山荘の時みたいな鉄球をブチ当てるってやつ
あの補強だけで衝撃に耐えるのは凄いと思った
とりあえず、株買ってから宣伝するのやめろよなwwwえげつないwww
耐火性能が気になる
火事の時に使う消火栓から放水するホースに似てるね
14 :
名前をあたえないでください:2013/03/23(土) 12:29:06.66 ID:ojsU4ehR
そういえば、以前、テレビで米国のレンガ造りのビルの番組があった。
地震があるとレンガ造りはいとも簡単に崩壊してしまう。
それに対応するため透明な樹脂製のシートを接着剤で壁に貼り付けるというものだった。
透明なのでレンガの風合いは保たれたまま、地震による壁の崩壊を防げるのだそうだ。
今回は更に木造建築にも応用できるということでより、日本の状況に合致している。
俺も家建てるときにこの手を使うことにするよ。
それではこの工法を採用した時の見積もりをご覧に戴こう(5割増し)