富士見町は、有害鳥獣対策の電気柵が正常に作動しているかどうか現地に出向かずに確認できる
「監視通報システム」を北海道の企業と共同で開発し、来年度から町内で本格運用する。
小林一彦町長が12日の町議会3月定例会一般質問で、小池勇氏の質問に答えて明らかにした。
町産業課によると、全国で同様のシステムを利用している例は聞いたことがないという。
小林町長がアイデアを出し、鳥獣防除機器の設計販売などを手掛ける「ファームエイジ」(北海道当別町)
が開発した。電気柵に設置したセンサーが、流れる電圧を常時監視して信号をサーバーに送る仕組み。
パソコンなどでサーバーにアクセスすると、離れた場所にいても、柵が正常に作動しているか、破損などで
電圧が低下しているか―の状態が分かる。
町によると、町内に設置されている電気柵は総延長約43キロ。
シカやイノシシがぶつかったり、倒木があったりして破損すると、その箇所や電圧が下がった周辺部が
動物の侵入口になる。
町は電気柵の管理を基本的に地域に任せているが、柵は集落から離れた山中にあって積雪期などは
現地に行くのが困難で、作動状況の確認が課題だった。
昨年6月から町内で実証実験を重ね、実用化できると判断して本格使用に踏み切る。
来年度は10カ所にセンサーを設置し、電気柵の合わせて延長約10キロ分をカバーできるようにする。
サーバーへのアクセスは誰でも普通のパソコンや携帯電話ででき、町は「管理をしている住民の
負担軽減に役立つはず」としている。
長野日報 (Nagano Nippo Web) 2013-3-13 6:00
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=27927