図書館の仕事を広く知ってもらおうと、仙台市の東北学院大の図書館スタッフが考案した
「図書館体操第一」が話題を集めている。体をほぐしながら図書館の業務が分かるユニークな内容で、
地震発生時、速やかに利用者の安全確保に動ける動作も盛り込まれている。
考案したのは、東北学院大中央図書館スタッフの庄子隆弘さん(39)。
昨年5月、東北の図書館員らの親睦団体「みちのく図書館員連合」(MULU)の茶話会の余興で
披露したところ、好評だったことから一連の体操にまとめた。
「図書館体操」は4分程度の伴奏に合わせて体を動かす。
朝の書架整理をイメージした腕を伸ばす運動に始まり、本を運ぶワゴンを押す動作や
パソコン仕事で疲れた肩の凝りをほぐす運動など12の動きで構成される。
東日本大震災の教訓として、地震が起きた際、「書架から離れてください!」と大声を出す動作も加えた。
庄子さんは「普段、静かな場所で働く図書館員は有事にすぐに動けず、震災の時は声も出せなかった。
防災意識を持つきっかけにしたかった」と話す。
体操は昨年11月、横浜市で開かれた図書館総合展でも披露された。
庄子さんをはじめ東北6県のMULUメンバーが伴奏に合わせて体を動かす様子がインターネットの
動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開されると、閲覧回数は2万を超えた。
「震災支援に対する感謝の気持ちや、東北の図書館員は元気だと発信したかった」と庄子さん。
体操を朝礼などで取り入れている図書館はまだないが、利用者向けの「第二」も構想中という。
*横浜市で開かれた図書館総合展で図書館体操を披露する、庄子さん(中央)らみちのく図書館員連合のメンバー
http://www.kahoku.co.jp/img/news/2013/20130312014jd.jpg 河北新報 2013年03月12日火曜日
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130312t15036.htm