県の公文書を紹介する展示「近代との対話−滋賀県の歴史的文書」が五月九日まで
県庁新館三階県政資料室で開かれている。
ロシア皇太子ニコライを沿道警戒の巡査津田三蔵が切りつけた一八九一(明治二十四)年の
大津事件の経緯をまとめた文書などがある。入場無料。
大津県から滋賀県に改称された一八七二(明治五)年から一九四五(昭和二十)年までの
公文書計十七点を展示。県が保有する九千冊以上の文書から厳選した。
大津事件に関する文書には、ニコライや、一緒にいたギリシャ王子ジョージら一行の
事件直前の様子を記録。ジョージが県庁の物産展で草津村(現草津市)の工芸品として
売られていた竹根鞭(むち)(竹の根で作ったむち)を購入したことや、ニコライをサーベルで
切り付けた津田の背後からジョージがむちで打った様子が記されている。
ほかに、一八七六(明治九)年の府県統廃合で敦賀県が廃止され、
若狭国(三方郡、遠敷郡、大飯郡)と越前国敦賀郡が滋賀県に移管されたことを記す文書、
一八八一(明治十四)年に若狭四郡が福井県に移管が決まった際に、今の知事に当たる
滋賀県令の籠手田安定(こてだやすさだ)の中央政府に分離反対を主張した意見書などがある。
情報室の担当者は「当時のことがよく分かるのは公文書が残っているから。
このことの大切さ感じてもらえれば」と話す。三月十八日に展示替えがある。
(梅田歳晴)
中日WEB 2013年3月12日
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20130312/CK2013031202000036.html