さまざまな悩みを抱える親子の支援窓口になっている「県子どもと親の相談サポートセンター」
(千葉市稲毛区)で、不登校経験者とその親による相談事業が、三月末に打ち切られることになり、
利用者らが、継続を県に要望した。「当事者だからこそ寄り添い、支えられる面がある」と訴え、
県内外から寄せられた三千二百六十一人分の署名を添えた。
この事業は、二〇〇二年度に始まり、現在は不登校経験者三人と、親一人が嘱託職員として採用され、
通ってくる子どもと保護者の相談相手になったり、世話に当たったりしている。
利用者は、年間延べ約四百五十人に上るが、県は昨年末、財政事情を理由に嘱託職員四人に、
一二年度いっぱいで採用をやめると通告した。
利用者と職員らで結成した「継続を求める会」(石井妙子代表)は
「最も身近な理解者として問題解決に取り組み、成果を挙げてきた。痛みとつらさが分かる存在は不可欠」
と要望理由を挙げた。
記者会見で、会のメンバーは「不登校の経験者がいることで、子どもも自分も安心できた」などと訴えた。
県教育庁指導課は「高校の長期欠席など、問題が幅広くなる中での対応だったが、もっともな指摘もあり、
一三年度当初は継続できないが、要望を検討したい」としている。(堀場達)
東京新聞 2013年3月3日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20130303/CK2013030302000120.html