ブラジル代表を率いるのは大リーグ・レッズの名遊撃手として一時代を築き、
昨年野球殿堂入りを果たしたバリー・ラーキン監督(48)。
同監督が野球後進国の指揮にいっそう熱がこもる理由として囁かれているのが、愛娘がブラジルで
歌手デビューしたこと、そして、息子が親の願いに反してバスケットボールを選んだことだという。
「ブラジルはサッカー王国。野球人口はまだ2万人だが、このWBCをきっかけに
関心をもってくれる人が増えてほしい」とラーキン監督。
2004年に現役引退後、スポーツ専門局「ESPN」の解説を務めるかたわら、南米の選手を指導してきた。
その指導力に感心したブラジルの野球協会に懇願され、監督に就任したという経緯がある。
同時に音楽とスポーツが大好きな16歳の愛娘、シンバーがブラジルで「シムコール」という名前で
歌手デビューして人気を博したこともブラジルに親近感を抱いたきっかけだという。
そしてもうひとつ。スポーツ万能な息子のシェーン(20)には子供の頃から野球を教えてきたが、親の心子知らず。
「野球は他のスポーツに比べすべてがスロー。父の試合を見に行ったときも父の打席以外はポケモンで遊んでいたんだ」
とシェーン。偉大な父が愛したスポーツに乗り気ではなかった上、7歳のときに入った少年野球チームの監督に
「打ち方がよくない。それにお前は気まぐれすぎる」といわれ、野球をやめてしまった。
ラーキン氏にとって当時のことは「死の一撃だった」という。シェーンは今年、バスケットボールでマイアミ大学に進んでいる。
チーム・ブラジルを指揮することは息子では叶えられなかった夢をブラジルの若者たちにぶつける日々でもある。
WBCが終われば、ESPNの解説に復帰。メジャーの監督を目指す可能性もあるそうだ。
夕刊フジ 3月2日(土)16時56分
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