【論説】佐々淳行氏…「安倍氏は劉備、石原氏は関羽、橋下氏は張飛。老・壮・青の三傑で『桃園の義盟』を結べ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
1結構きれいなもろきみφ ★
ソース(MSN産経ニュース「正論」、初代内閣安全保障室長・佐々淳行氏)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121219/plc12121903200003-n1.htm
写真=佐々淳行氏
http://sankei.jp.msn.com/images/news/121219/plc12121903200003-p1.jpg

■石原、安倍、橋下…三傑で「桃園の義盟」結べ

 3年余に及ぶ民主党政権の大失政に、期待を裏切られた国民の怒りの鉄槌ともいうべき審判が下った。無能、未熟、無責任な
民主党に政権担当能力がなかったのだ。政権交代時308議席を誇ったのが僅か57議席への転落、鳩山由紀夫・菅直人・
野田佳彦の3首相は引退、選挙区落選、代表辞任という哀れな末路、現職閣僚8人、仙谷由人氏ら前元閣僚多数の落選など、
前代未聞の惨敗である。

 ≪民主は健全な中道政党になれ≫

 筆者はこの3年間に、「彼らが日本を滅ぼす」など5冊の倒閣運動としての本を刊行したが、その中で「政界を去れ」と名指しし
名誉毀損訴訟覚悟で批判した、「彼ら」の9割近くが落選した。

 危機管理のジンクスに、「弱い内閣の時に限って天災地変や国家的危機が起こる」というのがあるが、3年余の民主党政権は
まさにそれを証明した。東日本大震災、福島第1原発事故、北方領土、竹島、尖閣諸島などの領土危機が起き、選挙運動期間中
にも、中国公船による確信犯的な尖閣領海侵犯の常態化、中国機による初の領空(尖閣上空)侵犯に前後して、射程1万キロと
米本土にも届く北朝鮮のテポドン・ミサイルが発射され、日本の上空をかすめ飛んだ。

 マスコミは、今回の衆院選は消費税増税、脱原発、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の3つが争点だと論じ続けたが、
その分析は間違っていたと筆者は思う。周辺情勢の緊迫を前に、「これで日本は大丈夫か」と不安を覚えた有権者が国防、
海防力の増強や憲法改正を真正面から唱え、「凛として強く美しい日本を取り戻せ」と叫んだ安倍晋三氏ら強い3人を選び、
第三極たらんとした嘉田由紀子、小沢一郎両氏らが急造した政党に「ノー」と言ったのだ。

 もともと、3年前の民主党大勝は、長期化して腐った自民党政治に倦(う)んだ有権者が、政権交代を呼号する民主党に
「一度やらせてみるか」という気分に大きく傾いたからであり、自民党の「オウンゴール」だった。ところが、誕生した鳩山政権は、
かつての左翼活動分子、日教組、旧社会党の残党、反国家的市民運動家の権力簒奪(さんだつ)による左翼政権だったのである。

 凋落(ちょうらく)した民主党の再建への道は一つ。政権交代可能な二大政党の一翼として、国家社会の安全保障政策、
外交政策を確立し、左翼と決別し、国益と国民の安全を憂う健全な中道政党になることだ。

 自民党は圧勝した。だが、奢(おご)るなかれ。国民はまだ、自民党を許してはいない。この勝因もまた、民主党の「オウンゴール」
の反射的利益であることを銘記してもらいたい。

 ≪「大勝」に奢ることなかれ≫

 ナポレオンがワーテルローの戦いに敗れた後、ブルボン王朝が復活し、ルイ18世が即位、亡命貴族たちが戻ってきたとき、
彼らの狂喜乱舞を冷たく批判したタレイランの言葉に「何事モ学バズ、何事モ忘レズ」という名文句がある。

 シャルル・モーリス・ド・タレイラン・ペリゴル(1754〜1838)。フランス革命、帝政ナポレオン、王政復古、七月革命と激動の
時代を「情報の鬼」ジョゼフ・フーシェとともに常に権力の中枢に生き残り、外務大臣として辣腕(らつわん)を振るった乱世の雄
である。特に、ナポレオン後の欧州を仕切る「ウィーン会議」でフランスの国益を守ったことで知られる。彼の目に映った
ルイ18世らは、あの苛烈なフランス革命から「何事モ学バズ」、革命前の貴族の特権を「何事モ忘レズ」だったのだ。

 自民党の政権復帰はそうであってほしくない。景気対策として公共事業拡大、金融緩和などが行われようが、田中角栄時代の
ように金権政治に戻らないでほしい。

>>2以降に続く)