テレビ番組や映画をオンラインで無料視聴できるリンクを提供するWebサイトを立ち上げた英国人の大学生について
英高等法院は11月28日、著作権侵害の容疑で米国へ身柄を引き渡され、その後禁固刑を科される可能性を回避する
合意が成立したことを明らかにした。
28日に交わされた合意により、Webサイト「TVShack」を運営していたリチャード・オドワイヤーさん(24)は近く
少額の罰金を支払うために米国へ向かうことになったが、身柄の引き渡しは免れるという。TVShackはユーザーが
映画を無料で見られるよう手助けする役割を果たしていたが、コンテンツ自体をホスティングしていたわけではない。
オドワイヤーさんはそうした罪で米国に身柄を引き渡される初めての英国人になりかねない状況に置かれていたが
担当弁護士は「オドワイヤーさんは事実上、米国の著作権法侵害のテストケースにされるだろう」と主張していた。
Wikipediaの創始者であるジミー・ウェールズ氏は今年6月、「オドワイヤーさんはコンテンツ業界と一般市民の
利益をめぐる戦いのスケープゴートにされた」と主張し、この身柄引き渡し要求に反対するキャンペーンを立ち上げた。
英通信協会によれば、裁判所の決定により、イングランド北部シェフィールド出身のオドワイヤーさんは今後2週間以内に
米国へ向かい、再び著作権法を侵害しない旨を誓約することになっている。
今年1月、英国の裁判所が米国によるオドワイヤーさんへの身柄引渡し要求を合法と判断したことを受け
同国のテレサ・メイ内務大臣はこの引渡し要求を承認していた。
同大臣は今年10月には、米国の軍事システムに不正侵入した罪で米国への身柄引渡しを求められていた英国人コンピュータ
ハッカー、ゲーリー・マッキノンさんの引渡しを拒否している。この身柄引渡し要求をめぐっては、英米間の犯罪者
引渡条約の不平等さを強調するものだとして、活動家から批判の声が上がっていた。
ITmedia ニュース - ロイター
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1211/30/news036.html