突然の衆院解散、迫る総選挙に、候補者ポスターの印刷や掲示板製作など、選挙関連の業務を請け負う県内の業者が
困惑している。本来の繁忙期に、予想外に早まった“選挙特需”が重なった形で、業者からは「年末以外なら歓迎だが
今は正直言って迷惑半分」と嘆き節が聞かれる。
候補者のポスターやリーフレットなどを請け負ってきた福井市内の印刷業者は「各陣営とも選挙はもう少し後と
みていたようだ。予算の関係など準備ができておらず、なかなか話が進まない」と現状を説明する。
印刷業界は現時点で、商談中のところが多いという。
11、12月は年末年始商戦、クリスマス商戦向けの商業印刷などで1年で最も忙しい時期。
この業者は「よりによって重なるとは。とてもうれしいとは言えない」と戸惑い気味に話す。
同市内の別の業者も「かなり迷惑している。ポスターができるのも告示ぎりぎりになるのでは」。本来ならデザインを
考えるのに数日の余裕があるが「“きょう原稿が来て、あす印刷”という感じになるだろう」とあきらめ顔だった。
選挙事務所の看板などを手がけた経験のある福井市の看板業者も「年末はイベントが多くて忙しい時期。受注状況に
よっては、アルバイトを雇わなければ対応できないかも…」と見通しが立たない様子だった。
県選管は19日の入札を受け、選挙事務所表札や個人演説会の立て札といった七つ道具などの製作を看板会社に発注した。
各市町の選管も立候補者ポスター掲示板の製作などを依頼している。
リサイクルできる掲示板を使っている福井市選管では「急な解散で資材が不足しているらしい。追加注文は
受け付けられないようだ」と切羽詰まった状況を話した。
選挙事務所で使う机や椅子、暖房器具などをレンタルする市内の会社は「突然の解散だったので準備はまだできていない。
品不足が発生する可能性もある」と話す。選挙カーを提供するレンタカー会社への問い合わせもこれからが本番。
今回は過去最多の立候補者数となる可能性があり、関連業者にとっては大変な年末になりそうだ。
■記事
福井新聞
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