東日本大震災の被災者の医療環境を充実させるため、5月に開所した石巻市立病院開成仮診療所(石巻市南境)は27日
医療と介護の連携を目指そうと、地元医療関係者や市職員らを交えた合同研修会を開催した。
同診療所は、患者ら宅に訪問して医療や介護サービスを提供する医療関係者らの連携を促進する役割を担っており
同診療所長の長純一医師は「将来にわたって在宅介護の拠点になれるようにしたい」と抱負を述べた。
同診療所は厚生労働省の補助事業「在宅医療連携拠点事業」に選ばれた。通院が難しい高齢者らが、自宅にいながら
医療や介護を受けられる環境作りの中心になることが期待されている。
これを受け、同診療所は9月、連携して在宅医療に当たる石巻、東松島、女川の3市町の医療機関と介護サービス事業所の
計348施設を対象に、在宅医療に関するアンケート調査を実施。
医療機関45機関と介護サービス事業所164施設から回答を得た。
アンケートで、医療機関が在宅介護を始めることへの障壁について記述式で回答を求めたところ、「医師や看護師の人員不足」
「通常外来が混みすぎている」など、医療従事者の人手不足を訴える回答が目立った。
長医師は「在宅医療を担う医療者を育てていく必要がある」と指摘した。
また、調査への回答が医療機関で48%、介護サービス事業所で65%と低調だったほか、アンケート用紙の返送はあったものの
無回答だった医療機関が4割を超えていたという。
研修会では、参加者の意見交換も行われた。看護師や市職員のほか、ケアマネジャーやヘルパーら約80人が10グループに
分かれ、それぞれの職種による連携に向けた課題について話し合った。参加者からは「石巻地区全域の事業者が参加し、認識を
共有しなければ全体の底上げにはならない」という意見が上がっていた。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20121028ddlk04040154000c.html