【社説】「愛国歌」斉唱拒否は韓国進歩勢力の常とう手段
シム・サンジョン議員や魯会燦(ノ・フェチャン)議員らのグループは21日、新党・進歩正義党を立ち上げ、
シム議員を大統領候補に選出した。両議員らはかつて統合進歩党に所属していたが、
今年4月の国会議員選挙の際、比例代表候補選出のための予備選挙で不正を行った同党の旧主流派と決別。
その後も旧主流派に対して「でたらめ進歩」「サイバー進歩」などと激しく批判し
「自分たちこそ『真の進歩』」と主張している。ところが結党大会で思いもよらないことが起こった。
国歌斉唱の際、両議員らは「愛国歌(韓国の国歌)」ではなく、運動圏(左派系学生運動)の歌
「ご主人さまのための行進曲」を全員で歌ったのだ。
統合進歩党旧主流派の中心メンバー、李石基(イ・ソッキ)議員は今年6月
「従北(北朝鮮に従うこと)よりも従米(米国に従うこと)の方が問題だ」「愛国歌は国歌ではない」
などと発言し、国民を驚かせた。当時、シム・サンジョン議員は
「憲法を支えるべき国会議員が愛国歌を否定するなら、公人としての資格に疑いを持たざるを得ない。
(李議員は)別の世界に住む人間のようだ」などと激しく批判していた。
柳時敏(ユ・シミン)前議員も「われわれが愛国歌を歌わないことについて、国民がその理由を尋ねた場合、
どのように説明すべきだろうか」と述べ、朴元錫(パク・ウォンソク)議員は
「必要なら愛国歌を歌うべきだと思う」と語った。7月に旧主流派から統合進歩党の主導権を奪った彼らは
12年前に民主労働党が結党されて以来、初めて党の公式行事で愛国歌を歌った。
ところがその人物たちが「真の進歩政党」を目指して集まった席で、またも愛国歌から顔を背けた。
おそらく政治的に、国歌や国旗などの象徴的な意味合いに無知なのか、あるいは内心、
太極旗(韓国の国旗)とは異なる国旗を掲げ、愛国歌とは異なる国歌を歌っているかのどちらかだろう。
フランスの社会党やドイツの社会民主党、あるいはスウェーデンの社会民主党なども、
自国の国歌からこれほど露骨に顔を背けるようなことはないはずだ。
7月に行われた統合進歩党の議員総会で、李石基議員とキム・ジェヨン議員の除名案が否決されると、
後に進歩正義党を立ち上げたグループの間から「われわれは歴史の罪人だ。
大統領候補を送り出す資格もない」との声が上がっていた。ところが一言の説明もなく、
後になって突然自分たちの考えを変えて大統領候補を選出した。
これは野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補と無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補による
野党候補一本化交渉に割って入り、野党が勝利した場合に閣僚の座を手にするのが目的だ。
この国の自称・進歩勢力は、一体いつから進歩についての間違った認識を持つに至ったのだろうか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2012/10/23 08:51
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